チュルリョーニス展 鑑賞

20260502 12.
【西洋美術館前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

先週のブログ「北斎 冨嶽三十六景 鑑賞」で予告していたように、今回はもう一つの展覧会である「チュルリョーニス展 内なる星図」の感想をまとめていこう。
チュルリョーニスって初めて聞く名前だよ。
まずは経歴をまとめてみようか。

1875 リトアニア(当時ロシア帝国領)のヴァレナ近郊に生まれる
1889 ポーランドのプラテリ家音楽学校に入学
1894 ワルシャワ音楽院に入学
1901 ライプツィヒ音楽院に留学
1904 ワルシャワの美術学校に入学
1905〜 音楽と絵画を融合させた独自の作品(「ソナタ」シリーズなど)を制作し始める
1909 作家のソフィヤ・キマンタイテと結婚
1911 精神療養施設で死去

35歳という若さで亡くなっている、早逝のアーティストだったとは。
最初は作曲家として有名だったんだね。
音楽と絵画を融合させたアーティストって、現代でも珍しいんじゃないかな?
チュルリョーニスの音楽がYouTubeにあったので載せてみよう。

絵画作品も紹介している動画で、チュルリョーニスの世界がよく分かるね!
ここで予習が完了したので、展覧会についての感想を書いていこう。
会場での撮影はオッケーだったので、いつも通りたくさん撮らせてもらったよ。
気になる作品を紹介していこう!

「森の囁き」は、ワルシャワの美術学校に入学した1904年に描かれた作品だという。
ほとんど黒に近い木立と、ブレたような人の手が描かれている。
遠くに見えるのは海なのかな。
朝焼けか夕焼けの淡いオレンジ色の空が不穏な感じだよね。
チュルリョーニスの作品はほとんどがテンペラを使用していたようだけど、この絵は油絵だった。
この作品の色味が一番濃くて、暗かったよ。
SNAKEPIPEは、リンチの絵を連想した。
ちょっと雰囲気似てるんだよね!

1907年に制作された「冬」は、8点の連作なんだよね。
こちらは紙にテンペラで描かれている。
テンペラって馴染みがないので調べてみると、油絵具が普及する前には主にヨーロッパで使用されていた絵具だという。
顔料に卵を混ぜた卵テンペラが代表的なテンペラ技法だという。
卵テンペラは経年劣化しにくい特徴があるんだって。
「冬」シリーズは、樹木をモチーフに、厳しさと共に荘厳な印象を与えてくれる作品だった。
順に鑑賞すると物語が分かり、穏やかな気分になったよ!

1907年以降、チュルリョーニスはソナタ形式を導入した絵画制作を始めたんだとか。
ソナタといえば「冬のソナタ」を連想する人も多いだろうけど(笑)、そもそもソナタってなんだろう?
16世紀末から発展したピアノやヴァイオリンで奏でる、3〜4つの楽章で構成される楽曲のジャンルを指すという。
小説でいうところの起承転結のようなものか?
1908年の作品「舵のソナタ」は、オレンジと水色を使用した淡い色調の4連作で、とても美しかった。
タイトルにある舵がモチーフになっているようだけど、何が描かれているのかはハッキリ分からなかった。
モヤがかかったような水辺の風景に惹きつけられたよ!

「リトアニアの墓地」は1909年の作品だよ。
とても神秘的な印象の作品で、目が釘付けになってしまう。
十字架制作はリトアニアを代表する伝統文化のひとつなんだとか。
キリスト像や聖人像を収めた祠が載っている形状もあるという。
この作品に描かれているのも、リトアニア独自の十字架なのかな。
色のバランスが美しいね!
空には北斗七星がきらめいているよ。
静寂と不穏がチュルリョーニスのテーマなのかもしれない。

1908年の「頭文字のヴィネット」は、かわいらしい作品だった。
観た瞬間に「かわいい!」と口走るSNAKEPIPE。
紙にインクで描かれたアルファベットは、アール・ヌーヴォー調で素敵なんだよね!
「A」「B」「D」のように並んでいる。
26文字分作成されていたのか不明だけど、自分の名前をこの作品で並べられたら嬉しいだろうなあ!
若々しい生命力と純粋さのを象徴とされるチューリップの花が繰り返し描かれているのが特徴的だね。
とても気に入った作品だよ!

1909年の「夢のおとぎ話」は、シュルレアリスムの作品のようだね。
螺旋の城壁は本当に城へと続いているのかな?
フランツ・カフカの「城」を思い出してしまったよ。(笑)
この年、チュルリョーニスは新婚で妻と旅行して素晴らしい夏を送ったらしい。
悦びに満ちた作品と解説に書いてあったけれど、本当かな。
SNAKEPIPEはシュールで不条理なイメージを持ったよ。
だから好きなんだけどね。(笑)

展覧会のポスターに使用された「祭壇」は、1909年の作品だよ。
上に書いた「夢のおとぎ話」と同様で、対象を俯瞰して描いているんだね。
この作品も不思議な要素がいっぱいだよ。
祭壇には登れるのか、頂上から出ている煙は何なのかなど、たくさんの「?」が出てくるよ。
祭壇に描かれたオレンジ色の部分には、塔や橋、騎士、天使などが描かれているという。
モチーフが何かが分からなくても、象徴的なものだという予想はできるよね。
この絵を描いた翌年の2010年、過労や精神的負担から体調を崩して療養生活に入るチュルリョーニス。
絵画制作をしたのはわずか6年で、その間に300点以上の作品を手掛けたという。

約80点ほどの展示作品を鑑賞できて良かった!
ミュージアム・ショップに立ち寄ると、今回の展覧会用のグッズに目を見張る。
どこにいっても見かける展覧会トートバッグなどもあったけれど、珍しいのは豆皿!
3種類が販売されていて、ROCKHURRAHが2種類を買ってくれたよ。
「リトアニアの墓地」と「祭壇」の豆皿、素敵だよね!
他に「頭文字のヴィネット」がプリントされたクリア・ファイルも買ってもらい大満足だよ。
ありがとう、ROCKHURRAH!
チュルリョーニスの豆皿に明太子のせて、食べようね。(笑)

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