急いで口で吸え

cramps.jpg【本文とは関係ないが毒つながりでCRAMPS、中央がPOISON IVY姐さん】

ROCKHURRAH WROTE:

金曜の夜から何だかよくわからない毒虫に刺されたようで手首のところが赤くぽっこり腫れてしまった。パッと見は単なる蚊に刺された跡みたいだが、だんだんと痛みが出てきて意外な程に治りが悪い。ということで急遽虫さされに効くというステロイド系軟膏を買って来て手首に塗ってみたがかなりベタベタして バンドエイドもうまく貼れない。仕方がないのでその上からリストバンド(アナーキー・マーク)をつけて、部屋でもしっかりパンクなROCKHURRAHである。

毒と言えば我がROCKHURRAH RECORDSのアパレル部門BINARY ARMYの出す商品も全て毒草の名前が付いていたりする。人を死に至らしめる程の猛毒もあればちょっとお腹が痛くなる程度のかわいいものもあって玉石混交だが(笑)、世の中には案外「毒愛好家」というのがいるようでそういう本も色々出ていたり、研究してるようなサイトも見かける。単なる趣味ではなく実用として必要に駆られて研究してるような人とは知り合いになりたくはないが。

日常生活で毒は身近なものではないが、ミステリーの世界では今でもかなりポピュラーなものだったりするのだろうか。

実はそんな風にはあまり見えないがROCKHURRAHは子供の頃より、探偵小説の大ファンであり、かなりの読書量を誇っていた。推理小説でもミステリーでもなく日本の(主に戦前の)探偵小説という、かなり限定されたジャンルのみのファンで、逆にそこだけ好きって人も珍しいんじゃなかろうか。最初は江戸川乱歩、横溝正史に始まってどんどんディープな作家にハマッて行ったあの頃が懐かしい。小栗虫太郎夢野久作久生十蘭浜尾四郎香山滋橘外男、探偵小説とは違うが国枝史郎、戦前ではないが中井英夫などなど、絶版文庫を探して古本屋を探し回ったり、かなりの苦労をして少しずつ本を手に入れてた。ネットが普及して何でも情報仕入れられて復刻もバンバン出てる現代とは状況が全然違うからね。

これらの探偵小説の中でも特別に大好きなのがやはり三つ子の魂百までという事なのだろうか、最も読み漁った江戸川乱歩の通俗的で子供っぽい殺人遊戯の世界。
そして「黒死館殺人事件」で知られる孤高の変な作風の難解作家、小栗虫太郎。
最後はやはりROCKHURRAHの故郷福岡が生んだ大作家、「ドグラマグラ」で有名な夢野久作。この三人が今のROCKHURRAHに影響を与えた作家だろうと思える。

番外編で国枝史郎。これは探偵小説ではなくて伝奇小説と呼ばれるジャンルで孤高だった作家で「神州纐纈城」が有名。登場人物といい舞台設定といいかなり異端で素晴らしい世界。読んでない人には意味不明だろうが「纐纈城主、最高!」と思ってしまう。興味のある方は是非読んで欲しい。

今では本もあまり読まなくなって当時に熱狂していた探偵小説の事も忘れてしまっているが、また暇があれば何度でも読み返してみたいなと思える。

あれ、毒の事から始まって古今東西の毒を扱ったミステリーの話に展開するつもりがあまり関係ない話になってしまった。上記の好きな作家群の作品でもそこまで毒殺で印象的なものはなさそうだ。「黒死館殺人事件」くらい?まあいいか。

ちなみにタイトルは桑原茂一、小林克也、伊武雅刀によるスネークマンショーのアルバム・タイトル。実際には毒を口で吸い出したら危なそうだけんども。

ラフィンのライブが始まるよ!

yaon【お馴染み!ラフィンノーズ・マーク】

SNAKEPIPE WROTE:

8月9日はパンクの日!(笑)
あれ?
確か6月9日はロックの日、としてROCKHURRAHが書いてたっけ?
ま、それはイイとして今回はSNAKEPIPEがお届けしよう!

パンクといえばイギリス。
SEX PISTOLSCLASHDAMNEDと有名どころを筆頭に、他にも一発屋みたいなバンドもいっぱい!
アメリカはニューヨークパンク、RAMONESやらJOHNNY THUNDERSなど。
さて日本は、といえばやっぱりこのバンドでしょう。
ラフィンノーズ!!
81年に結成、とあるので既に26年活動を続けている大御所パンクバンドである。(途中で休止もあったみたい)

ラフィンが一番盛り上がっていた80年代。
ライブはほとんど通っていたのではないだろうか。
毎回青痣だらけになって、もみくちゃの中で飛び跳ねていた。
若かったあの頃、、、。(笑)
年齢が進むに従ってパンクからは遠ざかっていった。

かなりのインターバルを経て、誘われて行ったのが5、6年前のライブ。
「まだ活動してたんだ!」
というのが正直な感想。
そして相変わらず「乗せ上手」でパワフルなライブに感動したのだった。

2004年、ラフィンが日比谷野音で演るよ、と知った時
「ついにこの日が来たのか」
と思った。
あの不幸な事故から17年。
実は事故の時にはもうSNAKEPIPEはラフィンから離れていたので、ニュースで初めて知りびっくりした。
メジャーデビューしたばかりだったのに、不運だなと思った。

ついに10月31日、どしゃぶりの雨。
「ラフィンが野音に帰ってきたよ〜」
うわ〜!始まった!(笑)
鋲ジャンがずぶ濡れになっても気付かないほど。
曲順もあの事故のライブの時のままのよう。
ナオキとマルも加わって、当時のラフィンになった時には観客は感動の嵐!
一緒に行っていた漫画家T氏も泣いてたそうで。(笑)
「前は普通に観てたラフィンだったのになあ」
と思ったSNAKEPIPE。
良かったね、ラフィン!と思った2004年。

2006年8月13日、今から丁度1年前。
再びラフィンを野音で観る。
このライブはDVDが出ているので行かなかった人も、体感できる寸法!
そして、な、なんと!
SNAKEPIPEはばっちり後姿が、ROCKHURRAHは後頭部がDVDに映っているじゃあ〜りませんか。(笑)
これはファンにとっては嬉しい出来事。
皆様、ライブに行く時には後姿にもポイント要!
そうじゃないと自分だってことがわからないから!(笑)

さてさて、今年のラフィンの野音は9月24日。
もちろん参戦決定!
今度もラフィンで元気になろう!
ゲッ!ゲッ!ゲッザグローリー!(笑)

パンクは気合で

SID【プレゼントされたSIDのフィギュアとSID実物写真】

SNAKEPIPE WROTE:

暑い日が続いてますな!
皆様、よく眠れてますか?(笑)
そこかしこで「花火大会」が行われていたり、お祭りがあったり、と夏は人が集団になるのが好きな季節。
汗だくも嫌、なるべく人とは距離を取りたい、と考えるSNAKEPIPEには無縁の世界かも。
夏こそ「引きこもり」に限る!(笑)

最近ちょっと引きこもりが続いたせいか、座椅子が「へたって」しまった。
ついに新しい座椅子の購入を決定!(大げさか)
1年に1度のペースで買い替えてる計算である。
座椅子一郎、まだかな」 と勝手に座椅子に名前を付けて待ってるROCKHURRAH!
もう一台は「座椅子和夫」に決定!(おバカ)
届いてみるとまるで「社長椅子」のような豪華さ!
なかなかイイ座り心地に大満足である。

それにしても暑い!
パンクは夏に弱いのよね。
何故かといえば、やっぱりファッション。
パンクファッションの代名詞といえば、レザー!
海外では意外と夏でも着られているアイテムだが、日本では特殊?
SNAKEPIPEは冷房嫌いなので、夏でもレザーを纏うことがあるけれど、そういう理由にかかわらず季節を問わず着るパンクスも多いのでは?
素肌に直接ライダースを着たり、タンクトップに革パンを合わせたり。
実際にやってみるとベタベタして気持ち悪いけれど、見た目の効果は絶大!
「お、気合入ってるな」
と感心されるはずである。(笑)

一年の平均気温が13.8℃というかなり涼しいイギリス。
これなら年中レザーもアリか。
うらやましい限りである。
上の写真はSEX PISTOLSSID VICIOUS
ほら、見て!
やっぱり裸にライダースでしょ!(笑)

LYNCHで拷問

lynch.jpg【インランド・エンパイアの異形代表!ザブリスキーおばちゃん最高!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のブログよりデザインを変更。
以前のタイプより見易くなったかしらん?

ついにこの日がやってきた!
デヴィッド・リンチ監督の新作「インランドエンパイア」鑑賞である。
今回の映画は単館ロードショーで「恵比寿ガーデンシネマ」のみでの上映。
前売りチケットも用意、上映時間やガーデンシネマのシステムなども確認して準備万端である。
このガーデンシネマ、チケットを買うための待ち時間をなくすために整理番号を発券し、上映15分前から番号順に入場とのこと。
ん?
結局は整理番号もらうために並ぶと思うけど?(笑)

受付時間に間に合うようにガーデンシネマに行ってみたら…
がびーん!びっくり仰天!
ものすごい長い列ができている!
「先日めざましテレビで紹介したせいかも」
と少し青い顔のSNAKEPIPE。
まさかリンチの映画にこんなに人が集まるとは思ってなかった!
唯一、「ストレイト・ストーリー」の時だけが例外だった記憶があるのに!

ガーデンシネマのスタッフの女性に確認してみると
アヒルと鴨のコインロッカー」のトークショー目当ての列、とのこと。
あはは、やっぱりね!
リンチで250人の列のわけないや。
リンチの列に先に並んでいたのはなんと2人だけ!
無事に整理番号3番、4番ゲット。(笑)

さてさて、待ち望んでいた時間の到来、上映である。
初めに感想を言ってしまうと、一言
「な、長い…」
上映時間3時間の長丁場である。
これははっきり言って拷問に近い。(笑)
しかも場面設定が5つもあり、それが交錯して一つの世界を作り上げているからたまったもんじゃない!
リンチ・フリークのSNAKEPIPEですら辛いと感じたのに、リンチをよく知らないROCKHURRAHがよくも耐えたものだ、と感心してしまった。
リンチのことだから「苦痛を与える」のが目的だったのかな、とも考えられるけど。(笑)

この「複数の世界の交錯」シリーズはロスト・ハイウェイマルホランド・ドライブに続く3作目にあたる作品。
「難解だ」
「訳が解らない」
という前評判を聞いていたけれど、今回の作品が一番理解し易いな、と感じた。
ちゃんと説明されてる箇所があったから。
とは言いながらもパンフレットのおまけで付いていた「相関図」と見て初めて知ったこともいっぱいあったけどね!

リンチは今回SONY PD-150というDVカムコーダー(家庭用)で全編を撮影、との記事を読みびっくり。
今改めてSONYのサイトでカメラを見たけれど、いくら業務用とはいえ、かなり小型の「いわゆる映画向き」のカメラではないようだ。
その点もあったのか、今回はまるで
「映画学校の生徒が撮った作品」
のような仕上がり。
これはイイ意味でもあるし、逆とも言える。(笑)
インタビューの中で「自分はまだ19歳の気分でいる」なんていってる還暦のリンチ。
ん〜、若いっ!

今回の作品はハリウッドとポーランドが舞台である。
インダストリアルが大好きなSNAKEPIPEには垂涎の的となるような風景がいっぱいあった。
ポーランドはほとんど馴染みがないので詳しくは知らないけれど、東・中央ヨーロッパには素敵な場所が残っていそうだな。
写真を撮ってみたいな、と思った。

感じたことを2点ほど。
1:インランド・エンパイアにはリンチ映画の醍醐味とも言える異形や印象的な脇役の出番が非常に少なかった。
本当はそれが楽しみだったのに!
2:「いわゆるリンチ」と思わせる映像が多用されていた。
これを「やっぱりリンチだよね」と思うか「セルフカヴァーに走った」と思うのかは個人的な問題?
リンチ色を愛するSNAKEPIPEなので、この点に関して答えを出すのは難しい。

インランド・エンパイアには今までリンチの映画に出演したことがある俳優が何人も出ていた。
主役のローラ・ダーン(老けたなあ)はもちろんのこと、「リンチ組」と称される人々の顔、顔、顔。
その中でSNAKEPIPEがダントツで「やっぱりこの人はすごい!」と拍手を送りたいのが、写真・上のグレイス・ザブリスキー
ツインピークスではローラの母、ワイルドアットハートではよく分からない部族の祭りのシーンで登場(役名Juana)。
アメリカ版研ナオコといった風貌の、ものすごいインパクトを持った女優さんである。
この人の演技だけでも「お勧め映画」かな。(笑)