【今観てもショッキングな「アンダルシアの犬」のワンシーン】
SNAKEPIPE WROTE:
「デヴィッド・リンチ氏死去」
1月17日、朝のニュースで飛び込んできた訃報に、動きが止まる。
頭のどこかに空洞ができたようで、言葉が理解できない。
ただ、昨年リンチが自身の病気を発表してから、少しだけ覚悟があったことも事実。
それにしても、78歳では早過ぎるよ。
先週もリンチのグッズ特集を書いたばかりなのにね。
リンチの、映画、絵画、写真、音楽と幅広い作品を観せてもらった。
SNAKEPIPEの知見を広げてくれたし、作品を通じてたくさんの喜びを与えてくれた師匠だよ!
このブログでも何度か書いているけれど、1991年原宿の東高美術館で一度だけリンチにお目にかかることができたことは宝物だね。
リンチには感謝の思いでいっぱいだよ。
本当に今までありがとうございました。
これからも変わらず、リンチのファンを続けるし、ブログで特集を組むこともあるかもしれない。
SNAKEPIPEの中で、リンチは永遠のスターだからね!
リンチの作品を最初に知ったのと同時期、SNAKEPIPEがまだ少女だった頃の話。
毎週のように出かけていたのが、早稲田や高田馬場近辺の小さな映画館巡りだったんだよね。
ACTミニ・シアター、三百人劇場、早稲田松竹や、マンションの1室で靴を脱いで体育座りで観る映画館など、様々な場所でレトロな映画を鑑賞したものだった。
大抵は一人で出かけていたように記憶している。
情報源は「ぴあ」で、小さい文字を追って良く出かけたものよ。(笑)
今日はその頃観ていた映画を紹介していこうと思う。
SNAKEPIPEを形作った思い出深い作品だよ。
学生だったSNAKEPIPEは、まだ実家に住んでいた。
写真家だった父親が集めた映画関連の本を手にしたことから、レトロな映画への興味が湧く。
岩波新書くらいのサイズだったので、紹介されている写真はとても小さかったはず。
その中で気になるタイトルを記憶し、「ぴあ」で上映している映画館を探していたのである。
「戦艦ポチョムキン(原題:Броненосец «Потёмкин» 1925年)」はロシアのセルゲイ・エイゼンシュテイン監督作品。
古典中の古典と言える作品だよね。
最も有名な「オデッサの階段」シーンは、乳母車のシークエンスを含め、後にフランシス・ベーコンがメガネの割れた老婆を描いたりと、各方面に多大な影響を与えているよね。
トレイラーを載せておこう。
ロシアの次はポーランドにしてみよう。
「灰とダイヤモンド(原題:Popiół i diament 1958年)」は、アンジェイ・ワイダ監督作品だよ。
暗殺者の若者が主人公で、無鉄砲な生き様に男気を感じる人もいるかもしれないね。
屋上にシーツがかかっている中を逃げる主人公が印象的だった。
このシーンも、他の映画で真似されているのを観たことあるかも。
アンジェイ・ワイダ監督では、他に「地下水道」も観たなあ。
かなり退屈な時間を過ごしたように覚えているけれど、昔は我慢強かったかも。
ちゃんと最後まで観てたからね。(笑)
「灰とダイヤモンド」のトレイラーも載せておくことにしよう。
「アンダルシアの犬(原題:Un Chien Andalou 1929年)」はルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリによって制作されたシュルレアリスム映画。
観ていた当時のSNAKEPIPEは、シュルレアリスムという言葉を知らなかったよ。
不可思議なシークエンスの連続で、特にストーリーはなかったように記憶しているけど、違っていたらスミマセン!
スペインの2大巨匠が手かげたショート・フィルムは、今だったら簡単に動画配信サービスで観ることができるけれど、学生だったSNAKEPIPEの時代は1回逃したら、次はいつチャンスが訪れるか分からない上映だったはず。
方向音痴で、今みたいに「乗換NAVI」などがない時代、よく通ったもんだ。(笑)
「アンダルシアの犬」は、不条理小説を好んでいたSNAKEPIPEの好みにピッタリの映画だった。
こちらもトレイラーがあったので、載せてみよう。
ルイス・ブニュエル監督作品はよく観に行ったっけ。
「小間使の日記」「ブルジョアジーの密かな愉しみ」「自由への幻想」など、夢中になって観ていたよ。
今回は「昼顔(原題:Belle de jour 1967年)」について書いてみよう。
少女時代のSNAKEPIPEが鑑賞するにしては、ちょっと刺激的な内容だったかもしれないね?(笑)
この映画の中で最も印象に残っているのは、カトリーヌ・ドヌーヴの美しさ!
スタイリッシュで憧れてしまうほど。
周りの娼婦達も、なんだかカッコ良く見えてしまったし。
ラストシーンが謎だったけれど、やっぱり今でもカトリーヌ・ドヌーヴ好きだよ。
トレイラーはこちら。
「去年マリエンバードで(原題:L’Année dernière à Marienbad 1961年)」で一番目を引いたのは、ポスターの背景にある庭園だった。
シンメトリー構造の、不思議な三角形がモチーフになった庭園が、先に書いた父親の映画の本に載っていて、惹かれたよ。
鑑賞した後には、庭園の記憶はあまり残っていなくて、とにかく頭がぐるぐるしたことを覚えている。
「去年マリエンバードで」何かあったようなんだけど、それがなんだかはっきり分からないまま、モヤモヤしたんだよね。
検索するとどうやら430のシーンで構成されていたらしいから、SNAKEPIPEが混乱するのも無理はないね。
衣装担当がココ・シャネルだって?
それも知らなかったよ。(笑)
最後にゴダール監督の「勝手にしやがれ(原題:À bout de souffle 1960年)」を紹介しよう。
今回6本の映画について書いたけど、全てヨーロッパ映画だね。
ヌーヴェル・ヴァーグ(ニュー・ウェイヴ)という、1950年代から始まった映画の運動の中心人物だったゴダール。
ジャン=ポール・ベルモンドの奔放さは、先に書いた「灰とダイヤモンド」の主人公マチェクに近い雰囲気だったように覚えている。
破天荒な若者の生き様を描く作品というだけでなく、ヌーヴェル・ヴァーグならではの手法もあるようだけど、あまり覚えていないよ。(笑)
今観てもオシャレでカッコ良いね。
トレイラーはこちら。
「二人のイエスタデイ」として、久しぶりに思い出しながら、若かりし頃夢中になった映画について書いてみたよ。
今回はカルト系は入れてないんだよね。
SNAKEPIPEは、アートの基本を映画で習ってたのかもしれないな。
映画監督のジョン・ウォーターズは「恥ずかしい趣味」としてアート映画鑑賞を挙げている。
ジョン・ウォーターズもリンチと同い年の78歳。
ホドロフスキー監督は95歳。
皆さん高齢になっているので、健康に留意して欲しいね!