「驚くべきリアル」展鑑賞

【毎度お馴染み、MOMA敷地内の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

昨年よりずっとスペイン熱にかかっている。
あ、これ病じゃないからね。(笑)
スペイン映画がきっかけとなり、何かにつけてスペインをキーワードとして楽しんでいるのである。
東京都現代美術館でスペインのアート展があるよ!」
と教えてくれたのはROCKHURRAH。
当然のようにROCKHURRAHもスペイン熱に冒されているので、目を輝かせている。
2月15日から始まるから楽しみだね、と言い合っていたけれど、皆様ご存知のようにその日は大雪の影響で、とても外出するどころではなかったよね!
そしてその翌週、久しぶりに木場へと向かったのである。

前回行った日付を確認してみると、2011年11月の「ゼロ年代のベルリン展」だったみたい。
意外と長い間来館していなかったことに気付いてびっくり。
美術館情報はチェックしているつもりなので、SNAKEPIPEの好みの企画がなかったのかな。
木場駅からの長い道のりをテクテク歩きながら、横目で少し残った雪を確認する。
東京都現代美術館までの道のりは広大な公園があるので、散歩がてら歩くのは丁度良いんだよね。
そして日当たりが良いのか、本当に道の片隅にしか雪がなかったよ。
この日は晴れて気温も少し高かったので、歩くには良い日だったね!

「驚くべきリアル展」はスペインだけではなくて、スペイン語圏ということなのかラテンアメリカのアーティストの作品も展示されているとのこと。
スペインの現代アートにはなかなか触れる機会がないので、当然のようにHPでの紹介を読んでも知らない名前ばかり。
どんな作品に出会えるんだろう?

ガラス貼りの美術館は中に入ると陽射しで温められた空気が、少し暑いくらいだった。
この美術館はそんなに大勢の観客がいないことが特徴で、ゆったり鑑賞できる点がお気に入りなんだよね。(笑)
チケットを購入しようと売り場に歩いていく途中でまず目に飛び込んできたのが3体の人形だった。
「なに?あれ?」
一瞬で目が釘付けになる。
かなり不気味な雰囲気の人形で、少し近づいてみるとどうやら作品のようである。
まずはチケット買わないと!
それからじっくり鑑賞したいよね!

チケット購入後、受付の前にその人形たちはいた。
本来は一番最後の展示作品だったようだけれど、全くお構いなしにじっくり鑑賞する。
説明している文章によると、作者であるエンリケ・マルティの友人をモデルに、縮尺を変えて制作された作品とのこと。
その縮尺が変わっているといる点が、なんとも奇妙で不気味な雰囲気を醸し出している要因みたいだね。
頭部と手足だけが実物大の大きさで、体だけ小さい。
手や足の指の長さも実際とは違っている。
頭髪などは本物の毛を使っていたようで、かなりリアルな出来栄えなので、余計にギョッとしちゃうんだよね。(笑)
このアーティストの名前を記憶し、先に進むことにする。

次にまた足が止まったのは、エンリケ・マルティの作品の前だった。
実際にはエンリケ・マルティと知る前から、圧倒的な存在感の前に立ちすくんでしまった、というのが正しいのかもしれない。
壁一面を埋め尽くす、その大きさにまず驚いてしまう。
なんでもない家族のポートレートを組み合わせたような複数枚で構成された作品で、 タイトルはそのまま「La familia(家族)」である。
近寄ってみないと、それらが油彩画であることが判らないほど、精巧なタッチである。
そして更にじっくり一枚一枚を鑑賞していくと、ハッピーな家族の肖像だけではないことがわかってくる。
そのことに気付いてしまうと、あー、あっちにも、ここにも!という具合に気味の悪いポートレートに目を奪われる。 上の2枚のような絵が、ところどころに配置されているのである。
「幸せそうに見える家族だけど、本当はね」と内緒話をされているような、見てはいけないものを覗いているような罪悪感と、同時に秘密を知ってしまった優越感を持ってしまう。
そしてその暗部を描いた絵のなんとも魅力的なこと!(笑)
右側の人間なのか獣なのか判別し辛い生物が描かれている絵などは、大好きなフランシス・ベーコンの絵に通じる雰囲気もあるよね。
そして安穏そうに見える裏側には闇もあるんだよ、というテーマはまるで敬愛する映画監督デヴィッド・リンチを感じてしまう。

帰宅後、エンリケ・マルティについて調べたところ、自身のHPに作品がたくさん掲載されていて、見つけたのがこの作品。
タイトルはそのまま「Fire Walk With Me」(1999年)である。
これを観た時に「ああ、やっぱり!」と思ったSNAKEPIPE。
好きな物が似ているアーティストの作品はすぐにピンとくるものだからね!
「ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間」(1992年)の原題が「Fire Walk With Me」、監督はもちろんデヴィッド・リンチである。
「ツイン・ピークス」の虜になった人であれば、この赤い服を着た人物が誰なのか瞬時に判るはず。(笑)
「Fire Walk With Me」はシリーズになっていて、他にもローラの顔やデイル・クーパーの顔も描かれていた。
いいねえ!エンリケ・マルティ!
このアーティストを知ることができただけでも、「驚くべきリアル展」に行った甲斐があったよね!
この世界観をもっと知りたい。
エンリケ・マルティ展やらないかなあ。(笑)

展覧会について書く時にいつも言ってることだけど、現代アートのジャンルとしてビデオ作品が必ずあるんだよね。
展覧会によっては何分の作品なのかを表示していないことも多くて、ほとんどの場合は途中から鑑賞することになり、結局意味が解らないまま数分だけ観て立ち去ってしまう。
どんな展開になるのかどうしても知りたいと思うような作品に出会っていないというのも理由なんだろうけど。(笑)

ビデオ作品には少々辛口のSNAKEPIPEが、今回はじっくり鑑賞した作品があったんだよね!
Oedipus Marshal」(保安官オイディプス)という2006年の作品でアーティストはハビエル・テジェス。
残念ながらハビエル・テジェスについての情報が少なくて、自身のHPも見当たらないの。
ベネズエラ出身のビデオアーティストで、現在はアメリカ在住だというくらいで許してね。(笑)

「Oedipus Marshal」はギリシャ悲劇として知られる「オイディプス王」をウエスタン仕立てにした作品だった。
しかも登場人物が着けているのは、日本人には馴染みのある能面!
ギリシャ・ミーツ・ウエスタン・アンド・ノーガク!(笑)
なんとも不思議なミクスチャーだと思ってしまうけれど、これが全然違和感なく鑑賞できちゃったんだよね。

上の写真でも判るように、ウエスタンの衣装に能面、なかなか良いよね?
そして映画みたいにセリフが入った作品だったんだけど、その時々で表情が違ってみえるところもびっくり!
日本の芸能でありながら、詳しくは知らない能の世界だけど、やっぱり伝統芸能っていうのは能面1つ見てもさすがだな、と感じることができたのは大きな発見だね。
音楽も能楽の音を使っていたんだけど、それもしっくりしていて作品に合ってたんだよね。
外国人から日本文化を学ぶとは!(笑)
この作品は映画として観ても十分面白いと思うので、アートの世界だけではなくて娯楽作品としての上映も希望したいところだ。

スペインのアートを全く知らないまま、ちょっと賭けのように出かけた展覧会だったけれど、ピッタリとフィーリングにマッチする(死語)アーティストに出会えて嬉しかった。
エンリケ・マルティの今後の活動に注目だね!(笑)

コレクション♪リコレクション VOL. 2 色彩のラプソディー展鑑賞

【川村記念美術館行きのバス停にて撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

10月なのに30℃を超える気温を記録した暑い日に、久しぶりに展覧会に行くことにしたSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
今年は猛暑、台風、竜巻と異常気象のオンパレード。
体力に自信がないSNAKEPIPEにはとてもキツいなあ。
年齢的な関係もあるのかな。(笑)
今年の夏は暑いせいで、休日はひきこもってばかりいた。
せっかくの秋だからお出かけしようと決めたのが、佐倉にある川村記念美術館
9万坪の広い敷地内に併設されている美術館は、まるで小旅行に出かけたような気分になる気持ちの良い場所だ。
熱中症対策用の飲み物を用意し、佐倉に向かったのである。

川村記念美術館は2011年9月に鑑賞した「モホイ=ナジ/イン・モーション」以来約2年ぶりになるんだね。
モホリ=ナギ展覧会も素晴らしかったし、川村記念美術館がコレクションしている作品群も、こだわりが感じられ大変満足したことを覚えている。
今回はそのコレクションの中から「リコレクション」としてテーマを決めて展示しているシリーズの2回目とのこと。
これは期待できそうだね!(笑)

佐倉駅の川村記念美術館行きのバス停で待つこと10分。
同じようにバスを待っているのは女性2人組と他に女性1人のみ。
無料送迎バスは大型マイクロバスで立派なタイプなので、お客さんが5人程度しか乗っていないのは、ちょっともったいないくらい。
経営状態を勝手に心配してしまうよ。(笑)
佐倉近辺の住人だったら車を所持しているのが当たり前で、SNAKEPIPEとROCKHURRAHのように、何かしらの交通機関を利用しないとダメな人ばかりじゃないだろうけどね!

20分程度で美術館に到着。
駐車場には車がたくさん停まっていて、やっぱり他の人はマイカーで来るんだなと納得。
美術館に行く人は少なくても、自然散策路の散歩を目的とする人が多いみたいだからね。
おかげで美術館内はガランとしていて、ゆったり鑑賞することができたよ!(笑)

今回の展覧会の目玉はフランク・ステラエーリヒ・ブラウアーの展示である。
フランク・ステラのコレクションは川村記念美術館で今までにも鑑賞しているけれど、今回は「フランク・ステラ・ルーム」として大型の作品16点を鑑賞できるとのこと。
常設展示に加えて企画展へとつながる順序に沿って鑑賞していく。
常設展では前回も鑑賞していたけれど、やっぱりマックス・エルンストの作品に目を奪われる。
2012年5月に横浜美術館にて「マックス・エルンスト-フィギィア×スケープ」を鑑賞した時にも非常に感銘を受けたね!
やっぱりダダとシュルレアリスムには興味津々だよ!(笑)

川村記念美術館にはもう1つお目当てがある。
世界に3つしかないマーク・ロスコの作品7点が展示されている「ロスコ・ルーム」である。
今回は本当にお客さんが少なかったので、「ロスコ・ルーム」はSNAKEPIPEとROCKHURRAHの専用貸し切り部屋になってしまった!
なんてラッキーなんでしょ!(笑)
言葉にできない、なんとも言えない感覚に襲われる部屋なんだよね。
真ん中にあるソファに座ってぐるりと展示されているロスコの絵をじっと観ていると、まるでトリップしているように意識が飛ぶ。
できるだけ長い時間滞在したい空間なんだけど、美術館の監視員と警備員にじーーーっと見られているのは苦痛。(笑)
特に今回は2人しか部屋にいなかったから余計だよね。
ちょっと名残惜しい気持ちを残しつつ、2階の企画展へ向かう。

【ヒラクラⅢ  1968年】

「フランク・ステラ・ルーム」はかなり広い2部屋を使用し、大型の作品を展示していた。
複雑な形のキャンバスに幾何学模様を描いたミニマル・アートからコレクションが始まる。
ミニマル・アートとは視覚芸術におけるミニマリズム(Minimalism)であり、装飾的・説明的な部分をできるだけ削ぎ落とし、シンプルな形と色を使用して表現する彫刻や絵画のことだという。
ミニマル・アートの先駆者としてロシア構成主義のアレクサンドル・ロトチェンコの名前が挙がっているのを発見!
やっぱり好きな雰囲気の作品は根本でつながってるんだね。(笑)
極彩色なのにバランスが良くて、部屋に飾りたい逸品がたくさんあったよ!
幾何学模様の美しさを堪能できるね!

【Western Driefontein 1982年】

フランク・ステラの別ラインは立体的な作品群である。
川村記念美術館の入り口にも、「リュネヴィル」というかなり大きなフランク・ステラの立体作品が展示されているんだよね。
川村記念美術館はフランク・ステラのコレクションとしても世界的に有名だというから「ロスコ・ルーム」と併せて、高い評価を受ける美術館といえるだろうね!
「フランク・ステラ・ルーム」に展示されていた立体作品も、とても素晴らしかった。
どの作品も「家に飾りたい」と思ってしまう逸品ばかり。
ステンレススチールやアルミニウムを素材にしている作品が多いので、「シルバー色でピカピカ光るもの」に目がないSNAKEPIPEにはよだれもの。(笑)
現在77歳のフランク・ステラは、現役で活動を続けているという。
もっとたくさんカッコ良い作品を作って欲しいよね!(笑)

【Cast thy bread upon the waters:For thou shall find it after many days】

もう1つの企画展がウィーンの画家、エーリヒ・ブラウアーの版画である。
旧約聖書の「ソロモンの箴言」から抜粋したテクストを元に制作された、12点の連作版画だという。
2012年9月に行った「ジェームス・アンソール展」も全く知らないベルギーの画家の展覧会だった。
今回のエーリヒ・ブラウアーも今まで聞いたことないんだよね!

エーリヒ・ブラウアーは1929年ウィーン生まれ。
リトアニアからの移民でユダヤ系だったため、少年期にはナチスによる迫害や強制労働を経験したという。
1945年にウィーンの美術アカデミーに入学し、同時に歌唱法も学んだというから多芸だよね。
1946年、ギュータースローに師事する。
この時同じようにギュータースローから教えを受けた画家たちは、ウィーン幻想的レアリスム派と呼ばれるらしい。
もちろんエーリヒ・ブラウアーも中心人物の一人だったのね。
それにしても、幻想的レアリスムってシュルレアリスムとは違うのかね?(笑)

その後フランス、スペイン、北アフリカなどを旅行しダンサーや歌手として生活費を稼いだらしい。
「芸は身を助く」を実践していて、アレハンドロ・ホドロフスキーに経歴が似てるね。
1955年の結婚を機に名前を「Arik」に改名。
これはヘブライ語で「神のライオン」を意味するらしいよ。
1956年にウィーンで個展を開催して以来、現在に至るまで活動を続けているアーティストとのこと。
絵画だけではなく、ミュージシャンとしての活動もあり、数々のアルバムもリリースしているとはびっくり!
舞台馴れしている雰囲気は上の写真でも判るよね。
まだまだ元気でおシャレな紳士だから80代には見えないよ。
今回の展覧会で初めて存在を知ることができて良かったなあ!

【With thou set thine eyes upon that which is not? For riches certainly make themselves wings. They fly away as an eagle toward heaven. 】

「ソロモンの箴言」を題材にした12点の作品は、大きく逸脱せず、内容を視覚化していて解り易い。
色彩の鮮やかさやモチーフの面白さは、遠目でも瞬間的に目に入ってくるほどインパクトが強い。
近寄ってじっくり鑑賞すると、かなりグロテスクな要素も含まれていることに気付く。
上の作品では流線型の物体から緑色の女の足が伸びているんだよね。
なんだかよく分からない想像上の物体が多く登場して、作品全体を不気味にしている。
「これよ!まさにこれ!」
と口角泡を飛ばし、興奮するSNAKEPIPE。
前述したジェームズ・アンソールに求めていたグロテスクな要素が満載で素晴らしい!(笑)
ジェームズ・アンソール展もこんな風に、たくさんのグロテスクを展示してくれたら良かったのに期待ハズレだったからね。

最後に一点だけ、残念なこと。
なんでミュージアムショップにブラウアー関連商品が一点もなかったんだろう?
せめてポストカードだけでも置いて欲しかったなあ!
SNAKEPIPEのように図録を楽しみにしているような客もいることを知って欲しいな、と思う。

小さな残念なことはあったけれど、大好きな雰囲気の画家に出会えて、とても嬉しかった。
行って良かった、素敵な展覧会だったよ!
さすがに川村記念美術館、最高だね!(笑)

アメリカン・ポップ・アート展鑑賞

【デニス・ホッパー撮影のアンディ・ウォーホル。大好きな一枚だ!】

SNAKEPIPE WROTE:

国立新美術館ポップ・アート展やってるよ」
長年来の友人Mから連絡があったのは、随分前のことだ。
展覧会は開催期間が長いので、どうしても絶対早く観たいと思うもの以外は、期間中に行かれたら行こうね、という約束をする。
8月中は夏休みのために入場者数が多く鑑賞しづらいだろう、というのが先延ばしにしていた理由になる。
そしてついに9月に入ってから、約束通りに六本木に繰り出したのである。

国立新美術館は、SNAKEPIPEにとっては「シュールレアリズム展」「マン・レイ展」に続く3回目の来館だったけれど、友人Mは初めてになるらしい。
そのためSNAKEPIPEが美術館までの道のりを案内するようなカタチになってしまった。
例の「大学院大学」が見えてきた時にはホッとする。
方向感覚に優れた友人Mから「信じられない!」と何度も言われた経験のある筋金入り方向音痴のSNAKEPIPEにとって、道案内することは大仕事だからね!(笑)
予想通り来館者は思ったよりも少なく、SNAKEPIPE命名の「国立系」もそれほど見かけない。
やっぱり8月を避けて正解だったようだ。

ここで少し「ポップ・アート」について書いてみようか。
「ポップ・アート」と聞いて誰もがまず一番初めに思い浮かべるのは、アンディ・ウォーホルだろう。
マリリン・モンローをモチーフにした作品やウォーホルが監督した映画だったり、もしかしたらヴェルヴェット・アンダーグラウンドを連想する人もいるだろう。
SNAKEPIPEもアンディ・ウォーホルについては以前より興味があり、ドキュメンタリー形式の本を読んだり映画を観たりしてウォーホルとは一体どんな人だったのか、何をしていたのかを知りたかった。
最も興味を持ったのは「ファクトリー」と呼ばれたウォーホルのスタジオに集まる人々とその行動かな。
ニコが一日バスタブに浸かって読書をしていた、なんて文章を未だに覚えているくらい。(笑)
ウォーホルと同じように銀髪にしたイーディ・セジウィックの可愛らしさ!
イーディのポストカードはずっと飾っていたっけ。
60年代は、なんとも言えない魅力にあふれた憧れの時代なんだよね!

他にポップ・アーティストといえば、ロイ・リキテンシュタインを思い出すね。
あれ?
もうこれ以上出てこない!
「ポップ・アート」と聞いて、ちゃんと認識できているアーティストが非常に少ないことに今更ながら気付き驚くSNAKEPIPE。
断片的に作品は鑑賞しているみたいだけど、どうやら「ポップ・アート」としてまとまった展覧会を観たことがないんだね。
これはやっぱり行って確認しないと!(笑)

「ポップ・アート展」は日本美術および現代美術の世界有数のコレクターとして知られている、ジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻のコレクションを展示しているとのこと。
パワーズ夫妻はポップ・アートがまだ評価を確立する以前からその真価を見抜き、作家を直接支援することによって、世界最大級のポップ・アート・コレクションを築き上げたらしい。
これだけの作品をプライベートでコレクションできるなんて余程の資産家だろうし、広大な敷地を持つ邸宅に住んでいるんだろうね!(笑)
夫妻の名前からして判るように、「キミコ」は日本女性なんだよ。
一体ジョンとキミコにはどんなロマンスがあったんだろうね?
そんなお話も聞いてみたかったなあ。(笑)

会場に入ってみると、「ポップ・アート展」はアーティスト別に部屋が区切られ、そのアーティストの全貌を知ることができるように配置されていた。
それでは気になったアーティストについての感想をまとめていこうか。

1. ロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg)

1925年テキサス州生まれのロバート・ラウシェンバーグは、アメリカにおけるネオダダの代表的な作家として活躍し、のちのポップ・アートの隆盛にも重要な役割を果たす。
2008年、82歳で心不全のため死去。

実は今回の展覧会の中で、SNAKEPIPEが感銘を受けたのがロバート・ラウシェンバーグだったんだよね!
フォト・モンタージュを取り入れていたり、タイポグラフィも登場していたので、ネオダダと聞いて納得!
「コンバイン(結合)・ペインティング」と呼ばれる様々なオブジェの組み合わせに激しい筆触のペイントを加えた作品群は迫力があってカッコ良い!
上の作品「ブロードキャスト」も「コンバイン・ペインティング」で、中央辺りにラジオが内蔵されていて、実際に放送を聴くことができたらしいね。(笑)
ロバート・ラウシェンバーグの名前は耳にしたことがあるけれど、実際に作品を鑑賞するのは初めてだったのかも。
もっとロバート・ラウシェンバーグについて知りたいし、個展が開催されるなら是非鑑賞してみたいな!

2.ジャスパー・ジョーンズ(Jasper Johns)

ジャスパー・ジョーンズは1930年ジョージア州生まれ。
上述のロバート・ラウシェンバーグと同じようにネオダダやポップ・アートの先駆者として活躍したアーティストである。
wikipediaによれば、どうやらロバート・ラウシェンバーグと同じビルに住んでいたことから友人関係にあったらしい。
同じ方向を向いたアーティストが近くにいるってものすごい偶然だよね!

ジャスパー・ジョーンズといえば、アメリカ国旗やダーツの的をモチーフにした作品が代表作といえるだろうね。
もちろん代表作の展示もあったけれど、今回の展覧会では、左のような様々な色を使った線の絵が一面全てに展示されている部屋があり驚いてしまう。
友人Mと顔を見合わせ、首をひねる。
抽象絵画といったら良いのかすら判らないけれど、どうもSNAKEPIPEには理解できない世界観だなあ。

3.アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)


アンディ・ウォーホルは1928年ピッツバーグ州生まれ。
上述したようにポップ・アートといえばウォーホルというくらいの有名人だよね!
1987年胆嚢手術を受けるも、容態が急変し心臓発作のため58歳で死去。

今回の展覧会の目玉が「200個のキャンベルスープ缶」だった。
誰もが知っているというくらいの有名な作品だと思うけれど、SNAKEPIPEが知っていたのはどうやらシルクスクリーンで印刷されたものだったみたい。
今回展示されていたのは、印刷されたものではなく、描かれている作品だった。
近くに寄って鑑賞してみると、ちょっとフォントが歪んでいたり、一番下の列は同じ銘柄が並んでいるのを発見して楽しくなってしまった。
描き続けているうちに、少し飽きてきたのかも?(笑)

他にもマリリン・モンローだったり電気椅子などの有名な作品が展示されていたけれど、あまりにも見慣れすぎているためか確認作業をしている気分になった。
今回の展示で異質だったのは、スポンサーでありコレクターであるキミコ・パワーズの肖像が並んでいたこと。
なんと部屋の全てがキミコだったんだよね!
依頼をして作ってもらったのかもしれないけど、展覧会に自分の顔が並んでいる光景とはいかがなものか?(笑)
ウォーホルの作品には違いないけど、知らない家族のポートレートを無理矢理観させられてる気分になってしまったよ。

4.ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)

1923年ニューヨーク州生まれのロイ・リキテンスタインも、アンディ・ウォーホルと同じくらい有名なポップ・アーティストだよね。
1997年肺炎のため73歳で死去。

漫画の一コマを印刷インクのドットを含めて描いた作品群は、非常にインパクトが強く印象に残りやすい。
今回の展覧会では、その細かなドットの一つ一つが描かれていることを実際に目にすることができて嬉しかった。

リキテンスタイン作のドットが描かれてたコーヒー・カップも展示。
黄色いカップに黒いドット柄。
この雰囲気、どこかで観たよねと友人Mと顔を見合わせる。
そうか!草間彌生のかぼちゃのシリーズにそっくりなんだね!(笑)

他にも数人のアーティストの作品が展示されていたけれど、作品数が少なかったし、ポップ・アートの範疇に入るのかよく判らない作品もあった。
ポップ・アートの定義って難しいよね。
wikipediaによれば

雑誌や広告、漫画、報道写真などを素材として扱い、
大量生産・大量消費社会をテーマとして表現する、
現代美術の芸術運動のひとつ

とのこと。
この文章読んでも、ウォーホルとリキテンスタインの作品について書いているだけで、充分に説明されているとは言い難いよね。(笑)
SNAKEPIPEがポップ・アーティストについて即答できないのも無理ないかも?

1950年代にイギリスでポップ・アートが始まり、1956年にリチャード・ハミルトンが雑誌や広告の魅力的な商品やゴージャスなモデル写真を切り貼りしたコラージュで、ポップ・アートの先駆的作品を制作していたとは知らなかった。
左に載せたハミルトンの作品「Just what is it that makes today´s homes so different, so appealing?」の中にはロリポップキャンディーの包み紙にポップの文字があるんだよね。
評論家であるローレンス・アロウェイが商業デザインなどを指して「ポピュラーなアート」という意味で使用したときに「ポップ・アート」という言葉が誕生したという話も今回初めて知ったよ!
前から知っていたはずのポップ・アートだったのに、意外と何も知らなかったことが判っただけでも新発見かな。(笑)
そしてネオダダからポップ・アートへ移行していった、ということについても知識がなかったんだよね。
現代アートに興味がある、と言っておきながらまだまだ未熟者のSNAKEPIPE。
もっと勉強が必要ね。(笑)

フランシス・ベーコン展鑑賞

【フランシス・ベーコン展の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

SNAKEPIPE MUSEUM #7 Francis Bacon」を書いたのは2011年1月のこと。

「どこかで展覧会やってくれないかなあ。
大量の現物を目の前で観たいものである。」

という文章で締めくくったSNAKEPIPEの希望を叶えてくれることが判ったのは去年のことだった。
情報収集能力に長けた長年来の友人Mから電話があり、
「ベーコンさん、個展やるよ!」
とまるで知人であるかのような口ぶりで教えてもらったのである。
狂喜乱舞するSNAKEPIPE!
展覧会開始の3月を心待ちにしていたのである。

東京国立近代美術館に向かったのは、開催されてから1週間を過ぎた、少し桜が咲きかけた頃である。
コートを着るには暑く、薄手のジャケットでは寒い難しい春の陽気。
SNAKEPIPEもROCKHURRAHも得意のレザージャケットを着用し、待ち合わせ場所へと向かう。
なんと友人Mも同じくレザー着用!
レザー・トリオになってしまった。(笑)
なんとなく怪しい3人組、会場へと急ぐのである。

開催されてまだ日が浅いにも関わらず、そこまでの混雑は感じられない。
押し合いへし合いで、人の頭と頭の間から絵をやっと覗き見る、なんてことにはならなかった。
SNAKEPIPE命名の「国立系」がわんさかいるかと思っていたけど。
良かった、と胸を撫で下ろすSNAKEPIPE。
待ち望んだ展覧会だもん、じっくり鑑賞したいからね!

いつものブログ通り、展覧会の進行に合わせた感想をまとめていこうか。
今回のフランシス・ベーコン展は「身体」をテーマにして年代別に括られていた。

Chapter1 うつりゆく身体 1940s―1950s

「うつりゆく身体」とはA地点からB地点への移行の状態に見えることから名付けられたタイトルとのこと。
A→Bだけではなく、B→Aの移行にも見えることが特徴だと言う。

この章の中で気になった作品が「走る犬のための習作」(1954年)。

一本の線だけで何かを表現するのはベーコン得意の技法である。
簡単に引かれたように見える線なのに、これが舗装された道で脇に側溝があると解り、きちんと情報を提供しているのがすごいよね。
SNAKEPIPEが勉強不足なのか、ベーコンが描く動物の絵を鑑賞するのは、これが初めてである。

まさに犬が走っている!
左の絵は小さいので詳細までは確認できないと思うけれど、ピンク色の舌を出して犬が走っている映像を一時停止させたみたいな絵。
犬が完全にブレているため、より動きが感じられるのである。
この絵をモノクロームにして、コントラストやや強めに、ちょっと粒子を荒くしたら大道さんみたいじゃない?(笑)

「叫ぶ教皇の頭部のための習作」(1952年)の元ネタがエイゼンシュタイン監督の「戦艦ポチョムキン」(1925年)だというので、2枚を並べてみたよ。
「戦艦ポチョムキン」、懐かしいなあ!
もう何年も前に観ているので詳細は忘れているけれど、やっぱりあの階段のシーンは見事だよね。
もちろんこの乳母の顔もしっかり覚えている。
ベーコンのアトリエには、「戦艦ポチョムキン」のスチール写真の切り抜きがあったというから、かなり重要なモチーフと考えていたようだね。
上の作品は斜めになったメガネと共に、ベーコン最大の特徴である叫ぶ口が描かれていて、まさに乳母そのもの!
このベーコンの叫ぶ口にインスパイアされたのが、デヴィッド・リンチである。
エイゼンシュタイン→ベーコン→リンチと、映画→絵画→映画の順番だよね。
この先はまだ続いていくのかな?
後継者は…難しいかもね?(笑)

Chapter 2 捧げられた身体 1960s

無神論者であったベーコンは「磔刑図」をどのように考えて制作していたのか、ということに焦点を当てる。
キリスト教とは別の原始的な宗教においては、神に捧げられた「人間の生贄」としての犠牲的な行為とも言えるのではないだろうか。
なーんて解説文を要約して書いてみたけど、キリスト教についても、原始的な宗教についても詳しくないSNAKEPIPEがあれこれ言える立場じゃないよ。(笑)
解説抜きで好きな絵ってことで良いのだ!(笑)
ところがなんとも驚いたことに、ここまで「磔刑」について書いているのに、ベーコンの磔刑関連の絵は一枚もなし!
難解な解説書いておきながら、全く意味不明だね。

この章の中で気になった作品は「ジョージ・ダイアの三習作」(1969年)かな。
空き巣だと思ってベーコン宅へ泥棒に入ったジョージ・ダイアが、制作中のベーコンにバッタリ遭遇。
そのまま居付いて、ベーコンの愛人になってしまう話はベーコンの伝記映画「愛の悪魔」で観たSNAKEPIPE。
上は、その愛人であったジョージ・ダイアを描いた作品なんだけどね。
解説には「顔面中央に弾丸を打ち込まれたかのような黒い円形」と書いてある。
SNAKEPIPEも「鼻の穴にしては大きいかも」と思って観た。
しばらくじっと観ているうちに、思い付いた。
「これは…穴だ!」
ベーコンは同性愛者だったからね。
考え過ぎだったらゴメンナサイ!(笑)

Chapter 3 物語らない身体 1970s―1992

この章では、ベーコンの特徴である3枚1組みセット(三幅対というらしい)を多く展示していた。
何故「物語らない身体」というタイトルになっているか、というのは複数の空間と人物を描いているのにストーリーの発生を忌避しているから、とのこと。
そう言われても、SNAKEPIPEは勝手にお話作ってたけどね?(笑)

今回の展覧会で鑑賞できて最も嬉しかったのが「3つの人物像と肖像」(1975年)である。
この絵はポストカードを持っていて、ずっと部屋に飾っていた作品だった。
その実物を観ることができるなんて!

この絵の解説には「複数の人物のあいだに物語を発生するような視線のやり取りや、身振りの連関を見出すことはできません」ってきっぱり言い切られちゃってるんだけどね。
左のくねってる男性が恋人のダイア、真ん中がギリシャ神話で神の裁きを伝える復讐の女神、というところまで聞くといろいろと想像をしちゃうけどな。
そして右側は円形部分に組み合う男性とその下の部分には下半身ヌード。
恋人のジョージ・ダイアが自殺してしまった後に描いた作品らしい。
思い出と懺悔がテーマなのかな。

何故ジョージ・ダイアが自殺してしまったのか。
これは前述したベーコンの伝記映画「愛の悪魔」がbased on a true storyだった場合には、自殺の原因はベーコンにあると思うから。
SNAKEPIPEは自殺というよりも「ベーコンに殺された」と言ってもおかしくないんじゃないか、と思っているくらいだからね。
失って初めてその重要性に気付いた感じがするけど、どうだろう?
Chapter 4 ベーコンに基づく身体

最後の章では、 ベーコンからの影響を身体で表現しているアーティストを紹介していた。
日本からは我らが土方巽が登場!
本当にベーコンからインスパイアされ作品を作っていたんだって。
舞踏公演「疱瘡譚」のDVD映像と共に土方巽のスクラップブックを展示していた。
ペーター・ヴェルツとウィリアム・フォーサイスはベーコンの絶筆である未完の肖像を元にその線をなぞるようなダンスを披露していた。
巨大なスクリーンがいくつも並び、ダンスする人物のアップを鑑賞しても何も感じ取ることができなかったなあ。

Chapter1の中にインタビュアーと話をするベーコンの映像が流れていた。
とても興味深いことを語っていたので、書いてみようかな。
ベーコンにはいくつかのシリーズがあって、その中の一つに「教皇シリーズ」があるが、描くきっかけになったのはベラスケスであるという。
ベラスケス?
その昔、日曜美術館でベラスケス作「ラス・メニーナス」 の解読と解説をやっているのを見たことあるけど、それほど詳しくはない画家である。
ベーコンはベラスケス作「教皇インノケンティウス10世」を「人間の感じることができる最も偉大で深遠な事象を開放する最高の肖像画」と評していたとのこと。
だからこそこの絵画から着想を得て、「教皇シリーズ」を作成したらしい。
どうやらベーコンは、「教皇インノケンティウス10世」に、恐れながらも性的に魅了された父親を投影していたようである。
ベーコンが描く教皇は、半狂乱で叫び声をあげている。
恐れながら愛し、突き落とすようなネジれたベーコンの感情が表れてるね。
評論家の中にはベーコンの「教皇シリーズ」を「父殺し」と評する人もいるらしい。 更にベーコンは「ベラスケスの作品は怖くて観られない」と続け、インタビュアーに訳を尋ねられると
「冒涜しているから」
と答えるのである。

愛と憎しみ、恐れと冒涜といった感情が、複雑に絡まって対象に向かっていることがインタビューから解る。
ベーコンにとっての愛情表現は、相手にとっては愛情とは感じられない類だったのかもしれないな、と推測できるね。
自殺してしまった愛人、ジョージ・ダイアへの態度も、思いやりを持っているようには見えなかったベーコン。
ベラスケスの絵も「最高」と言っておきながら「冒涜」し、その冒涜している行為を自覚している人物なので、愛人ダイアのことを虐めているように見えたのも愛情表現だったのかもしれないね?

もしかしてこれは、小学生くらいの男の子が好きな女の子をからかったり、イジメたりするような図式と同じなのかしら?
そう考えるとベーコンについて解り易いかもしれないね。
SNAKEPIPEが高校時代に愛読していたのがオーストリアの精神分析学者であるジークムント・フロイトの著書である。
小児から大人に至るまでの5つの性的発達段階について言及されている文章を読んだ時には、衝撃を受けたものだ。

■口唇期 出生~2歳まで 口は最初に経験する快楽の源である。
■肛門期 2歳~4歳頃まで 小児性欲の中心は肛門になる。

乳児のうちから快楽を得ようしている、という説に驚いた女子学生だったSNAKEPIPEだけれど、この2つの段階をベーコンに当てはめるとしっくりくるんだよね。
ベーコンには口だけしか描かれていない作品が多数存在する。
口に非常に強い興味を示しているよね。
そしてベーコンは同性愛者だった。
上に載せた「ジョージ・ダイアの三習作」について書いた文章の中に「肛門期」に関する記述をしているSNAKEPIPE。
解ってもらえるかしら?(笑)
ベーコンは口唇期と肛門期のまま大人になってしまった画家だったのかもしれないね。
ベーコンの伝記を読んだことがないので、単なるSNAKEPIPEの推測だから信用しないでね。(笑)

ではここで突然だけど、ベーコンの絵画にちなんだそっくりさん劇場開幕!
ベーコンの絵のモチーフに良く似ているな、とSNAKEPIPEが思った物を紹介するコーナーだよ!(笑)

左はご存知モンスターハンターに登場するフルフル。
右はベーコンの作品「ある磔刑の基部にいる人物像のための三習作」(1944年)のうちの一枚である。
モンスターハンターでフルフル見た時に、即座にベーコンを思い出したんだよね。(笑)
これはどちらも男性器をモチーフにしているから、似てしまうのは仕方ないことなのかな。
ベーコンのほうもフルフルと同じように火属性に弱いかどうかは不明!

続いては「千と千尋の神隠し」より「カオナシ」に登場してもらいましょう!
対して右側はベーコンの「人物像習作II」(1945-46年)である。
変な形に曲がった体と、顔に入った縦2本の線と顔色などが酷似しているように感じたのはSNAKEPIPEだけかしら?
ちょっと苦しい?(笑)
ではそっくりさん劇場、これにて閉幕!

今回の展覧会では33点の作品をまとめて観ることができた。
これはベーコン没後アジアでは初めてのことらしいけど?
でもね、以前からベーコン個展を切望していたSNAKEPIPEにはまだ物足りないんだよね!
解説によれば、日本国内にはなんと5点だけしかベーコンの絵が所蔵されていないとのこと。
これにはびっくりしたSNAKEPIPE!
ベーコンは日本で知名度低いのね。
だから「国立系」の客が少なかったのか、と納得してしまった。
作品来ないなら自分から行けってことかな。
ロンドンのテート・ギャラリー行かないとダメかしら?(笑)