ニッチ用美術館 第5回

【なぜか前よりも貧相になったオープニング映像】

ROCKHURRAH WROTE:

2017年の春から始めた新企画「ニッチ用美術館」なんだが、トップ画像を動画にするのがちょっと面倒な事もあって、なかなか新しい記事が書けないでいる。要するに記事の下準備に時間がかかるってわけね。

ちなみにタイトル見ればあのTV番組のパロディなのはすぐにわかるが、何でニッチなの?という説明が毎回必要なのがさらに難点。 まあ前回までの記事の冒頭にしつこく説明が書いてあるので律儀に読んでもらえればウチの方針もわかるだろう。
で、やってる事はROCKHURRAHの得意分野、70年代パンクや80年代ニュー・ウェイブの時代のレコード・ジャケットを展示して、それをアート的視点から語ってみようという試み。
しかし語るほどアート界に詳しくないというパラドックスに満ち溢れた記事になっていて、何だかよくわからん趣向になってるな。これがROCKHURRAHの底の浅いところ。

では時間もあまりない事だし、早速第5回目の展示を見てみるか。

ROOM1 鑵詰の美学

チャプターのタイトルが第2回から、なぜか普段使わないような難しい漢字でやるようになってしまったんだが、それを考えるのが面倒になったのでまた通常の読み書きが出来るタイトルに一部戻す事にした。そこまで面倒を苦にするタイプじゃなかったんだけど、最近個人的に週末にあまりヒマがなくてね。
日常的に鑵詰と書く人はあまりいないと思うが、普通は缶詰でコトが足りるよね。自分でもこの鑵の字は書かない(書けない)なあ。
同じような意味なら罐という漢字の方がもう少しポピュラーな気がするけど、あえて一般的ではないはずの鑵にしてしまった。
止せばいいのに調べてしまったら林芙美子や泉鏡花などもこの鑵詰を使用していた模様。

ROCKHURRAH家ではほとんど缶詰を食べないので、缶切りは昔ながらの安っぽい手動のものしか使わない。フチに引っ掛けてキコキコ上下に切ってゆくタイプね。何十年使ってる?というほどの年代物だけど何も問題ないよ。
ツナ缶やフルーツ缶などプルタブで引っ張って開ける形式のが増えたからか、最近では缶切りを使えない若者が増えているという話を聞いたのがすでに何年前なのか?
実はSNAKEPIPEも瓶や缶のフタを開けるのがあまり得意ではないんだけど、これは使い方知らないわけじゃなく単に腕力なさすぎなだけ(笑)。 

ちなみにこの缶詰というシロモノ、発明されたのは19世紀初めらしいが、これを開けるための缶切りが登場するのはそれから数十年経ってからの話だと聞いた事がある。それまではかなりバカっぽい開け方をしてたんだろうな、と想像するよ。斧で叩き割る、とか大鋏でぶち切るとか、銃で撃ち抜く、とかそういう開け方したんじゃなかろうか?
開ける時の苦労を全然考えずに発明者は「缶に入れる事によって保存が出来た、ワハハ便利!」などとはしゃいでたんだろうな。

さて、このどうでもいい導入部から鑵詰、鑵入りをテーマとしたジャケットになるのはミエミエだが、それ以前にジャケット写真を展示したから見れば一目瞭然だったな。
レコードのジャケット・アートという観点からはどうかな?とは思うけど、映画のフィルムを入れる缶のような形態で発表されて音楽界を驚かせたのが、パブリック・イメージ・リミテッド(PIL)の2ndアルバム「メタル・ボックス」だ。

「(パンク)ロックは死んだ」という有名な発言でセックス・ピストルズを脱退したジョニー・ロットンが本名ジョン・ライドンに戻りスタートさせたのがPILだった。
パンク・ロック以降のニュー・ウェイブの中で、既存のジャンルに当てはまらないような音楽をポスト・パンクと後の時代には言うようになったようだが、この時代に生まれた「何と呼べばいいのかわからない音楽」はみんなが勝手に何か名付けていたような感じだった。
ジョニー・ロットンの「ロックは死んだ」発言やワイアーの「ロックでなければ何でもいい」みたいな発言は一人歩きして様々な音楽論が交わされたけど、そこまで深読みしなくても、単純に昔のようなロックをやらないという意味合いでいいんじゃなかろうかと思うよ。パンク以降に生まれた音楽は何かの影響を足したり引いたりして自分なりのスタイルを作り上げてきたわけだからね。

パンクの大スターだったジョニー・ロットンのバンド、PILはセックス・ピストルズとは全然違った方向性で初期ニュー・ウェイブの時代に衝撃を与えたのは間違いない。
その2ndアルバム、1979年に発売された本作「メタル・ボックス」は缶に入った状態で売られているという見た目のインパクトが大きく、話題性も抜群だったな。
映画のフィルム入れる缶みたいだと連想したが、実は地雷をイメージしたものだったらしい。うーん、どっちも現物を見た事ないから何とも言えないな。

缶の中身はLPではなく12インチ・シングル3枚組という構成。
LPよりも高音質だという事でパンク以降に急速に普及した12インチ・シングル。
多くのバンドが7インチと12インチの両方を同時リリースして、12インチの方には少しボーナス・トラックをつけるという手法がポピュラーになったのも70年代後半からだったね。
ROCKHURRAHはどちらかというとパンク・ロックの象徴のような7インチ・シングルに魅力を感じて、こればっかりを集めてたけど、収納場所を考えれば全部12インチで統一した方が良かったのかも。
ちなみにレコードを缶に入れて発売するというアイデア自体はPILより前にもあったようで、グラモフォンというレコード会社がすでに1971年に商品化していたようだ。
が、ROCKHURRAHの全く興味ないような古いロックのものだったので知りもしなかったよ。

後にLPレコード2枚組として発売されたけど、同じレコードでこのようにコレクターズ・アイテム盤と通常盤みたいに発売する手法もこのレコードくらいから登場したように思う。そういう意味でもPILは先駆者だったんだろうね。

収録曲の中でも有名なのがこの「Swan Lake」、訳さなくてもわかる通り「白鳥の湖」を大胆にアレンジしたPILの初期代表曲でもある。シングルの時はなぜか「Death Disco」となってたな。
「地を這うような」とよく評されるジャー・ウォブルの重低音ベースラインと金属質なキース・レヴィンのギター、そこにジョン・ライドンのグニャグニャなヴォーカルが加わったPILの音楽は当時としてはとても斬新なものだった。
こういう音楽はポスト・パンクという言葉がまだ一般的でなかった時代にはオルタナティブという括りで語られていたように記憶する。
もちろん、90年代によく言われてた「オルタナ系」とはニュアンスも違うし、この当時は「オルタネイティブ」とみんな言ってた気がするよ。
この後にイギリスの新しい音楽はよりポップになる路線とこのように従来とは違う刺激的な音楽になる路線、PILやスリッツあたりから分岐されてゆきパンクもニュー・ウェイブも多様化していった。
普通だったら売れない路線でもそこそこの知名度や評価を得る、その先駆けになったバンドとしてPILの残した功績は大きいと思うよ。

ROOM2 渺乎の美学
通常の読み書きが出来るチャプター・タイトルに戻すとさっき書いたばかりなのにまた一般的じゃない小難しい表現にしてしまう。この辺にまだ迷いが感じられるな。
渺乎と書いて「びょうこ」と読む。
大変小さいさま、という意味合いらしいが昔の物書きでもない限り、たぶん使わないだろうな。ROCKHURRAHもこんな言葉を今まで使った事がないよ。
 
狭い日本の狭い部屋を考えたら電化製品でも何でもコンパクトになってゆくのは自然の流れ、というわけで1980年代以降はずっとその傾向になってきていたのは間違いない。
特に身につけて持ち運ぶものは小型化・軽量化が必須となっているのは皆さんご存知の通り。

最近では知る人も少ないけどMD、ミニディスクが90年代に登場した時にROCKHURRAHは飛びついて購入した。
フロッピーディスクをちょっと小型にした手のひらサイズが気に入ったのと、カセットテープよりは劣化が少なそうに感じたから、録音出来るソニーのMDウォークマンを持ってたよ。
当時持ってたMacはHDDの容量がとても少なくて、音楽だの映像だのを中に貯め込む事が出来なかった。
Macで録音したレコードを波形編集ソフトで編集、それをさらにMDに録音・・・などというかなり面倒な事を喜んでやってた記憶があるよ。よほどヒマだったのかねえ? 

スマホとかは軽量化も必要だけど、より大画面でより高性能というユーザーのわがままに翻弄されて、一定の大きさから脱却出来なくなってるのが実情だね。
映画「ズーランダー」で馬鹿らしいくらいの小さな携帯電話が出てきて笑ったけど、小型化を突き詰めるとああいうギャグにしかならない。シャレで実現化するメーカーがあったら一瞬だけでも話題になるだろうね。
SFやアニメにあるように目の前の空間がディスプレイになって・・・などというのが実現するかどうかは科学知識のないROCKHURRAHにはわからないけど、もっと違う新しいテクノロジーも生まれる可能性はあるだろうね。 

さて、これもまたジャケットアートについて語る「ニッチ用美術館」の主旨とは違うけど、レコードを聴くという根本的な事をとってもニッチに展開した功績により、ここに紹介したいと思う(偉そう)。
上のジャケットだけを見ても何だかよくわからん普通の感じだが中身はこうなってるのさ。

90年代くらいを知る人ならシングル盤のCDで8センチのものがあったのを覚えているだろう。いつの間にか消えてしまって見なくなったけど、あれを彷彿とさせるこの代物は実は小さなレコード盤なんだよね。そして左上にあるのがこのミニミニ・レコードを再生するための専用プレイヤー。
実用的じゃなくても意味不明の小さいポケットがついた服とか見ると「かわいー」と気に入ってしまうSNAKEPIPEだったらこれを評価してくれるだろうか?

このレコードを聴く事だけのために作られた小型プレイヤー、そしてこの小型プレイヤーでしか再生出来ない(試してみたわけでないから詳細は不明)小型レコード。この組み合わせ以外には全く意味をなさないシロモノという点で現代アート的手法と言えるんだろうか。
とにかく「誰にでも等しく体験出来る」という事に対するアンチテーゼなのかは不明だけど、問題作なのは確かだね。ROCKHURRAHの解釈は陳腐だね。

Die Geniale Dilletanten(天才的ディレッタント)というダダイストのグループを主宰していたヴォルフガング・ミュラーによってベルリンで誕生したDie Tödliche Doris(ディー・テートリッヒェ・ドーリス)、芸術活動の一環としてバンド形式のパフォーマンスを行っていた三人組だ。
ウチのブログでも何度も書いてきたノイエ・ドイッチェ・ヴェレ(ドイツのニュー・ウェイブ)の中でもとびっきりの変わり種として名高い。
このレコードのセットもコレクター心をくすぐるユニークなものだが、他の作品でも別々にリリースされた2枚のレコードを同時にかけると第3の音楽が現れる、とか音楽そのものよりも現代アート的「こけおどし」みたいなものが話題となっていたね。
日本では「致死量ドーリス」という漫画のおかげなのか、バンドの予想を超える知名度を得たけど、漫画の読者が彼らの音楽を理解出来たか(聴いたりしてたのか)どうか不明。ちなみに昔は古本屋で働いてたから買い取りやクリーニングはしてたROCKHURRAHだけど、漫画は読んだことない。

ノイズと不協和音による破壊的で即興的な演奏をするバンドは山ほどいて、個人的に心地良いノイズもあれば不快なだけのノイズもある。そういう音楽は全くダメって人の方が世の中の大多数だとは思うけど、アーティストと聴き手の波長が合ってれば(または合わなければ)どんな音楽でも最高だったり最低だったりする。ん?当たり前?
このバンドはROCKHURRAHにとってはやりたい事があまり伝わって来ない類いだったけど、何枚かはレコードも持っていた。上述の第3の音の片割れも持ってたけどもう1枚は持ってないし、同時にかける2台のプレイヤーも持ってなかったから未体験。

そう言えば大昔に下北沢のレンタル店で働いていた折、同僚の子がこのプレイヤー付きレコード・キット「Chöre & Soli」を店に持ってきて自慢していたので、見たり触ったりした記憶がある。今だったら相当に高値のレコードだと思うけど、この頃は限定1000部でも普通に手に入れる事が出来た良い時代。
仕事中だからさすがに聴いてはいないけど、内容は理解に苦しむ変なアカペラだったはず。

ビデオの方は現代アートにありそうな不穏で不気味なもの。よくわからん映像作品として鑑賞はしても、これを聴いて「さすが」などと感銘を受けるほどROCKHURRAHの心は広くないよ。

ROOM3 益荒男の美学
一般的にあまり馴染みがなく、使われない言葉だとは思うが、ある年齢以上の相撲好きの人ならばすぐに読めてしまうだろう。1980年代後半に福岡出身で益荒雄(ますらお)という人気力士がいたからだ。
などと知った風に書いてるROCKHURRAHだが、相撲に興味を持って観ていた記憶は特にないなあ。さらに同郷だからといって応援するような意識もなく、何に対しても割と薄情な青年時代だったなと思うよ。それくらいでも名前を知ってる有名人だったという事だね。

益荒男とは「強く勇ましく、りっぱな男性」だというような意味らしいけど、パンクの世界で最も強そうな見た目と言えばOi!と呼ばれた一派かな?と思ってつけたのがこのチャプター・タイトルだ。ただし「りっぱな男性」かどうかは個人差があるので不明だけどね。

ロックに詳しくない人間と友達になった事があまりないので、そういう人たちがどんな認識を持ってたのかは知らないけど、想像するとおそらくハードコア・パンクと昔のヘヴィメタルの違いなどはイマイチわからんのじゃなかろうかと思えるよ。服装やアイテムも一部共通だしね。
今の時代はファッションと聴いてる音楽がまるで一致してない場合も多数なので断言は出来ないけど、逆にオイ!については特徴が顕著でヴァリエーションが少ないから、比較的わかりやすいジャンルじゃなかろうかと推測する。
とにかく一番の特徴はスキンヘッド、坊主頭。そして裾を短くロールアップしたジーンズにドクターマーチンやゲッタグリップなどの編上げブーツ。ジーンズはなぜかベルトではなくサスペンダーで吊るすのが定番。これにMA-1を着たら大体誰でもOi!、あるいはスキンズとして見た目は通用するでしょう、という世界。
服装や使われてるアイテムから、イギリスでは工場や物流倉庫の労働者たちに支持されて、70年代後半のパンク・ロック発生のすぐ後くらいからOi!のムーブメントは一大勢力になっていった。
ネオナチとOi!の集団の見分けがつきにくいために極右思想と誤解されたり、大規模な暴動事件により色々とトラブル、紆余曲折のあったジャンルだったが、あまり難しく深い思想を語らないROCKHURRAHだから、この辺を詳しく書くのはよそう。
ニッチ用美術館の趣旨とは違うからね。

さて、そんな時代背景をいいかげんに綴ってきたが、このジャケットはOi!の有名バンド、ビジネスの1stアルバムのものだ。
1979年結成との事だけど、レコード・デビューは少し遅く、このアルバムなども1983年の発表だ。
初めて知ったのはまだROCKHURRAHが小倉に住んでた頃、福岡のKBC(この記事にも書いてる伝説のレコード屋)で見かけて気になっていたものだ。
ガラの悪そうな工場労働者のイラストは80年代最初の頃のTシャツとかでいかにもありそうなもの。
大昔に竹下通りにあった「赤富士」で買った似たようなシャツを、修学旅行のみやげで友達にもらって喜んで着ていたのを思い出す。
まだその頃のROCKHURRAH少年はロシア構成主義もプロパガンダ・アートも知らなかったけど、こういうジャケットに惹かれるのは昔も今も好みが変わってないって事だね。ぶれてないけど進歩もしてないのか。
ジャケットのデザインとしてはむしろ下に小さく写ってるメンバーの写真が邪魔だと思えるよ。 

ビジネスはエンジェリック・アップスターツとか4スキンズとかちょっとカッコいいバンド名(あくまでも個人の感想です)に比べると、イマイチありきたりな名称だし、メンバーの見た目も地味でイマイチ。
要するに失礼ながらOi!を目指す若者が「マネしたい」と思うような要素があまりないようなバンドだったな。
しかし曲はカッコ良くて好みって人も多い事だろう。「バナナ・ボート・ソング」として有名な「Day-O」をちゃんとパンクの名曲としてカヴァーするようなセンスが玄人受けするバンドだったよ。
一般的なヒットとは無縁のバンドでプロモーション・ビデオやTV出演の映像とかもないけど、数少ない動いてる映像がこれ。うーん、曲は確かに王道だけどやっぱり見た目がなあ。客の方にむしろ益荒男がいそうだよ。

ROOM4 鶯乱啼の美学
一般的には使いそうのない言葉を必死で調べてわざわざ使ったのがミエミエのタイトルだが、鶯乱啼と書いて「おうらんてい」と読むらしい。誰がどんな時に使うのかは全く想像もつかないけど、昔の書物にでも出典があったのかね?「うぐいすが激しくそこかしこでさえずるさま」などと勝手な解釈をしてみた。
これは3月の異名との事だけど、ちょっと調べただけで数十もの異なる呼び名が出てきてビックリだよ。言葉遊びなのか新しい名称を発明したのか、昔の人の言葉や表現に対するこだわりには脱帽するばかり。
ヤバい、などと全国共通で使ってる場合じゃないよ。

で、何でこのジャケットのチャプター・タイトルが鶯乱啼なの?とまともに疑問に思ってくれる人も少ないはずだが、鶯乱啼→3月→弥生→彌生という事でやっとつながった。ROCKHURRAHのこじつけもひどすぎ。
描いた人はまるで違うとは思うけど、このジャケット見たら彌生しか思いつかなかったというワケ。草間彌生以前にも水玉や南瓜を描き続けた人はいたかも知れないけど、こういう模様を世界的に有名にしたのはたぶん彌生、きっと彌生(意味不明)。

このド派手なジャケットは1980年代後半に活躍したスペースメン3というバンドの1990年に出たシングルのもの。
彼らやメンバーのソニック・ブームは同時代というよりは少し後に一部で熱狂的なファンがいて評価が高かったという記憶があるが、デビューした80年代後半の頃は「久々に登場したドサイケのバンド」という印象だった。
単語みたいに書くと意味の通じない現代人もいるかも知れないから説明するが「すんげーサイケ」とか「超サイケ」とかではなく、なぜかこの時代にはドサイケと言う表現が一部では(もしかしてROCKHURRAHの周りだけ?)使われていたのだ。ド素人とかと同じような使い方かな?
確かにスペースメン3の最初の頃は本格的にサイケデリックを志すバンドとして、80年代のお手軽なネオ・サイケなどとは一線を画する路線だった。ただし個人的な好みで言うと、一体何が素晴らしかったのかROCKHURRAHにはイマイチわかってないバンドのひとつだった。
かつてネオ・サイケとかのレコードを漁ってた頃に1〜2枚は所持していたし、その後のソニック・ブームまで持ってたから何かを感じて買ったのは間違いないんだが・・・。

なんか抑揚がなくてどこを聴いても同じような感じ、しまいには寝落ちしてしまうような音楽だという印象なんだよ。音楽に何を求めるかは個人の嗜好だとは思うけど、ドラッグ・カルチャーが基本的にはないはずの日本では根付くのが難しい種類の音楽だと感じたよ。

上の彌生ジャケットのシングル曲「Big City」はそんな彼らの中ではノイジーなファズ・ギターも入ってない、珍しく聴きやすい一曲。同時代のマンチェスター・サウンド(マッドチェスター)あたりとも通じる雰囲気で、彼らのコアなファンからはたぶんあまり評価されないような気がするよ。
全く影響は受けてないだろうし偶然なんだろうけど、スキッズのヒット曲「Charade」のB面だった「Grey Parade」みたいなフレーズが後ろの方で流れているけど、スコットランド民謡とかに原典があるのかな?

初期とは演奏のスタイルが違うせいもあるけど、やっぱり根底にあるのは「抑揚がなく、どこを聴いても同じような感じ」の金太郎飴状態。オーストラリアのサイエンティスツというドサイケなバンドもそういう路線を得意にしてたのを思い出す。
ROOM4まで書いておいて言うのも何だが、実は今回選んだジャケットのバンド、個人的に聴き狂ってたようなのがなくて、そのせいもあって筆が重いんだよね。ここまで書いてそれを打ち明けるか?
ニッチ用美術館、わずか5回目で存続の危機だね。

ROOM5 安娜の美学
「○○の美学」が思いつかなくてついに当て字に走ってしまった、というくらいに今回のは、人によっては取るに足らないチャプター・タイトルで相当に悩んでしまった。

「安娜?うーん、聞いた事ない言葉だよ」と大部分の人が思うだろうけど、これは中国語でアンナという女性名を表記する時に使う漢字のヴァリエーションのひとつらしい。
日本ではAnnaはアンナでいいけど、中国になるとなぜか漢字表記される場合もあるようだ。カタカナがない国だからそうなってしまうのかね。大して調べずに行き当たりばったり書いてるから、その使い方のルールなんかも全然わかってないんだけど。
身近な例を言うと、かつてパソコンのメインボードを中心に扱う台湾の企業(の日本拠点)で働いた時に、社員はみんな外人の名前で呼び合っていて、ジェニファーだのアンディだの、一体どこの国?と思っていたものよ。

というわけで無理やり中国語の安娜をチャプター・タイトルにしてみたが、たぶん中国要素はまるでないなあ。

さて、美術館とタイトルに付けるくらいだから一つくらいは絵画風のジャケットを展示しなきゃな、と思って選んだのがこれ、1986年にリリースされたアンナ・ドミノの2ndアルバムだ。
うーん、選んでは見たものの、この手の普通の意味での風景画や静物画を特に苦手としているROCKHURRAH。
誰かの作風(強いて言えばセザンヌにちょっと近い?)でこんなのあったかも、くらいの印象しかなく、もし美術館で展示してあっても素通りしてしまうだろうな、という感想しか持てないよ。ごめんよ安娜さん。
このジャケットだけ見ても何だかよくわからんけど、裏ジャケはこの絵の延長である部屋の内部になっていて、椅子に座ったアンナ・ドミノ本人(おそらく)の似てない姿も描かれている。
自分の方を表ジャケットにしてないのはあまり気に入ってなかったのかもね(推測)。

アンナ・ドミノはアメリカ軍人の娘として、なぜか東京の米軍関係の病院で生まれたアメリカ人だ。若い頃にイタリアやカナダ在住の経験もあり、オンタリオ芸術大学でレコーディングの技術も身につけたという、羨ましいようなインターナショナルな経歴を持つ才女なんだね。
そんな彼女が活動の拠点としてレコードを出してたのがアメリカではなく、ベルギーのLes Disques du Crépusculeという有名レーベルだった。別に詳しくは書いてないが「ニッチ用美術館 第3回」でも少し取り上げたクレプスキュール・レーベル(ポール・ヘイグの項参照)は、80年代前半くらいにオシャレなカフェなどのBGMで需要が多く、そういう雰囲気のあるアーティストを続々とリリースしていたよ。
スピログラフ(曲線の模様を描く歯車のような定規)で描かれたようなレーベル・マークも知名度が高く、クレプスキュールのレコードは日本のレコード屋で簡単に手に入るくらいに、インディーズ・レーベルとしては最も普及していたと思うよ。
イザベル・アンテナとアンナ・ドミノはその中でもレーベルの看板娘として人気になったものだ。
アンナ・ドミノはとにかく80年代的な割と鋭い眼差しの美貌と髪型やファッションで、しかも上記のようなすごい経歴の才女。いかにもフランス風美女のイザベル・アンテナと比べるとちょっとキツめの印象があって好みが分かれるところ。

1stアルバムではタキシードムーンのブレイン・L・レイニンガーや後にリヴォルティング・コックスで有名になるベルギーの奇才リュック・ヴァン・アッカー、日本でもヒットしたヴァージニア・アストレイなどが参加していたが、上のジャケットの2ndはさらに豪華・・・かどうか微妙なメンバー。
同じくタキシードムーンのスティーブン・ブラウン、アソシエイツのアラン・ランキン、ベルギーのシンセ・ポップで有名なテレックスのマルク・ムーランとダン・ラックスマンなどが参加している。
プロモーション・ビデオかと思ったら映像をバックに、スティーブン・ブラウンと共に口パクで歌うアンナ・ドミノというリアルタイムのステージだったから少し驚いたよ。それにしても一分の隙もない美貌とスタイル。
この手の音楽に興味ない人でも思わず見とれてしまうに違いない(大げさ)。

本文よりもチャプターのタイトルに悩み、苦労してしまった今回の「ニッチ用美術館」だが、いいかげんながらも何とか書く事が出来たよ。
公開するのは本日10/13なんだけど、記事を書いてたのは大型台風接近と大ニュースになっていた土曜日の話。災害アラートが何度も鳴ったり、いつ停電になるかも知れないという状況でよくも、こんな関係ないブログを書いてたもんだ。

ではまた、オゲヴヮ(ハイチ語で「さようなら」)。

ROCKHURRAH紋章学 ウォーター・ボトル編

【水筒の水、美味しそうに飲んでるね!】

SNAKEPIPE WROTE:

10月に入ったというのに、最高気温が30℃を下回らず、記録が更新されちゃったらしいじゃないの!
いい加減にしてよ、アグネス・チャン!って感じだよね。(古い)
ほんの少し出かけるだけでも、喉が乾く。
熱中症も怖いので、必ず飲み物を携帯する。
遠出の時には、何本のペットボトル(500ml)を飲み干したのか覚えていないほどだよ。
自動販売機で買えるし、携帯にも便利なペットボトルは優れものだよね!

いつの頃からか、お茶や水が販売されるようになった。
SNAKEPIPEが子供の頃には売ってなかったもんね?
お茶は急須を使って茶葉から入れるもの、水は水道水を意味していたからね。
「おーいお茶」なんて商品名で、お茶が売られていることを知った時には心底驚いた。
外国では当たり前だろうけど、日本で水の販売を知った時には、腰を抜かしたものよ。(笑)

石油の次には水の価格が高騰する、なんて噂を聞いたこともあったね。
実際水を買って飲んでいる人、多いよね。
確かに最近では水道水をそのままガブガブ飲むことも少なくなったし。
食の安全と叫ばれているせいもあるだろうけど、口に入れる物に気を配るようになったことは確かだよね。

前フリが長かったけど、今回の「ROCKHURRAH紋章学」では、水のパッケージ・デザインを特集してみよう。
最初はビザールなデザインを探していたけれど、さすがに水にビザールは少なくて。(笑)
オシャレで、水が美味しそうに見えるデザインを選んでみたよ!

最初のデザインはこちら!
FUENSANTAはスペインで1846年に創立された飲料水メーカーだという。
フエンサンタの起源は自然と結びついている、というメッセージを元に、緑の森にガラス瓶をおいたらどうなるか、というコンセプトでデザインされたという。
デザインしたのは同じくスペインのPati Nunez Associats
まるで日本酒の瓶のように見えてしまう形に、緑の葉が清涼感をもたらし、とても美味しい水なんだろうな、と想像させてくれるよね。
この水を飲んだら心も体もキレイになれそうじゃない?(笑)

続いても日本酒みたいに見えてしまう瓶の形だね。
スペイン、バスク地方で高級な水ブランドを展開しているGOROBEL。
何度もスペルを確認して検索したんだけど、このメーカーのHPを探すことができなかったんだよね。
パッケージ・デザインをしたのはIsusko、やっぱりスペインの会社みたいだね。
たおやかな曲線と、木の幹がプリントされ、そして縦書きの商品名が和風に感じる。
スペインでは栓抜き使うタイプのパッケージが多いのかな?
一度開けると、蓋ができなくて困らないのか、小さいことだけど気になってしまう。
スーパーにこんなデザインがズラリと並んでいたら、買うよりも鑑賞したくなりそうだよね。
さすがにスペイン、オシャレなデザインがたくさんあるね!

ちょっとレトロな雰囲気が残るオシャレなデザイン!
デザインしたのは、またもやスペインのSeriesNemoね。
この名前に聞き覚えがあったSNAKEPIPE。
調べてみると「ROCKHURRAH紋章学 コーヒー・パッケージ編」で紹介していたデザイン会社だったんだね。
その時にも「さすがスペイン!」と褒めちぎっていたよ。(笑)
まるでガラス瓶のように見えるけれど、素材はPETとのこと。
そして二酸化炭素排出量を削減するように最適化もされているというから、デザイン性だけではなく環境問題にも取り組んでいるということが分かるよ。
こんなペットボトルだったら、捨てるのが惜しいくらいかも。
地中海の光を捉えたウォーターグリーン色も、清潔感と体に染み込む水を連想させるよね。
いくら贔屓の国とは言っても、スペインの商品3つは連続し過ぎてるかな?(笑)

スペインからスウェーデンに行きましょ!
Ramlösaは北ヨーロッパで親しまれている、発泡性ミネラルウォーターのブランドだという。
起源はなんと1707年まで遡るというから、日本では江戸時代だね。
ヨーロッパとは水に対する歴史が違うことを、改めて認識するよ。
このパッケージ・デザインをしたのはGrowという、ブランド開発コンサルタント会社だという。
デザインだけではない専門知識により、需要を生み出し、真のビジネス価値を創造し総合的にプロデュースをする会社ということみたいだね。
Ramlösaの親会社であるカールスバーグより安価で持ち運びが容易で環境に優しく、かつプレミアムなデザインを依頼されたという。
PETボトルでこのカッティングとは!
二酸化炭素排出量を大幅に削減し、デザイン・アワードも受賞したというから大成功だよね。
このスパークリング・ウォーター飲んでみたいよ!

丸い蓋が印象的なデザイン!
こちらはイギリスで1997年に設立された精製飲料水メーカーであるPURE WATERのもの。
水源で精製および瓶詰めされ、輸送されるため、二酸化炭素排出の環境への影響を軽減しているという。 
環境に配慮しています、という文言をどのメーカーでも必ず書いているんだよね。
これがやっぱり世界レベルなんだろうな。
このデザインを担当したのはNeueというノルウエーのデザイン会社ね。
栓抜きが必要な瓶詰めの場合、こぼれないか心配だったけど、これなら大丈夫そうじゃない?
そしてこのデザインだったら醤油入れたりして、再利用できそうなところも良いよね。
えっ、ノルウエーの人だったら醤油入れないって?(笑)

最後はこちら!
今まで見たことがないデザインじゃない?
LH2Oは2005年からポルトガルのリスボンを拠点にしているデザイン会社PedritaとLusoブランドのコラボレーションで生まれたデザインとのこと。
5つの正方形と12の六角形の同一面を持ち、「3次元空間充填モジュール」と呼ばれているそうだ。
意味は正確に分からなくても、こんな積み上げ方をされたら目を引くことは間違いないよね。
手に取って、実際に飲む時はどうなんだろう?
非常に気になる一品だね!

今回は水をテーマにパッケージ・デザインを特集してみたよ!
日本のスーパーで見かけるペットボトル、どれも大差ないように感じているので、オシャレなデザインに憧れちゃうよね。
また世界の秀逸なデザイン、探していこう!

大人社会科見学—横田基地日米友好祭2019—

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【なんとも和洋折衷な電光掲示板】

SNAKEPIPE WROTE:

前週、鳩ノ巣渓谷散策の記事をまとめ、その最後に「社会科見学、午後に続きがあるんだよね」と書いたSNAKEPIPE。
続きが気になって眠れなかった読者の皆様に、その後の行動についてお伝えしよう。(大げさ)

東京の西方面に行くことは非常に稀であるため、鳩ノ巣渓谷からの帰りに寄り道する計画を立てていた。
当ブログには「がっちりBUYましょう!」という、記事になりそうな買い物をした時に、商品の詳細を伝えるカテゴリーが存在する。
主にROCKHURRAHが担当しているカテゴリーで、2010年12月に初めて記事にしたブランドがある。
それは「5.11」という、CIAや米軍の特殊部隊、PMC(民間軍事会社のこと)に絶大な人気と支持を得て、全世界の軍、警察にて採用されている装備やウェアを扱っているブランドである。

かつては店頭で現物を見ることが少なくて、ファントムや(今はなき)シーザムで、やっと手にすることができた。
ROCKHURRAHはバッグや靴、パンツやジャケットなどを所持していて、かなりの「5.11」好きと言えるよね。
その影響で、SNAKEPIPEもバッグや靴を愛用している。
世界的に有名なブランドなのに、誰かとバッグが「かぶった」という経験をしたことがないんだよね。
日本ではそこまで知名度が高くないのかしらん?
などと勝手に想像していたSNAKEPIPEの認識が甘かったようで。
なんと2018年1月に日本初の旗艦店が福生にオープンしていたとのこと!
10年程前から注目していたブランドなのに、全く情報を得ていなかったROCKHURRAH RECORDS。
これはなんとしてでも行かないとね、と話していたのだった。

鳩ノ巣からの帰り道、「5.11 Tactical Store Tokyo」 を目指して牛浜駅で下車。
するとホームは、驚くほどの人で溢れかえっている。
何かをアナウンスしている声も聞こえてくる。
ROCKHURRAHと顔を見合わせるSNAKEPIPE。
「まさかっ?!」
横田基地でイベントが行われているのかな?

以前横田基地で開催された日米友好祭に出向いたことがある。
大人社会科見学—横田基地日米友好祭2010—」として記事にまとめているよね。
これは2010年8月なので、今から9年前のこと。
だだっ広い敷地を歩いていたら、熱中症の手前のような症状になり、気分を悪くしたSNAKEPIPE。
「もう横田基地に来ることはあるまい」
と密かに胸の奥で呟いたっけ。(大げさ)

牛浜駅にこれほどの人だかりと言えば、友好祭以外考えられないよ!
慌ててホームのベンチに座り、スマートフォンで検索する。
ああ、やっぱり!
まさに、この日が友好祭だったとは。
「5.11」のショップに行くことを目指していただけだったけれど、せっかくなら友好祭にも行きたいよ。
それにしても驚きの展開だよね!(笑)

牛浜駅から横田基地を目指す人の群れは途切れることがない。
まずは、最初に腹ごしらえだね。
9年前には見かけなかった、駅の目の前にあるインドカレー屋に入ってみる。
どうやらオープンしたばかりのようで、内装が中途半端!
小料理屋(?)の居抜き物件だったように見受けられる装飾がチラホラしていて、アンマッチさがおかしい。
カレー屋なのにお座敷席があるし。
それでも店員はインド系の方なんだよね。(笑)

お昼ご飯が終わって、横田基地に向かうことにする。
人の流れは相変わらずで、線路を渡る前などでは警察官が誘導している。
基地までの道が少し狭いので、蟻の行列のように前に続いて歩いていくしかない。
本来であれば牛浜駅から徒歩10分程度で到着するはずなのに、この日は約30分程度かかったかもしれない。
鳩ノ巣渓谷で足がパンパンになったSNAKEPIPEなので、スロースピードでの歩きは丁度良かったかも。(笑)

汗だくになってきた頃、やっと横田基地の入り口が見えてきた。
福生ベースサイドストリートと呼ばれる国道16号線でも警察官による誘導がされている。
信号を無視して車を停止させ、通行人を基地に入れていた。
おお、9年ぶりの横田基地!
まさか再訪することになるとは、思いもよらなかった。(笑)
ROCKHURRAHに入り口の写真を撮ってもらったよ。
先週に引き続き、ROCKHURRAH撮影の画像を多く使用しているよ。

門をくぐった後、身分証明書の提示と荷物検査が待っている。 
9年前、この場所には銃を構えた兵士が睨みを利かせていたっけ。
その様子が「本物は怖い」という印象を残していたけれど、今年はそこまで迫力がある兵士は見当たらなかった。
9年前のROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、「基地に行くんだから」とミリタリー系のファッションで身を固めていたけれど、今回は全く予想していなかった訪問である。
鳩ノ巣渓谷対策としてトレッキングし易い服装をチョイスしていたので、ミリタリーの匂いはNothing!
あーあ、もっとオシャレするんだったね。(笑)

荷物検査が終わって、いよいよ基地内部へ。
道幅が広くなり、ごった返していたはずの人の群れがバラけて、少し歩きやすくなる。
道に沿って歩いていくと、人だかりが見えてきた。
赤いバックに展示されているのは銃火器?
えっ、まさか本物!?
その横には装備品の展示もあり、どうやら実際に使用されている(されていた?)物を見せてくれているようだ。
SNAKEPIPEは触らなかったけど、手にしている人の様子では、かなり重量がありそうだったよ。
それにしてもいきなりの銃には驚いたね!

「ひー!カッコ良い!」
思わず声をあげてしまったSNAKEPIPE。
これは自衛隊の軽装甲機動車とのこと。
日米友好祭なので、自衛隊の所持品も展示されているんだよね。
ゴツイ車体と、太いタイヤ、そしてオリーブドラブ色が見事にマッチした素晴らしい逸品!
この車なら、完全にペーパードライバーのSNAKEPIPEが運転して、どこかにぶつけてもビクともしないだろうな。(笑)

9年前にも「YOKOTA」の文字がプリントされたTシャツを購入したので、今回も記念に買って帰ろう、と物販コーナーを目指す。
映画で観るような巨大な格納庫を横目に、歩き続ける。
なんと言っても広いからねえ。
鳩ノ巣渓谷の後で、よく頑張ってるよ。
もしかしたらROCKHURRAH RECORDS、意外と丈夫なのかもね?

見て笑ってしまった風景がこれ。
ブログのトップ画像で掲示板の文字が分かるよね。
鳥居にアメリカ空軍マークが配されているって、おかしい。(笑)
遠景で眺めた画像で、奥に赤い欄干が見えるんだよね。
どうしてアメリカ空軍基地の中に和風の橋がかかっているのか?
その後ろにある建物が何なのかも気になるところ。
とても不思議な光景だったよ。

ニュースでも度々耳にする、輸送機「オスプレイ(CF-22)」の展示もされていたよ。
ここは大人気で、 兵士と一緒に記念撮影する人が多数。
その様子を見ていて驚いた。
アメリカ兵達、ものすごくフレンドリーなんだよね。(笑)
前述したように9年前には怖い兵士が多かった印象なので、この態度の豹変ぶりには驚愕するばかり。
そしてオスプレイ、大きいなー!
飛んでいるところを見てみたかったよ。

お目当ての物販も大賑わい!
食べ物や飲み物を買い求めるお客さんが行列を作っていた。
大混雑の中、結局お揃いのTシャツを購入したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
ペアルックにして出歩くことはないので、ご安心を。(笑)
その後、展示されている戦闘機を鑑賞する。
2010年に展示されていたF-22ラプター(ラプちゃん)にはお目にかかれなかったよ。
F-15やF-16はやっぱりカッコ良いね!
地面に座り込んで戦闘機を鑑賞している人がいる。
ん?なんと戦闘機の写生をしているじゃないの!
「旅サラダ」の山代エンナじゃあるまいし、絵にするとは驚きだよね。(笑)

一通り見て回ったので、出口に向かう。
強い日差しが照りつけているので、汗だくになっている。
トレッキング後なのに、広大な基地内を歩いたため、足は棒状態だよ。(笑)
途中、野外ステージから懐かしい曲が聞こえてくる。
もしかしてラッツ&スター?いや、シャネルズのカバーか?
古き良きアメリカを彷彿させる50年代っぽい曲がウケるのかな。(笑)

横田基地を出て、福生ベースサイドストリート(国道16号)を歩くと「5.11」の看板が見えてきた。
壁の側面に描かれた絵を撮影し、いざショップ内へ!
落ち着いた色合いで、高級感あふれる店内の様子は、タクティカル系を扱っている感じではないね。
2Fにはレディス用品があり、嬉しい限り。
実は試着してみたSNAKEPIPEだったけれど、いまいち似合ってなかったんだよね。(笑)
好みとしてはメンズのデザインをそのままサイズダウンしたレディス服を作って欲しいんだけど、それでは売れないのかもしれないね?
当初の目的だった「5.11」ショップに行かれて良かったよ!

朝早くに家を出て、鳩ノ巣〜横田基地〜「5.11」ショップと歩き回り、非常に充実した1日になった。
日米友好祭は、まるで予定に入っていなかったので嬉しい誤算だったね。(笑)
またどこかに出かけてみよう。
今からとても楽しみだよ!

大人社会科見学—鳩ノ巣渓谷—

20190922 22
【鳩ノ巣小橋からの風景を蜘蛛入りで撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

我がROCKHURRAH WEBLOGには、いくつかのカテゴリーがある。
最近ではアート関係の話題が多いので、それらのカテゴリーの記事数は更新されていく。
数年来、全く記事を書いていないカテゴリーもあるんだよね。
その中の一つが、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEがお出かけした様子を記録した「大人社会科見学」。
ROCKHURRAH視察団」というカテゴリーも存在しているんだけど、「視察団」は店舗取材(大げさ)で「社会科見学」は学術研究(のつもり)や旅行などを記録するために使用している。
大雑把な「くくり」だけどね。(笑)
それにしても「社会科見学」は2015年の那須高原まで、「視察団」は2013年のかっぱ橋道具街以来、更新していなかったことに驚く。
ROCKHURRAH RECORDS、どこにも行っていないんだね。(とほほ)

9月の3連休、どこかに出かけてみようか、と話し合う。
近場で楽しそうな場所ってどこだろうね?
東京の西には、数えるほどしか行ったことがないSNAKEPIPEは奥多摩方面に興味があった。
奥多摩に行ってみようか!(笑)

奥多摩と一口にいっても、ROCKHURRAH RECORDSが行かれる場所は限られてくる。
1.電車やバスなどの交通機関が利用できること。
2.あまりに過酷な徒歩ルートではないこと。
車を所持していないため、車でしか行かれない場所は無理なんだよね。
ワクワクしながら検索した結果、鳩ノ巣渓谷を目指すことに決定する。
JR青梅線の鳩ノ巣駅と白丸駅との2kmのコース中、吊橋を渡ったりしながら歩くことができるという。

鳩ノ巣駅へは新宿から約1時間半、料金はおよそ1,000円ほど!
新宿が始発駅のホリデー快速に乗る、という手もあるけれど混みそうなのでパス。
朝の6時前に家を出て、中央線快速青梅行きに乗る。
青梅から鳩ノ巣まではおよそ30分ほど。
電車の窓から見える風景がどんどん変化していく。
遠くに見えていた緑色の山が大きく目の前にせり出してくる。
山間に近付いてきたよー!(笑)

ついに目的の鳩ノ巣駅に到着する。
この日は雨男のROCKHURRAHも幸運に見舞われ、ご覧の通りの晴天!
一緒に電車を降りたのは、ほんの数名。
朝早くに青梅線に乗車するのは、山を目指している人が多かったみたい。
鳩ノ巣駅が無人駅だったこと、近くにあったトイレが最新式の設備を備えていることに驚く。
ちゃんとトイレットペーパーも補充されていたり、日本ってすごいなあと改めて感じたよ。

さて、早速歩き始めよう、と確認したのが駅近くにあったマップ。
ブログに何度も書いていることだけど、SNAKEPIPEは自他共に認める方向音痴なんだよね!
そのため地図を見る(読む?)ことも不得手としている。
最近はROCKHURRAHが悪い影響を受けてしまい、若干方向音痴気味になっているので注意が必要だよ。(笑)
マップにて「なんとなく」の進む方向を見定めてから、早速ウォーキングのスタートだ!

歩き始めて5分も経たない頃、水が流れる音が聞こえてくる。
道路脇から景色を見て驚く。
下に降りられる階段と激しい水の流れも確認する。
これは行くしかないでしょ!
どんどん階段を降りていくと、更に水の音が大きく聞こえる。

かなり落差のある滝が目の前に! 
こんなに駅から近い場所で滝に出会うことになるとは、全く予想していなかったよ。
轟音が聞こえたのも納得だよね。(笑)
日光の華厳の滝を見て以来、滝が大好きになっているROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
鳩ノ巣を調べた時には、全く情報に載っていなかった嬉しいハプニングだよ!
「双竜の滝」だという。
しばし佇み鑑賞した後、駅方向に戻るか別のルートを探索するか迷う。
前述したように方向音痴のSNAKEPIPEだからね。
通常ならば駅方向に戻るほうがベターだけれど、今回は少しだけ冒険したい気分だった。

完全に廃墟になっている旅館の脇を通り抜けると、道がまだ続いている。
どんどん下っていくので、もし戻る時にはキツい上りになるんだな、と思いながら進んでいく。
小川の流れと鳥居が見えてきた。
水神様、と看板に書かれていたよ。
ROCKHURRAHと一緒だから問題ないけれど、一人だったらちょっと怖いだろうね。


渡りたいと思っていた鳩ノ巣小橋まで0.15kmとの記述があったので、道が間違っていないことを確認する。
そのまま進もうとした時、本日2回目の驚きがあった。
なんと小さな滝に遭遇したんだよね!
朝ごはん用のお弁当を持参していたので、滝を鑑賞しながら頂くことにする。
こんなに間近で滝壺を見ながらの朝ごはんなんて、贅沢だわ!(笑)
聞こえるのは滝の音だけ。
まるで日常の煩わしさを洗い流してくれるようで、開放的な気分になった。
この瞬間を味わえただけでも、来て良かったと心から感じたよ!(笑)

再び鳩ノ巣小橋を目指して歩くことにする。
多摩川は場所によっては、流れが早く大きな岩がゴロゴロしていた。
その風景は新宿から1時間半の距離とは思えないほど「思えば遠くへ来たもんだ」状態!
ROCKHURRAHが撮影した、光が差し込み、神々しさすら感じる一枚。
傑作ですな!(笑)
同じ場所でSNAKEPIPEも撮影してるんだけど、この一枚には敵いませんでした、、、。
実は今回のブログで使用している画像の7割はROCKHURRAH撮影なんだよね。
SNAKEPIPEの傑作はトップ画像の蜘蛛入りだけかな。(笑)

目指していた鳩ノ巣小橋がこれ。
高所恐怖症のROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、無事に渡ることができるんだろうか?
人数制限がありそうな揺れるタイプの橋なんだよね。
救い(?)は、距離が短いことかな。(笑)
橋の上には最初、三脚使って写真撮ってる人が1人だけだったけれど、向かいから1人やってきた!
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEで4人。
ふと目をやるとまた1人後ろから橋に足をかけた人が!
これで5人が橋の上にいることになる。
その様子を横目で見たROCKHURRAH。
橋の耐荷重量オーバーだと思ったのだろうか、ものすごいスピードで橋を渡り始めるではないか!(笑)
小走りに前を行くROCKHURRAHのせいで、橋が揺れること。
「はあ〜、助かった〜」
って大げさだよね。(笑)

次の目的地は白丸ダム!
道沿いを歩いていけば着く予定だけど、大丈夫だろうか。 
なんとなく「ここだろう」と分かる程度の道を歩いていく。
これ、ほとんど山道と言って良い荒れた道よ。
トレッキングやらハイキングをしたことがないROCKHURRAHとSNAKEPIPEには、初めての経験なんだよね。
下って下って川に近付いたかと思うと、今度は上って上って、木々の間を抜けるように歩いていく。

こんな階段が何段も続いてるんだよね。
場所によっては、1段の高さが非常に高くて、足がパンパンになってくる。
「えっ、また上り?」
だんだん疲れがきて、SNAKEPIPEは笑うしかなかった。
楽しいとか大変とかのように、いっぺんに複数の感想を持った時に笑うことがあるんだね?
ただ辛いとか疲れただけではなくて、楽しいとか嬉しいも混ざった心の動きは生まれて初めてだからね。
SNAKEPIPE、もしかしたら楽観主義者なのかも?(笑)

かなりの距離を歩き、やっとダムらしき建造物が見えてくる。
道は間違っていなかったので安心したよ。(笑)
人工湖である白丸湖は、美しいエメラルドグリーン色をしていた。
多摩川沿いに階段のような設備が見える。
「あれが魚道だよ」
ROCKHURRAHが教えてくれる。
次は魚道見学なんだよね!

多摩川にいる魚の遡上を助けるために造られたという魚道。
結構急勾配だと思うけど、魚は上っていくんだね。
ヤマメや鮎、ニジマスなどが上るんだって。
さすがに上ってる様子を見ることはできないだろうな。(笑)
魚道の入り口となっている管理棟に向かう。
前に数人のお客さんがいたくらいで、中はそんなに混雑していない。
この時の時間午前9時過ぎ。
かなり早い時間なんだよね。

魚道の見どころの一つとして、螺旋階段が有名だという。
確かに!
インダストリアル好きのROCKHURRAHとSNAKEPIPEにとって、まさに垂涎の的だよ。
カッコ良い!と写真に撮ろうと下を覗きこむSNAKEPIPE。
こ、こわいっ!
下までぐるぐるがずっと続いているよ。
一体どれほどの高さがあるんだろう?
尻から腿にかけての神経がモゾモゾして、心臓が縮み上がる。
高所恐怖症だから、落ちそうになる感覚に弱いんだよね。 (笑)
それでもやっぱり好きだわ、この風景!

魚道の様子だよ!
パンフレットなどで説明をされても、実際に魚がどういう動きをするのかは分からなかった。
他の見学客が全くいない状態で、ゴーゴーと水が流れる音を聞きながら魚道を歩けたことだけでも貴重な体験になったよ。
魚道を抜け、再び管理棟に戻ると、巨大扇風機を回してくれた受付の方の親切に感謝だね。
こんなに立派な建物を無料で見学させてくれる東京都交通局って太っ腹だよね! 
ダムの写真が載ったカードまで貰い、本当に社会科見学になったよ。

鳩ノ巣で見学したいと計画していたことは、これで完了したので、駅に行くことにする。
ここでROCKHURRAHと協議したのは、鳩ノ巣駅に戻るか白丸駅まで行くか、である。
鳩ノ巣駅に戻るルート、山道以外もあるのかな?
実はこの時点で、SNAKEPIPEの足はパンパンになっていた。
再び山道を歩く元気はなかとよ。(笑)
車道を少し歩けば白丸駅に出るのではないか?
のんびり歩くこと、およそ20分で白丸駅に到着する。
全くの無人駅で、カメラを下げた鉄道ファンが電車を待っている。
新宿方面の電車は、10分程度待てば来ることになっていた。
画像を見てもらうと分かるように、この時まだ11時前。(笑)
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの社会科見学、午後に続きがあるんだよね。
午後の話は、次週に乞うご期待!(笑)