【ギンザ・グラフィック・ギャラリーを外側から撮影】
SNAKEPIPE WROTE:
2024年2月以来、久しぶりにギンザ・グラフィック・ギャラリーを訪れたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
前回鑑賞したのは「YOSHIROTTEN Radial Graphics Bio」だったね。
あれから1年半も経過していたとは、びっくり!
以前は定期的に鑑賞していたギャラリーなのにね。(笑)
開催されていたのは「アイデンティティシステム 1945年以降 西ドイツのリブランディング」という企画展。
デュッセルドルフにデザイン事務所vistaを構えるグラフィックデザイナー、カタリーナ・ズセック氏とイェンス・ミュラー氏のコレクションを紹介しているという。
展覧会名になっている「アイデンティティシステム(Identity System)」について、ChatGPTに教えてもらおう。
ブランドや組織の視覚的・言語的な一貫性を保ち、内外にその個性や価値観を明確に伝えるための仕組みやルールの集合体.。
企業やブランドが一貫した印象を与えるために、視覚・言語・感情的要素などを体系化したもの。
ロゴだけでなく、色、フォント、写真スタイル、トーン&マナーなど、あらゆる表現要素を含む。
ChatGPTはお利口だから、すぐに答えてくれるね。
関係ないけど、先日ChatGPTに質問したら、返ってくる口調が妙に「くだけて」いたので
「丁寧なことば使いにしていただけませんか?」
と打ったら「大変申し訳ございませんでした。以後は丁寧な言葉にいたします」って返ってきたよ。
人と話してるみたいで、ちょっと怖かった。(笑)
話をアイデンティティシステムに戻そう。
ブランドの信頼性を高めたり、視覚的な一貫性で認知度を上げ、ブランドらしさを伝えるためのものだと分かったよ。
企業のロゴやポスターなど、グラフィック系の分野の王道が該当するね。
世界初のコーポレート・デザイン(企業全体のビジュアル・アイデンティティ)を手がけたのは、ベルリンに事務所を開いたペーター・ベーレンス。
ベーレンスは、建築家でデザイナーなんだね。
1907年にドイツの電機メーカーである AEGのロゴをデザインし、それ以外にパッケージ、広告、製品デザイン(扇風機、照明器具、電気ケトルなど)や建築(タービンホールなど)に至るまで、企業全体のデザインを統一したというから素晴らしい!
その建築事務所には、バウハウスの初代校長であるヴァルター・グロピウスやル・コルビュジエが在籍していたというから、豪華な顔ぶれに驚くね。
ペーター・ベーレンスを始祖とするドイツのデザインはバウハウスにつづき、その後現在に至っている。
第二次世界大戦後、西ドイツのデザインがどうなっていたのか興味津々!
会場入りしたのは、展覧会の最終日!
この日はROCKHURRAHの誕生日だったんだよね。
おめでとう、ROCKHURRAH!(笑)
いつも通り、撮影の許可をいただき、鑑賞を始める。
所狭しと作品が並んでいるよ。
1920年代のチラシや雑誌が展示されているケースには、目が釘付け!
色合いや雰囲気がとても好きなんだよね。
今回は1945年以降のデザインを観に来たのに、吸い寄せられてしまったよ。(笑)
グラフィック・ギャラリーの壁一面にロゴ・マークが展示されている。
黒一色だけでシンプルに表現されていて、とても面白いね!
キャプションによれば、大学や放送局など様々な機関や企業で使用されていたロゴ・マークみたい。
「作者不詳」で誰のデザインだか分からないマークが多いよ。
1950年代から60年代にかけて使用されていたマークなので、著作権に関して寛容だったのかも。
画像中央上部の人間が仁王立ちしてるようなマークは、切断機メーカー、クナーベ社のもの。
作者不詳のまま、1960年から現在まで使用されているとは驚き!
「A5コレクション」と呼ばれる展示がこちら。
これはグラフィック・デザインに関する「A5 books」シリーズの叢書や様々な出版物の資料を集めたものだという。
A5(148mm × 210mm)なので、展示のサイズが小さかったけれど、カッコ良いデザインがいっぱいあって興奮するよ。
かなりじっくり鑑賞したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
お気に入りのデザインを探して撮影しまくり。(笑)
一例をご覧いただこうか。
上の画像ではカラフルなデザインが多かったのに、黒っぽい色合いばかり選んでしまったね。
これは好みの問題だから許して。(笑)
SNAKEPIPEの一番お気に入りは、左上の「ZDF MATINEE」だよ。
進化になるのか退化になるのか不明だけど、上から見た場合には、絵がアルファベットに変化していく様子が分かる。
「ZDF MATINEE」は、1975年から1984年まで毎週日曜日の午前10時30分から午後12時までZDFで放送されていた文化番組シリーズだという。
アートや音楽など文化的なテーマについて、視聴率に関係なく配信されていたというから素晴らしい!(笑)
右上「Tagesschau」は、1952年から続いているドイツの国民的ニュース番組だという。
だからテレビアンテナがデザインされているんだね!
左下は1954年にピアノ奏者のマックス・エッガーが、日本公演を行った時のパンフレットみたい。
軽やかな旋律が聞こえそうなデザインだよね。
右下の「SCHWEDENSTAHL – QUALITÄTSSTAHL」は、おそらくスウェーデン製高品質鋼の広告のようだけど、はっきりは分からなかった。
金属の結晶構造を思わせる抽象的な図形と色合いが素敵!
北欧のテキスタイルデザインにも見えてくるよ。
額に入ったポスターもたくさん展示されていた。
ガラス面に反射して、光やSNAKEPIPEが写りこんでしまうのが難点だよ。
写らないようにすると、斜めからのアングルになってしまう。
魅力的なポスターを少しでもうまく撮影しようと奮闘するROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
伸び上がったり、かがんだりして頑張ってる姿が写っている画像がいっぱいだよ。(笑)
ガラスの反射問題は、なかなか解決しないね。
ROCKHURRAHが撮影した画像から4作品を紹介してみよう。
画像はヘルベルト・W・カピツキ(Herbert W. Kapitzki)が手がけたポスター。
1965年、シュトゥットガルト州産業局で開催されたデザイン展覧会を告知しているみたい。
じっと観ていると錯覚を起こしてしまいそうなオプ・アートもSNAKEPIPEは大好きなんだよね!
構成主義やバウハウスの影響を受けたとされるヘルベルト・W・カピツキ。
1953年以降、フリーランスのグラフィックデザイナーとして活動を開始したという。
ウルム造形大学やベルリン芸術大学で教鞭をとり、教育にも力を注いでいたんだね。
カピツキの他の作品も観てみたいよ。
続いてはアントン・スタンコフスキー(Anton Stankowski)の作品。
画像左は、1970年に開催されたシステマティック展のポスターとのこと。
カラーチャートのように、たくさんの色が重って目を引くよね!
正方形に右上がりの斜線というデザインは、スタンコフスキーの代表作であるドイツ銀行のロゴ・マークにも共通しているみたい。
1974年にデザインされたドイツ銀行のロゴは、「最も成功した企業ロゴの一つ」として高い評価を受けているんだって。
ドイツ銀行のロゴは、現在もほとんど変更なく、そのまま使用されているというから完全に定着したマークなんだね。
画像右は、1963年に欧州向けに作成されたルフトハンザ航空のポスター。
古代ギリシャ風の円柱が配置されていて、バックは矢印で表現された欧州の地図とは、見事だよね!
海外旅行への誘いを暗示しているのかな。
コピーが何もないので、視覚情報によるイメージだけで広告してるんだね。
スタンコフスキーについても深堀りして調べてみたいな!
最後は、フランシスコ・ソブリノ(Francisco Sobrino)の展覧会ポスターね。
1966年に(op) アート・ギャラリーで開催されたものだという。
4×4の正方形グリッド内に、グラデーションや円形が配置されている。
色が控えめでシンプルなのに、インパクトがあるんだよね!
フランシスコ・ソブリノは、フランスを拠点に活躍したスペイン出身のアーティスト。
1960年代のオプ・アートやキネティック・アートでの重要人物だという。
キネティック・アートというのが、動く要素を組み込んだ芸術作品を指すとのこと。
ソブリノは動く彫刻(モビール)や光と影を使った立体作品なども手がけているようで、興味がわくね!
最終日に間に合い、鑑賞できて良かった!
素晴らしい作品がてんこ盛りで、今回の記事だけでは紹介しきれないほどだよ。
たくさんのアーティストを知ることができたのも収穫だね。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーの展覧会情報は、チェックしていこう!
次回訪れるのが1年半後にならないようにね。(笑)