映画の殿 第59号 韓国ドラマ編 part14

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【ROCKHURRAHがたくさん集めてくれたよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回の「映画の殿」は韓国ドラマ編!
5つの作品について感想をまとめてみよう。

まずは「離婚弁護士シン・ソンハン(原題:신성한, 이혼 2023年)」から。
「離婚弁護士」と検索すると、天海祐希主演の日本のドラマがヒットしてしまうよ。
日本のドラマはほとんど観たことがないので、どんな内容なのか不明。
「シン・ソンハン」まで書かないとダメだね。(笑)
あらすじとトレイラーはこちら。

つらい出来事をきっかけに、ピアニストから法律家に転身した離婚専門の弁護士。
さまざまな事情を抱えるクライアントのため、型破りな方法で複雑な離婚訴訟に立ち向かう。(NETFLIXより)

離婚専門の弁護士シン・ソンハンを演じるのは、「秘密の森」や「シーシュポス: The Myth」でお馴染みのチョ・スンウ。
ドラマ毎に印象が変わる俳優だね。
今回は元ピアニストという役どころで、コミカルな一面も見せていた。
印象に残ったのは、いつでも行動を共にしているシン・ソンハンの親友2人との仲良しなところ。
弁護士事務所でシン・ソンハンと一緒に働いているチャン・ヒョングン役キム・ソンギュンが面白かった。
近所のラーメン屋の店主が「ラーメンを食べてる姿が素敵!」と惚れてしまうシーンが最高だった。
「あばたもエクボ」状態なので、どんな姿でも「うっとり」するのは分かるけど、ラーメン店主の脳内で麺をすすっているシーンがスローモーションでリフレインされて大笑いしたよ!(笑)
離婚に関するエピソードも興味深かったけれど、男3人の仲良しぶりがとても良かった。

このエリアのクレイジーX(原題:이 구역의 미친 X 2021年)」は、タイトルだけで「何か問題がありそうな人の話だろう」と予想がつくよね。
今の時代は、精神に障害を抱えている人は多いはず。
全く聞いたことがない病名がたくさんあるんだよね。
韓国ドラマでは自閉スペクトラム症の「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」、「サイコだけど大丈夫」やアスペルガー症候群の「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」など、障害がある主人公をよく見かけるよ。
「このエリアのクレージーX」はどんな話なんだろうね?

家が隣同士で、かかりつけの精神科医も同じ2人の男女。
関わりをもたずにいる方がお互いのためなのに、なぜか事あるごとに顔を合わせる羽目になり…。(NETFLIXより)

黒いサングラスをかけ、耳に花を飾る女、イ・ミンギョン。
本人にとっては人目を避け、魔除けとして花を身に着けているらしいけれど、傍からみると怪しい女だよ。
演じているのは「花遊記ファユギ」で三蔵法師役だったオ・ヨンソ。
大きなサングラスが良く似合ってるんだよね!
正統派美人女優だけれど、今回のドラマでは強迫性障害のためか、感情を爆発させることが多いエキセントリックな役だったよ。
途中から同居することになる犬がとても可愛いかった!(笑)
チョン・ウ演じる隣人のノ・フィオは憤怒調整障害という怒りを抑えることができない病気の持ち主。
最初は顔を見るのも嫌、というほど嫌い合っていたのに、次第に意識する関係になる。
小さなことで怒りを覚えたり、ガスの元栓を気にするのは、誰にでも経験あるので、いつの間にか主人公の2人に共感し応援していたSNAKEPIPE。
ただ、夜中に笛を吹くのはやめたほうが良いと思ったけどね。(笑)

椿の花咲く頃」「最高の愛」などで主役を勤めているコン・ヒョジンは「ラブコメの女王」や「視聴率女王」の異名を持つ女優なんだよね。
ROCKHURRAH RECORDSもコン・ヒョジンのドラマはいくつも鑑賞していて、好きな女優の一人!
コン・ヒョジンが出演している未鑑賞のドラマが他にないか探していたところ、「主君の太陽(原題:주군의 태양 2013年)」がAmazonプライムで鑑賞できることが分かった。
「最高の愛(2011年)」より2年後のドラマになるんだね。

ケチで傲慢で自己中な社長と、霊視能力がある変わり者の女。
そんな2人を取り巻き次々と起こるさまざまな事件を通じ、次第に2人の距離が縮まっていき・・・。(Filmarksより)

「最高の愛」と同じ、ホン姉妹が脚本を手掛けている。
コン・ヒョジンが主演だから余計かもしれないけれど、最初は男性から厭われて冷たくされていたけれど、最終的には恋愛に発展するという構成が「最高の愛」と同じなんだよね。
相手役の俳優がモデル体型のソ・ジソブで、「最高の愛」の時のチャおばさんを見本にしているんじゃないかな?
髪型までそっくりだったし。
幽霊が出てくるので、ジャンルが「ロマンス、ホラー、コメディ」になっているよ。(笑)
チング 〜愛と友情の絆〜」にも出てきたけれど、何故か「主君の太陽」にも日本の少女漫画「キャンディ♡キャンディ」のエピソードが出てくるんだよね。
「キャンディ♡キャンディ」なんて1970年代の漫画なのに、不思議だよ。
韓国でも人気があったんだろうね。
コン・ヒョジンに期待して鑑賞していたけれど、「最高の愛」のほうが面白かったよ。

「3食ごはん」「韓国No.1を探せ!」といったバラエティ番組や「奈落のマイホーム」で記憶に残る俳優イ・グァンスが主演している「サウンド・オブ・ハート(原題:웹드라마  2016年)」はウェブトゥーンが原作のドラマだという。
韓国では漫画が原作のドラマが多いよね!
左の画像にあるイラストが原作で、ドラマの中にも少し出てきたね。
顔の輪郭が「いびつ」で、絵を見ただけもコメディだと分かるよ。(笑)

とある漫画家が、彼女や家族とともに過ごすおバカな日常を描いたコメディ。(NETFLIXより)

非常に簡単なあらすじと、日本語字幕がないトレイラーしか見つからずスミマセン!
イ・グァンスは漫画家を目指す主人公チェ・ソクがピッタリだった。
ソクの兄ジュンは、「ミセン」でキム代理だったキム・デミョン。
両親や恋人役の俳優陣も、よくもこの「おバカ」なドラマに出演したものだ、と感心してしまう。
お腹を抱えて笑い過ぎて涙を流してしまったSNAKEPIPE。(笑)
卑猥ではなく、汚いほうの「下ネタ」が多いので、そこだけは要注意!
そしてこのドラマのリブート版が放映されていてびっくりしちゃう。
どうしてもう一度ドラマ化しようと思ったのか不思議でならないよ。

最後は「被告人(原題:피고인 2017年)」。
NETFLIXのマイリストにROCKHURRAHが入れてくれていたのに、ずっと鑑賞していなかったんだよね。
NETFLIXでは全26話になっているので、後回しになってしまった。
実際には18話だったようなので、編集されていたのかもしれないね。
たまにブツッと切れて変な終わり方してたもん。

ソウル中央地方検察庁のエース検事ジョンウは、どんな不正や悪も見逃さない熱血漢。
今日も暴力団のボスを逮捕し、華々しく活躍した。
その日、愛娘の誕生日を祝ったあと、幸せな気持ちで眠りについたジョンウ。
ところが目を覚ますと、そこは監獄。
妻と娘を殺した罪で服役していたのだ。
まるで状況が理解できないジョンウ。
彼は4ヶ月間の記憶を失っていた。
いったいなぜ、彼は殺人犯になったのか――?(KnTVより)

肝心な部分の記憶だけが消滅しているところがもどかしかった。
チソン演じる主役のパク・ジョンウが泣いたり叫んだりするだけだったからね。
刑務所同房の人達の交流が生まれて面白くなってくる。
まるで「刑務所のルールブック」のようで微笑ましかったよ。(笑)
みんな良い味出してたからね。
チャ・ソノ、チャ・ミノという双子を一人二役で演じたオム・ギジュンがヒール役に最適!
あれほどまでの悪人顔はなかなかいないだろうね。
「極上リベンジサスペンス」と書いてあるサイトを見たけれど、SNAKEPIPEは途中で少し「まだるっこしい」気分になったよ。
もしかしたらそれは、前述した「ぶつ切り」のせいだったかもしれないね。

タイトル曲が緊張感を煽る重要な役割を果たしていたので、載せてみよう。
耳に残るメロディなんだよね!

今回は5つのドラマを紹介してみたよ。
ジャンルが多岐に渡っていて、面白かったね!
次回をお楽しみに。

映画の殿 第58号 奈落のマイホーム

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【映画に登場する魅力的なキャラクターたち】

SNAKEPIPE WROTE:

奈落のマイホーム(原題:싱크홀 2021年)」が日本で公開されたのは、2022年11月のこと。
その情報を教えてくれたのはROCKHURRAHだった。
これまで数々の韓国映画やドラマを共に鑑賞してきているので「面白そうな映画だ」と直感したらしい。
残念ながら時間の都合がつかず、映画館に足を運ぶことができなかったんだよね。
今回やっと新作DVDで鑑賞することができたので、感想をまとめてみよう。
まずはあらすじと予告映像を載せようか。

会社員のドンウォンはマンションを購入するため、長年節約を続けてきた。
その甲斐もあり、ソウルの一等地に念願のマンションを購入することに成功。
同僚たちを招いてパーティを開くが、大雨で巨大陥没穴が発生し、マンション全体が飲み込まれてしまう。
ドンウォンは馬が合わない隣人や同僚たちと地下500mの深さから脱出しようと奮闘するが、大雨によって穴の中はしだいに水で満たされていく。(Movie Walkerより)

 

ある日突然、地面や道路の一部が陥没する現象をシンクホールという。
地中の石灰岩の溶解、排水施設の老朽、破損、建築作業や地下鉄の工事により地下水の流れが変わることが原因で陥没するらしい。
韓国では3日に2件ものシンクホールが発生し、複数の都市部で急増しているというから驚いてしまう。
日本でも2016年に博多駅前の道路が陥没したことを思い出した。
「奈落のマイホーム」は、現実に起こり得るパニック映画といえるんだね。
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

念願のマイホームを手に入れた会社員のドンウォン。
演じているのはキム・ソンギュン。
今後韓国ドラマの感想で書くことになる「離婚弁護士シン・ソンハン」で印象に残った俳優だよ!
しっかりした妻と挨拶を欠かさない礼儀正しい子供との幸せな3人暮らしが嬉しくて仕方ない。
ソウルの一等地からは通勤時間が短縮され、朝ごはんもゆっくり食べることができるようになった。
社内でも羨ましがられ、ちょっと得意気な様子だよ。

ところが同じマンションにはクセがある住人がいるんだよね。
それが画像左のチャ・スンウォン演じるマンス。
マンションを購入したドンウォンとは違って、マンスは月払いの賃貸だというから、名前がマンスなのか?(笑)
車を所定の場所に駐車せず、移動をお願いしても無視するなど、非常に態度が悪いチャおばさん。
こんな隣人がいたら嫌だろうな。

ドンウォン一家がマンションに住み始めてすぐに、不具合が起きる。
床をビー玉が転がることで建物の傾きが分かり、駐車場のヒビを発見し、マンション入り口のガラスが割れるところを目撃する。
ドンウォンの部下達が引っ越し祝いのために、新居を訪れるのがこの時。
高額で購入した我が家の恥部を見られまいとするドンウォンは、何事もなかったかのように、パーティではしゃいでいる。
部下として登場するのが「探偵なふたり:リターンズ」や「3食ごはん」などに出演していたイ・グァンス。
映画の中ではキム代理という役どころ。
キム代理といえば「ミセン~未生」を思い出してしまうのはSNAKEPIPEだけかな?(笑)

新居祝いをした翌日、断水が起きる。
屋上で給水タンクを確認しようとしたマンスことチャおばさんも転倒してしまう。
隣のマンションには、「花遊記(ファユギ)」で沙悟浄を演じていたチャン・グァンが庭木に水やりをしながら、沈んでいくマンションを見ている。
陥没した地面にどんどん落ちていくシーンはとても怖かったよ!

500m落下したマンションの生存者たちが、一箇所に集まることができたのが良かった。
仲違いしていたマンスとその息子も生きるために力を合わせる。
ダメダメな息子かと思いきや、食料や薬を調達するように指示を出し、頼もしい存在に変化していく。
究極の状況になった時には、本来の人間性が出るもの。
イ・グァンス演じるキム代理は臆病、対して紅一点のインターンであるウンジュはサバイバル精神旺盛で男勝りの強さを見せる。
弱音を吐かず、必ず前向きな発言をして皆を勇気づけていたよ。

「3食ごはん」で料理の腕前を披露しているチャおばさんが、ここでも料理を担当していて笑ってしまう。
画像は「鶏の泥焼き」のシーン。
鶏はどこから調達したのか不明だけど、鶏を泥でくるんでからアルミホイルで蒸し焼きにした後、チャおばさんが固くなった泥を空手チョップさながらにカチ割る、という豪快な料理だったよ!
極限状態でも美味しい料理を作るチャおばさんに拍手だね。(笑)

マンションが地下に落下した知らせを受けて、救助隊がかけつける。
画像左は、「元カレは天才詐欺師 〜38師機動隊〜」など韓国ドラマでは悪役が多いキム・ホンパ。
今回は良い人役だったので、意外だった。(笑)
右は「チング」や「グリッチ-青い閃光の記憶-」などに出演していたコ・チャンソク。
自らの危険を顧みず、救助しようとする姿勢が素晴らしかったね!

「奈落のマイホーム」は、パニック映画でありながら、キャラクターが立っていて引き込まれたよ。
現実に起こりうる事象というのも、韓国での公開初日に12万6千人を動員した理由なのかもしれないね。
映画の制作にあたり20ものセットを用意したり、最先端VFX(Visual Effects)の使用により、臨場感溢れる作品になっているんだとか。
考えさせられるところもあるのに、笑いも忘れないのが、さすがに韓国映画!
「奈落のマイホーム」、おススメだよ。(笑)

映画の殿 第57号 韓国ドラマ編 part13

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【本文中に書き切れなかった気になる人物がいっぱい!】

SNAKEPIPE WROTE: 

前回「映画の殿」を更新したのは、およそ1ヶ月半前のこと。
そしてまた韓国ドラマの特集を書くことになるんだから、よく観てるよね。(笑)

最初に紹介する「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜(原題:더 글로리 2022年)」はシーズン1をかなり前に観ていたけれど、シーズン2の完結まで観終わってから書くことにしたよ。
シーズン1と2に間が空き過ぎると、「この人誰だったっけ?」と忘れてしまう登場人物がいるので要注意なんだよね。
ドラマが完結してから観たようが良いかもしれないね?
あらすじはこちら。

建築家になることを夢見るムン・ドンウンは高校時代にいじめが問題になっても、相談相手が誰一人もいないことから、自主退学に追い込まれる。
退学後、彼女の夢は復讐を果たすことへと変わり、高校退学後の人生を全て「復讐」に命を捧げ続けた。
16年ぶりにドンウンと再会する加害者メンバーらは、自信に満ちたドンウンに恐怖を抱く。
ドンウンはいじめグループのリーダー格で現在はお天気キャスターのパク・ヨンジンへの復讐から開始する。 (Wikipediaより)

トレイラーを観てみよう。

高校時代の壮絶な「いじめシーン」がひどいんだよね。
犯罪といっても良い行為なのに、訴えに耳を貸さない大人たちに驚愕する。
韓国ドラマでよく見かける、金持ち一家を優遇する腐った社会構造。
現実に、こういうことが「まかり通ってる」のかなあ?
復讐が筋書き通りにいかず、邪魔が入ったり予想外のことが起きたりするところにリアリティがあったよ。

復讐に生きる女性を演じたソン・ヘギョが、第59回百想芸術大賞TVドラマ部門優秀演技賞を獲得したという。
感情を押し殺した演技が評価されたと書いてあるよ。
途中から大好きな女優、ヨム・ヘランが登場して嬉しかった。
旦那からのDVに苦しむ姿が真に迫っていたよ。
「カウンターズ」の続編で、チュさん役を観たいね!

ドラマの中で最も印象に残ったのは、ヨム・ヘランと共に第59回百想芸術大賞TVドラマ部門助演女優賞にノミネートされ、見事栄冠を勝ち取ったイム・ジヨン。
あらすじにあった「いじめグループのリーダー格で現在はお天気キャスター」で、いかにも性格悪そうな憎々しい表情が秀逸だったよ!
この女優には「いじめ」のイメージを持ったままになりそうだね。(笑)

ちょっとタイプの違うドラマを観ることにする。
ユミの細胞たち(原題:유미의 세포들 2021年)」は、同名の漫画が原作で、「トッケビ」に出演していたキム・ゴウンが主役のドラマ。
前回観たキム・ゴウンのドラマは「シスターズ」なので、ROCKHURRAH RECORDSではよく観ている女優になるよ。
そして「ユミの細胞たち」はシーズン2まで終わっているので、安心して観ることができたよ。(笑)
「ユミの細胞たち」のあらすじを書いてみよう。

細胞たちと一緒に食べて恋して成長する、平凡なユミの話を描いた、刺激と共感に満ちた細胞ラブストーリー。 (Wikipediaより)

実写と3Dアニメを組み合わせた新しい形の恋愛ドラマってどういうこと?トレイラーで確認しよう。

タイトルにある「細胞たち」をアニメ化しているんだね。
理性や感情のような細胞以外にもファッション細胞など、人それぞれ持っている細胞に違いがある。
そしてどの細胞が第一優先になるのかも、時期によっても変化する。
このアニメのシーンがとても面白かったよ!

そしてキム・ゴウンが使用している化粧品が気になったのは、SNAKEPIPEだけではないようで、調べると簡単に情報をキャッチすることができた。
キム・ゴウンがイメージ・キャラクターになっているというスキンケアなんだけど、思わずSNAKEPIPEも購入してしまったよ。
ドラマ内で宣伝していることは分かってるけど、キム・ゴウンのお肌がキレイなのでつい。(笑)
韓国ドラマを観てチャミスル飲んでみたり、チヂミを作ったりはしたけれど、化粧品まで影響を受けてしまうとは。
韓国ドラマ、恐るべし!

Netflixで評判になっていたドラマを観ることにした。
悪の花(原題:악의 꽃 2020年)」と聞いて、フランスの詩人シャルル・ボードレールの「悪の華」を連想してしまったのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
以前観た「シーシュポス: The Myth」はカミュだったので、今回も文学をネタにしてるのかと思ったけど違ったみたいね。
「悪の花」は百想芸術大賞で5部門にノミネートされ、演出賞を獲得している。
クオリティが高いドラマとして評価されているんだって。
一体どんな作品なのか、あらすじを書いておこうか。

金属工芸作家のペク・ヒソンは、愛する妻ジウォンと娘のウナに囲まれ、平凡だが幸せな日々を送っている。
ただひとつ、刑事である嫁を厭う両親との関係だけが問題だ。
そんなある日、ジウォンはひょんなことから知り合 いの記者キム・ムジンにヒソンを紹介することに。
18年前の連続殺人事件に関する連載記事を手がけるムジンは、 事件の犯人と同じ金属工芸作家であることからヒソンに興味を抱き、彼の工房に足を運ぶ。
だが、ヒソンの顔を 見たムジンは……。(FILMAGAより)

予告を観ると、非常に面白そうだよね!
「18年前の連続殺人事件犯人」の息子が主役で、現在は偽りの人生を送っている様子。
善良な夫の仮面をかぶっているというのが、とても良く似合う顔立ちの俳優だし。(笑)
観始めた最初のうちは興味を持っていたけれど、回を重ねるうちにドラマの緊張感が薄れてきた。
妻役の女優は全く刑事に見えないし、泣いているシーンばかり。
「クオリティの高いサスペンス」とは思えなかったよ。
最後もお粗末で、オススメのドラマとは言い難いのが正直な感想。
好みは人それぞれだからね。(笑)

最後に「ラブコメの女王」、コン・ヒョジンに登場してもらいましょう!(笑)
プロデューサー(原題:프로듀사 2015年)」は今から8年前のドラマで、2011年の「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」と2019年の「椿の花咲く頃」の間の出演作品になるんだね。
今回はテレビ局のプロデューサー役だって。
「悪の花」で疲れてしまったROCKHURRAHとSNAKEPIPEに笑いを届けてちょうだい!(笑)

大学時代、好意を寄せていた先輩がKBS芸能局に入社したことをきっかけにKBSへ入ったペク・スンチャン。
出勤初日から誤解によってミスを起こし、芸能局の女王蜂タック・イェジンに目を付けられてしまい…(Wikipediaより)

ベースはラブ・ストーリーになるんだろうけど、随所に笑いがあって楽しかった。
コン・ヒョジンは厳しい先輩役かと思いきや、やっぱり良い味出してるんだよね!
「サイコだけど大丈夫」や「ある日」などで主役を演じているキム・スヒョン、アイドル歌手として出演していたIUも良かったよ。

そうした大物出演者の中で、ひときわ存在感を発揮していたのは、テレビ局内の総務(?)を仕切っていたイェ・ジウォン演じるコ・ヤンミ!
「コピー用紙は裏まで使え」「トナーは振って最後まで使え」といった倹約を呼びかける厳しい女性なんだよね。
その割には派手なメイクと服装で、アンバランスさが最高だった。(笑)
背筋をピンと伸ばしたデスクワーク、お疲れ様です!

あまりセリフがなかったのにも関わらず、露出度高めの服装で目立っていたのがキム・ソナ演じるキム・ダジョン。
コン・ヒョジンが手掛ける音楽番組のスタッフの一人だけど、大抵ピチピチの服装で無表情。
先輩に対しても歯に衣着せぬ物言いで、ぶっきらぼう。
こんな後輩がいたら、やりにくいだろうな。(笑)

テレビ局や芸能界の裏側を舞台にしていて、楽しめたよ
コン・ヒョジン主演のドラマは他にもあるので、機会があったら観てみたいね。

映画の殿 第56号 韓国ドラマ編 part12

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【今回特集した4本のドラマに出演した面々】

SNAKEPIPE WROTE: 

今週は「映画の殿 韓国ドラマ」編を書いていこう!
毎日、何かしらのドラマを観続けているROCKHURRAH RECORDS。
ドラマ鑑賞を始めたのは2020年からなので、昔にヒットしたドラマを知らないんだよね。
10年以上前の作品も楽しんでいるよ!(笑)

最初に紹介するのは2009年の「チング〜愛と友情の絆〜(原題:친구, 우리들의 전설)」。
このドラマは2001年に公開された映画「友へ チング」をドラマ化したものとのこと。
映画は未視聴だけど、当時韓国で大ヒットを記録したんだとか。
いつか観てみようかな!
どんなドラマなのか、まずはあらすじを書いておこう。

幼いころからいつも一緒で、深い友情で結ばれていた4人の少年。
高校時代のある事件をきっかけに二人が裏社会へと足を踏み入れ、やがて対立することに……。(美韓-BIHANより)

プロモーション映像(?)はこちら。

全20話ある長編だった「チング」。
70年代後半の釜山が舞台で、タイプの違う4人が仲良く過ごす高校時代は、観ていて微笑ましかった。
映画「スタンド・バイ・ミー」や、ドラマ「ストレンジャー・シングス」の韓国版といった雰囲気だったからね。(笑)
「愛の不時着」で有名なヒョンビンがボクサーとして出ていたよ。
海兵隊での優秀な成績についてWikipediaに書いてあるように、プロのスポーツ選手に見劣りしない体型なので、「愛の不時着」での軍服と共に、ボクサー役も似合っていたよ。
学ラン姿で学生帽を斜めにかぶる、いわゆる「バンカラ」が、韓国でも流行していたとは驚き。(笑)

「チング」の中でSNAKEPIPEが注目したのは、4人組のうちの一人であるキム・ジュンホ。
演じていたのは、「チング」でデビューしたイ・シオン。
重たい雰囲気になることが多かった「チング」で、キム・ジュンホが出てくると空気が和むことが多かったんだよね。
そして最大の注目ポイントは、ゴルファーの松山英樹似だったこと!(笑)
あまりにも似ていて、松山本人かと観間違うほどだったよ。
「チング」以降も数々のドラマに出演して活躍しているようなので、応援しよう。
松山、ファイティング!(笑)

「チング」は後半になるにつれて、気が重くなるような展開になっていき、観るのが辛くなってしまった。
高校時代のヤンチャなエピソードや、女子校のバンド・メンバーとの恋愛話などは面白かったのにね。

続いては「他人は地獄だ(原題:타인은 지옥이다 2019年)」ね!
ヨンキによるウェブトゥーンが原作とのこと。
日本ではLINE漫画で閲覧可能なんだね!
最初のほうだけ読んでみたけど、ドラマはかなり忠実に再現してるみたい。
主役は「太陽を抱く月」や「ミセン」で有名なイム・シワン。
好青年の印象がある俳優なのに、こんなにおぞましいドラマに出演するとは驚き!
あらすじを書いてみよう。

大学の先輩が起業した会社で働くため、地方から上京したジョンウは、町外れにある古びた考試院(コシウォン)に入居するが、住人たちは奇妙な人間ばかりだった。(公式サイトより)

トレイラーはこちら。

およそ2分の予告映像だけでも怖さが伝わるよね!
古くて不潔、狭い「考試院(コシウォン)」というのは、貧困や格差社会を象徴する簡易宿泊施設のことだという。
いわゆる「訳あり」の人が住まいにする、と考えて良いだろうね。
そこに集う「地獄」を演出する住民たちの濃さが際立っていて、おぞましいんだよね。(笑)
画像右上の大家さんは、「パラサイト」のお手伝いさん、「わたしたちのブルース」ではウニを演じていたイ・ジョンウン。
笑顔が怖かった!
上の真ん中は、歯科医のムンジョ役で、「トッケビ」では死神を演じていたイ・ドンウク。
歯医者さんが考試院に住んでること自体がおかしいんだけどね。(笑)
ムンジョの顔色が青白く唇が赤いので、不気味さが倍増だったよ。
この役がぴったりだったね!
「他人は地獄だ」は、悪夢を見るくらい強烈なドラマだったよ。
原作のウェブトゥーンも読んでみよう!

「チング」の重たい空気と、おぞましい「他人は地獄だ」とは一転、ラブコメを観ることにする。
「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜(原題:최고의 사랑)」は2011年のドラマということは、今から12年の前に放映されていたんだね。
このドラマを選んだ理由は、「三食ごはん」で料理の腕をふるっていたチャおばさんこと、チャ・スンウォンが主演しているから。
「パスタ〜恋が出来るまで〜」や「椿の花咲く頃」などに出演し「ラブコメの女王」と評されるコン・ヒョジンが相手役だというから期待大!
と書いたけど、12年前に終わってるんだよね。(笑)

10年前、アイドルグループ「国宝少女」のメンバーとして人気を集めたク・エジョン。
現在は、やっとのことで芸能界にしがみついている売れないタレントだ。
彼女はある日、国民的トップスター、トッコ・ジンと最悪の出会いを果たす。
以来、何かとぶつかりあってばかりの2人だが、ジンは「国宝少女」のヒット曲「ドゥグンドゥグン(ドキドキ)」を聴くたびになぜか胸がドキドキ…!
そんな中、エジョンは人気お見合い番組にキャスティングされる。
番組の司会は、エジョンと同じ元「国宝少女」で、ジンと公認カップルのセリ。
番組に出演したイケメン韓方医のピルジュはエジョンを気に入るが、その様子を見たジンはジェラシーを感じはじめ…。(Filmarksより)

トレイラーを観てみよう!

モデルでファッショニスタのチャ・スンウォンなのに、どうしてこんなに「おバカ」な役が合ってしまうんだろうね。
「最高の愛」の中でも、ファッションのみならずアクセサリーなどの小物までキメキメ!
ナルシストで高飛車な「俺様」なのに、ギャップを感じる演技がピカイチだった。
ROCKHURRAH RECORDSが観た順番は逆だけど、2017年の「花遊記」で演じた魔王に近いキャラクターだったね。
トッコ・ジンには、毎回笑わせてもらったよ!(笑)

「国宝少女」というアイドル・グループの中心人物で、「ドゥグンドゥグン」というヒット曲を歌っていたク・エジョン。
現在は体を張った仕事も引き受ける、B級タレントなんだよね。
画像下ではカエルの着ぐるみを着てるんだけど、この姿がとても可愛かった!(笑)
コン・ヒョジンは173cmでファッションモデル、スラッとしてるからなんでも似合ってしまうのかも。
自然な演技でク・エジョンを魅力的な女性にしていたね。
「最高の愛」が2011年のドラマ部門の賞を総ナメにしたのも納得だよ!
2023年に観ても楽しめたしね。(笑)

最後は「恋慕(原題:연모 2021年)」。
このドラマは韓国ドラマ初の国際エミー賞を受賞した作品だという。
主演は「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のパク・ウンビン。
ROCKHURRAH RECORDSでは「ウ・ヨンウ」のほうを先に鑑賞していたので、「ウ・ヨンウが出ている時代劇」と言ってしまうよ。(笑)
「恋慕」は時代劇ロマンス。
韓国では宮廷を題材にするドラマが多いんだね。

時は李氏朝鮮時代。
当時は双子が禁じられていたため、彼女の生母は女児であるイ・フィを宮外へ追放せざるを得なかった。
しかし、世孫(セソン。次々期王位継承者)である兄が夭折したため、イ・フィは男装で世子となる。
彼女は毒舌の性格のため、周りが恐れている。
しかし、そんな彼女は自身の師匠となったチョン・ジウンに心が揺れるようになる。(Wikipediaより)

トレイラーね!

双子の妹なのに、運命のいたずらで男装することになったウ・ヨンウ、いやイ・フィ。(笑)
時々、本来の女性である姿で登場するんだけど、男装のほうが似合っていたのが不思議。
顔がはっきり見えたほうが良い女優なのかも。
宮廷物を最初に観たのは「太陽を抱く月」だったけど、王家の転覆を狙う反逆者がいるのは、この手のドラマでは定番なのかな。
そして反逆者はいかにも悪人顔なんだよね。(笑)
世子の付き人が、少しひょうきんで笑いを取るところも似ていたよ。
全20話あったけれど、中弛みすることもなく鑑賞できたドラマだった。
ウ・ヨンウが別人になっていたところが最大の驚きだったね!(笑)

今回は話数が多いドラマを鑑賞したよ。
ジャンルが違うドラマをチョイスしたことになるね。
どのドラマも面白いので、オススメだよ!(笑)