ROCKHURRAH紋章学 建築関連会社ロゴ編

【スペインのグラナダにあるCliff Houseを紹介するキャロラインとピアーズ】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSがNetflixに入会した話は以前書いたよね。
映画やドラマに加えNetflixオリジナル作品が多数あって、どれから観たら良いのか迷ってしまうほど。
ずっとテレビの前に座っているわけにはいかないので、「面白そう!」と思った作品を制覇するのには一体どれだけの時間がかかることやら?(笑)

「これ、好きそうじゃない?」
とROCKHURRAHから勧められたのが「世界の摩訶不思議な家」 という世界の変わった建築を紹介する番組だった。
SNAKEPIPEは建築物が大好き!
このブログでも「SNAKEPIPE SHOWROOM」とカテゴリーを設け、気になる物件を紹介しているんだよね。

さすがに世界中から選りすぐりの建築物を紹介するだけあって、登場する物件は全て「お金持ち御用達」の垂涎モノばかり!
物件を紹介するのは、女優で不動産投資のキャロライン・クエンティンと建築家のピアーズ・テイラー
元々この番組はイギリスの放送局BBCが制作していたようで、続編としてNetflixがオリジナルに制作したとのこと。
そのため案内役の2人ともイギリス人なんだよね。
物件はもちろん素晴らしいんだけど、SNAKEPIPEの目を釘付けにしたのはキャロラインだった。

SNAKEPIPEの持つイメージでは「イギリス人マダムは上品」だったのに、キャロラインは開けっぴろげで気さくなタイプ。
豪邸に当たり前にあるプールでは、水着になって泳ぐのがお決まり!(笑)
相棒であるピアースも歯に衣着せぬ発言をしたり、番組中建築に関するスケッチを描いて見せ、建築家としての存在感を示している。
この番組の中で、2017年1月に「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件11 地下物件編」として書いたスペインの物件が紹介されていて嬉しかった。
TOPに動画を載せたので、時間がある方は観てみてね。
内装はあんな感じになってたんだね!(笑)
「世界の摩訶不思議な家」は2019年までで終わってしまうので、次が制作されることを願っているよ。

長い前振りを書いたけれど、今回は建築関連の会社で使用しているロゴを特集してみよう。
最初に紹介するのはこちら!

Rot Repair Masterで使用されているのは白、赤、グレー、クロというシンプルな配色のロゴ。
右上のノコギリとトンカチが、まるで共産主義のシンボルである「鎌とハンマー」のように見えるところがポイント! 
一目で家に関する仕事をしている会社だと分かるところも良いよね。
ワシントン州エベレットを本拠地としているRot Repair Master。
新築物件はもちろんのこと、家の木材部分、例えば屋根だったりデッキなどを修理する会社だという。
ここで修理をお願いしたら、ロゴのステッカーくれないかな?(笑)

続いてもグレーと赤を使用したロゴを選んでしまったよ。
SNAKEPIPEは、この配色が好みなんだろうね。 (笑)
Carl Stahlは世界中に70の拠点を持つファミリー企業だという。
stahl一家が経営ってことになるんだろうね。
創業は1880というから約140年の歴史を持つ老舗とは、驚いてしまう。
リフティング技術、建築、テクノケーブルの分野でのサービスを提供していると言われても、いまいちよく分からないんだよね。
建築関係者なら使い方が分かる、特殊な機材を扱っている会社ということで良いか。
Carl Stahlが家を支えてます、というメッセージをロゴにしているようじゃない? 
HPで確認すると、本社の建築にも赤が効果的に使用されていて、オシャレだったよ!

まるでポーラ・シェアのタイポグラフィみたいなロゴ!
シンプル・イズ・ベスト。
このロゴを使用しているのがRobert Martin Companyなので、頭文字のRMなんだね。
えっ、このロゴではRとMに見えないって?(笑)
Robert Martin Companyは不動産会社なので、建築関連の会社ではないけれど、許してね!

グレーの部分が象に見えてしまうは、SNAKEPIPEの特殊な能力によるものかしらん?
STAgencyも前に紹介した会社と同様、不動産会社なんだよね。
MO Real EstateとHPに書いてあったので調べると、どうやらミズーリ州の略号がMOとのこと。
象のように見えた部分はMOという文字なのかもしれない。
もしかしたら家のように見せているのかな?
想像すると面白いよね。(笑)

次はカラフルなロゴにしようか。
Kalido Interior Designはその名の通り、インテリア・デザイン会社なんだよね。
インドのムンバイにある会社だという。
イニシャルのKを印象的にしたロゴで、そこまで凝ったデザインではないけれど、色合いのせいかインパクトがあるよ。 
「世界の摩訶不思議な家」でもインドの素晴らしい物件を観たことがあるんだよね。
昔ながらのインドというイメージと、大きくかけ離れた現代建築を設計しているのもインド人!
インテリア・デザインだってモダンになってるよね。
ロゴも負けないようにポップになるってことか。(笑)

ロゴのデザインで水彩を使用するのは珍しいような? 
Blakely Interior Designもインテリア・デザインを手がけているロード・アイランド州 ノースキングスタウンにある会社で、スタッフが全員女性なんだよね。
産婦人科のスタッフが全員女性です、みたいな感じかな?(笑)
恐らくその特徴を表現するために、このロゴが採用されているんじゃないかな。
柔らかい印象を受けるもんね?
ただし実際には「女性だから優しい」という公式は当てはまらないように思うよ。(笑)

i-Chapterはシンガポールのインテリア・デザイン会社だという。
ロゴが分かりやすく家の形になってるよね。
そこまで凝ったデザインではないと思うけど、それでも日本の会社で使用されているロゴ・マークよりずっと面白い!
HPだったりロゴって会社の顔だと思うから、もっと力を入れたら良いのにね?

最後はこちら!
British Institute of Interior Designとは、世界で最も権威のあるインテリアデザイナー団体「英国インテリアデザイン協会(BIID)」のこと。
シンプルでスタイリッシュなロゴ・マークを見るだけで、いかにセンスが良いか瞬時に判るよね!(笑)
BIIDに入会するには厳しい審査があり、更に実績に応じてランクが決まるらしい。
トップランカーのデザイナーは、世界中で活躍しているという。 
このロゴ・デザインは一体誰の作品なんだろうね?
今回紹介した中で1番気に入ったデザインだよ! 

土地を買い、自分が理想とする家を建築家に設計してもらい、実際に家を建てるとする。
建築家や施工会社、インテリア・デザインはどこにお願いしようかと考えた場合、目を引くロゴ・デザインも重要な気がするんだよね。
名刺代わりになるデザインにも力を入れている会社は、恐らく良い仕事をするはず!
SNAKEPIPEはそんな判断をして、デザイナーを選びたいと思うよ。
そんな日が来るのだろうか?(笑) 

好き好きアーツ!#55 鳥飼否宇 part22−官能的-

【増田米尊の視線はこんな感じ?Tバックはダメだったね!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSに衝撃が走ったのは、先月のことだ。
大ファンの作家、鳥飼否宇先生の新作が発売されるニュースを知ったからである!
タイトルは「パンダ探偵」、発売予定日は5月22日だという。
狂喜乱舞しながらも、すぐにネット予約をするSNAKEPIPE。
これで発売と同時に発送、もしくは発売日の前日には手元に到着するかも、などとほくそ笑む。
ひとまずは安心、安心!(笑)
 
予約完了で胸は撫で下ろしたけれど、5月22日発売予定だからね。
もう少しの辛抱と分かっていても、待ちきれない!
そこで今週は鳥飼先生の著作を振り返る企画「トリカイズム宣言」を書いてみよう。

2016年11月「逆説的」について感想をまとめた時、

「綾鹿市シリーズ」で、まだまとめていないのは「本格的」と「官能的」だね。
また再読してみよう!

と書いているSNAKEPIPE。
そうなのよ、感想を書いていない過去の鳥飼先生の著作は残り2冊だけなんだよね。
発表された順番とは逆になってしまうけれど、 今回は「官能的」について書いていこうかな!

「官能的」は、「綾鹿市」という架空の場所が舞台になっている4つの連作短編集なんだよね。
主人公は増田米尊(ますだよねたか)。
名を訓読みではなく音読みにすると、本質がはっきりする「名は体を表す」抜群の命名法!
ちょっと「なまるように」発音すると、あーら不思議。
意味のある言葉に聞こえてくるじゃない?(笑)
増田米尊については、「絶望的」をまとめた際、詳しく説明をしたSNAKEPIPEだけれど、今一度紹介しておこう。

綾鹿科学大学大学院数理学研究科(長い!)の助教授(現在は准教授?)という肩書を持つ増田米尊だけれど、研究内容に難がある。
「月経周期が性的欲求に及ぼす影響のフーリエ解析によるアプローチ」のような、増田米尊が個人的に興味を持つ題材について論文を発表しているんだよね。 
フィールドワークと称して、論文を書くための証拠固めをする。
つまり「覗き」や「女性宅のゴミを漁ったりする」ような犯罪者スレスレ(犯罪確定?) の行動を取るのである。
増田米尊の特徴はそれだけではない。
性的に興奮するとアドレナリンが脳内をかけめぐり、天才的頭脳の持ち主に(生物学的)変態するんだよね!
その変態(メタモルフォーゼ)のおかげで、 綾鹿市で起きた事件を解決へと導くのである。
(性的)変態が(生物学的)変態をするのが増田米尊、ということになるね。(笑)
では「官能的」の章ごとに感想を書いてみよう。
※ネタバレしないように書いているつもりですが、未読の方はご注意ください!

夜歩くと……漸変態に関する考察

フィールドワークに関しても少し語られただけなので、「これぞ増田米尊!」という変態行為が少なかったのもファンとしてはちょっと物足りない。

前述した「絶望的」の感想の中でこのような発言をしているSNAKEPIPE。
増田米尊は変態だ、という公式ができあがっているからね。
「官能的」は1ページ目の1行目から、変態性が露出している。
そうよ、これ、これ!(笑)
増田米尊は研究対象として女性のあとをつけまわす、いわゆるストーカー行為に及んでいるのである。
ターゲットにした理由は、女性のヒップが好みだったから!(笑)

増田米尊には好みに関する明確な基準があるようで、女性の下着はシンプルで色は白が望ましいとのこと。
そして下着で最も重要なのはクロッチで、その線(縫い目?)を偏愛していると聞くと、本物だわ!と感心してしまうSNAKEPIPE。
ここまで「こだわり」を持っている人こそ、変態と呼ぶにふさわしい!(笑)
増田米尊が夜な夜な、本当の意味での尻を3日もかけて追いかけた後、殺人事件が起こってしまう。
なんとターゲットにしていた女性が殺されてしまうのだ!

「綾鹿市シリーズ」ではお馴染みの谷村警部補と南巡査部長が登場する。
「逆説的」で語り部だった五龍神田巡査部長もいるね。
見覚え(聞き覚え)のある名前を発見すると、昔からの知り合いって気分になるのが不思議だよ。
そして容疑者となってしまった増田米尊、綾鹿署で取り調べを受けてしまう。
谷村警部補と増田米尊って同類だったっけ?(笑)

「官能的」の登場人物は他に、千田まり(血溜まり?)という、増田助教授の応用数理学を選択している学生がいる。
千田は「増田米尊の変態様式論」を書き上げるため、増田米尊の取材を続けているという変わり者なんだよね。
増田米尊を知り尽くしている女学生がいるとは!
そして千田といつも行動を共にしているのが、マクロリンコスという日本人ではない研究生待遇、通称クロちゃんである。 
増田米尊の変態による謎解きに加え、千田とクロちゃんの手助けにより事件は解決するのである。

孔雀の羽に……過変態に関する研究

増田米尊が双眼鏡を覗いている。
もちろん言葉通り「覗き」のためである。
「知り合いのバードウォッチャー」から勧められたスワロフスキー社製の双眼鏡だって?
その記述から思い当たる人物は「観察者シリーズ」の鳶さんしかいないよね。(笑)
ちなみにEL42 SWAROVISION WB(8.5×42)の定価325,000円(税別)ね。
かつて写真撮影が趣味だったSNAKEPIPEなので、カメラにもピンきりの値段があることは重々承知している。
双眼鏡も同様なんだろうね。
やっぱり高いのには理由があるったい。(笑)
調べてみるとスワロフスキーの双眼鏡、動画があったので載せておこうね。 

こんなに素晴らしい双眼鏡を研究費で購入できるとは、大学教授(もしくは助教授)って、良い身分だよね。
本来の目的とは別の増田米尊の趣味のためなのにね。
一文に何度も「の」 を書いてしまったよ。(笑)
筒井康隆の小説「大いなる助走」に登場する山中道子みたいだね。

そして増田米尊は偶然、向かいのビルにいる初恋の相手を発見してしまうのである。
高校の同級だった都美也子(段田男、みたいな命名法?)を執拗に追いかけ、「ミヤコちゃんに関する調査と研究」と題した「ミヤコちゃんレポート」を作成していたという。
その傾向は助教授になった今と同じだよね。(笑)
増田米尊は50代の設定なので、およそ30年以上前に想いを寄せた女性との再会は、胸ときめくものだったはず。
それにしても…。
30年以上前の同級生に会って、分かるかな?
見目姿がすっかり変わってしまうのではなかろうか。
増田米尊は特殊な嗅覚を持っていそうなので、ミヤコを見間違うことはなかったんだね!

そしてまたミヤコを追いかける行動に出た増田米尊は、殺人事件に巻き込まれてしまうのである。
谷村、南の警察関係者が登場、千田とクロちゃんのヘルプにより増田米尊が変態後、事件の鍵を発見するという構図は同じで、事件は無事解決。
あんなにご執心だったミヤコを失ったのに、増田米尊がさほど悲しんでいないことに違和感があったかな。
最後のセリフは「いかにも増田米尊!」だから、これで良いんだろうね。(笑)

この章の中で印象的だったのは「インスペクション・パラドックス」と、「6人の人間を介すると世界中の人につながる」という「六次の隔たり」について言及しているところ。
まるで松井冬子の代表作「世界中の子と友達になれる」みたいだけど、SNSはこの理論をもとにしているんだって?
Facebookで実際に検証が行ったところ、4.74人で世界中の人とつながることが判明したとか。
こういう学問、非常に興味深いよ!

囁く影が……完全変態に関する洞察

増田米尊のパソコンに添付ファイル付のメールが送られてくる。
添付されていたのは増田米尊の同僚(というのか)で、同じ大学に助教授として勤務している島谷香織の性交中画像だったのである!
ここで増田米尊が、相手の男が写っている画像には見向きもせず、自らの妄想を発展させることができる画像のみに集中しているところに「増田米尊らしさ」を感じるね。(笑)

添付ファイルで痴態を晒された島谷香織が、自殺を図ろうと高所に上る。
それを下から見上げていた増田米尊、下着の色について説教を始めるのである。
ブラック・ユーモアというのか、このシーンは秀逸だよね!
的外れに聞こえるけれど、気をそらすには「もってこい」の話題だったはず。
ところが島谷香織は身を投げてしまうのだ。
果たして本当に自殺だったのだろうか?

この章で注目したいのは「ハイパーソニック・サウンド」について説明されているところ。
環境省のページによると、人間の耳では聴き取れない超高周波を体感することにより、リラックス効果を得ることができるという。
楽器ではガムランや尺八、場所では熱帯雨林に超高周波成分が含まれているんだって。 
ジャワ島のジャングルに行ったことはあるけれど、リラックス効果を得た覚えはないな。(笑) 
昨年ROCKHURRAHと一緒に西東京方面に出かけて、アウトドアの真似事(?)を経験した時には開放的な気分になり、心身ともにリフレッシュできたっけ。
あれが「ハイパーソニック・エフェクト」なのかもしれないね?
1 / fゆらぎ、また体験したいなあ!(笑) 

この章で衝撃的だったのは、増田米尊を興奮状態にさせるために、千田自らスカートをたくし上げ、下着とヒップを見せつけるところ!
さすがに増田米尊を研究しているだけあって、ツボを心得てるよね。(笑)
千田の作戦は見事に成功し、 増田米尊は「変態ちゃん」と呼ばれながら天才科学者に完全変態する。
そしてまた事件の謎を解き明かすのである。
完全変態した増田米尊が、同類と思しき谷村刑事を「たわけ!」呼ばわりし、変態レベルに差があることを叱責するシーンが印象的だね。
なんだかこれってジョン・ウォーターズ監督の映画「ピンク・フラミンゴ(原題:Pink Flamingos 1972年)」で、「お下劣世界一」を競い合っている感覚に近いような?(笑)

四つの狂気 無変態に関する補足

最終章で、突然探偵である星野万太郎が登場する。
星野万太郎は「爆発的」や「逆説的」でお馴染みのキャラクターなんだよね。
このチャプターで大団円、一件落着なのでキモには触れないことにしよう。
SNAKEPIPEもクロちゃんと友達になりたいな、と思ったことだけ書いておこうかな。(笑) 

「官能的」は、 増田米尊が天才科学者へ変態することにより、謎解きする趣向なんだけど、その解き方がなんとも奇天烈なんだよね。
数学的な理論に加えダジャレや「こじつけ」から解答を得る、前代未聞の方法が素晴らしい!
そして今中、三沢、牛島、都、小松、李、藤波、正岡、木俣という登場人物の名前が、全て中日ドラゴンズに関係した名前のようなんだけど、違うかな?

久しぶりに「官能的」を読み返し、 改めて増田米尊という濃いキャラクターに魅力を感じたよ。
ということはやっぱりSNAKEPIPEも「変態」の仲間なのかもしれないね。(笑)

好き好きアーツ!#54 DAVID LYNCH_hommage videos

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【「What did Jack do?」はNetflixで鑑賞できるよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

自宅待機でのゴールデンウィークも終わり、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ROCKHURRAH RECORDSでも、休みの間は食材調達以外ひきこもりの毎日。
って、普段とあまり変わってないんだけどね。(笑)
元々インドア派のため、外に出られない苦痛を感じることはないのが救いかも。
美術館や展覧会に行かれないところが残念だけどね。

自宅にいてできることと言えば、ネットでの検索やDVDの鑑賞だよね。
このゴールデンウィークで一番の出来事といえば、ついにNetflixに手を出したこと!
遅い、と思われるのは十分承知している。
特にROCKHURRAH RECORDSはインドア派なのにね。(笑)
きっかけは「攻殻機動隊 SAC_2045」の配信を知ったから!
ROCKHURRAH RECORDS自宅のテレビは、Netflix対応ではないため、何かしらのデバイスがないとNetflixを観ることができない環境なんだよね。
調べてみるとamazonのFire TV Stickが手軽なので急遽入手し、Netflixに入会を決断したSNAKEPIPE。
呆気にとられているROCKHURRAHを横目に、テキパキと入会手続きを済ませる。
無事に「攻殻機動隊 SAC_2045」を鑑賞することができたのである!

かつてWOWOWに入会した時は「ツイン・ピークス」が観たかったのが理由で、Netflixは攻殻機動隊。
「どうしても」というきっかけが必要なのかもしれないね。(笑)
「攻殻機動隊 SAC_2045」は相変わらず面白くて、つい連続して鑑賞してしまった。
ゴールデンウィークだから良いことにしよう!(笑)
今回の配信はシーズン1で、トグサはどうなっちゃうの?というところで終わってしまった。
シーズン2の配信はいつになるんだろう?
今からとても楽しみだよ!(笑)

今回のブログは前フリとは関係なく、ネットで見つけた動画を紹介していこう。
ふと気付くと「リンチは何かやっていないか」と検索してしまうんだよね。
リンチとは言わずもがな、映画監督でアーティストのデヴィッド・リンチね。
リンチの動画もあるけれど、リンチっぽく作っている動画にも興味深い物がある。
ということで「リンチへのオマージュ作品」を紹介したいと思う。
きっとこの方々も、SNAKEPIPEと同様にリンチアンに違いないからね!(笑)

最初に紹介するのはワシントンDC在住のイラストレーター、アニメーターのJackie Lay
どうやら「The Atlantic」というアメリカの雑誌(ウェブ版もあり)が企画したショート・アニメとのこと。
2008年に「アイディアはどこから湧いてくるのか」という、リンチへのインタビューがもとになっているらしい。 
だからナレーションがリンチなんだね!
色合いがとても美しくて、次のシーンへ連続していくシーンの滑らかさに目を見張る。 
「ブルーベルベット」や「ツイン・ピークス」のシーンも出てきて嬉しい限り!(笑)
要点を拾ってみようか。
「アイディアはどこにでもある」
「その抽象的な断片を集めること」
結局はアイディアを見つけるための嗅覚を持ち、集めたアイディアを構築する創造性が必要ってことだよね。
それができる人がアーティストだと思うんだけど。(笑)

続いての動画はこちら!
これ、リンチのコーヒー用CMなんだけどね。
まるでリンチの映画そのものだけどリンチじゃない!(笑)
ちゃんと「This film was NOT made by David Lynch(これはリンチの作品ではありません)」って書いてるし。 
それでは作者は一体誰?
YouTubeに載っているのはbranan edgensという方。
ニューヨーク州ブルックリン在住の映像に関係した仕事をしている人みたいね。
リンチとリンチ監修コーヒーの大ファンらしくて、このCMを作成したようで。
わざわざ「これを観たらリンチ・コーヒー買ってね」とまで言ってるんだよね。
対象へのクローズアップ、照明の使い方、映像や音声の逆回しなど、リンチの特徴をうまく捉えていてニヤリとさせられる。(笑)
「リンチ風」の作品は多いけれど、このコーヒーCMはレベル高いね!

これはゲームなのかな?
タイトルに「ブルー・ベルベット」と書かれているんだけど、ピストル撃ってる人が誰なのか謎。
マイクの前で歌うのはイザベラ・ロッセリーニ演じるドロシーがモデルとわかるし、曲はサントラそのまま使用してるね。
エンドロールで「Shamus Media Arts 」が作ったと書かれているよ。 
写真を専門にしている方のようだけど、それ以外の詳しい情報を得ることはできなかった。 
「ブルー・ベルベット」が好き、ということは間違いなさそう。(笑)
せっかくなら、デニス・ホッパーが怪演したフランクに似せたキャラクターを登場させて欲しかったよね!

続いてはFlying Lotusとのコラボで出演しているリンチの映像ね。
(ここからカタカナ表記)フライング・ロータスについて、全く知らないSNAKEPIPEなので調べてみる。
カリフォルニア生まれの音楽プロデューサーで、実験的なテクノ系ということが分かった。
ジャンルでいうと何になるんだろうね?
どうしてリンチをゲストとして呼んだのか不明だけど、電子音楽つながりと考えると納得できるかな。
「Fire Is Coming」というタイトルをリンチがリピートするシーンが怖い!
確かにそのタイトルは「いかにも」だけどね。
それにしても、リンチが着ぐるみとは!(笑)
思わず笑ってしまったよ。 

最後はこの動画を紹介しようね!
これは全体で19分以上ある動画なので、リンチに興味がある人以外は観ないかも?
リンチが料理をするという貴重映像なので、SNAKEPIPEは楽しんだよ!(笑)
調理するのは、スーパーフードとして名高いキヌア。 
鍋を用意し、沸騰させた塩水にキヌアを入れ、時間通りに茹でる。
時間より少し前にブロッコリーを入れ、野菜ブイヨンで味付け。
茹で上がったらボウルに盛り付け、しょうゆとオリーブ・エクストラ・バージン・オイルを混ぜたら出来上がり!

茹でる時間を待つ間に、赤ワインを飲み、外でタバコを吸いながら思い出話を語るリンチ。
1965年8月の初め頃、ギリシャからパリに向かう電車で、途中のユーゴスラビア(当時の国名)に一時停車したときのこと。
飲み物を買いに出ると、そこには緑や赤、黄色などに着色された砂糖水が売られていて、飲み物売りの周りには埃が舞い、リンチは奇妙な風の音を聞いたという。 
電車には国籍不明の少女がいて、コカ・コーラを飲んだことがないと聞き、驚く。
ユーゴスラビアには売られていなかったようで、ベニスに着いたら買ってあげると約束し、実行したらしい。
当時のリンチは21歳くらいかな?
そんなリンチの思い出話を聞くことができてファンにとっては、たまらないね!(笑)
そうこうしているうちにキヌアが出来上がるんだけど、リンチのエライところを発見したよ。
料理してる時でもスーツを着て、更に使った鍋をちゃんと洗っているところ!
知らなかったリンチの側面が観られて良いね。
もっと英語力つけないと。(笑) 

トップに載せた画像は、2017年にリンチが個展を開いたパリのカルティエ現代美術財団で初上映された「WHAT DID JACK DO? (ジャックは一体何をした?)」のワンシーン。
それから3年経った2020年、リンチ自身の誕生日である1月20日にNetflixで公開された作品なんだよね。
ニュースを知った時には「またNetflix独占なんだ」と、悔しい思いをしたSNAKEPIPE。
今はもう観られるので、早速鑑賞する。 
刑事役のリンチ本人と犯人役の猿、名前はジャック。
猿の恋人が雌鳥!(笑)
リンチの初期作品を思わせるモノクロームで、いかにもリンチらしい。
作品を鑑賞できてホクホク顔のSNAKEPIPEだよ!

今回はリンチ関連動画と、知られざるリンチが鑑賞できる動画を紹介してみたよ!
当然ながら一番喜んでいるのはSNAKEPIPE。(笑)
Netflixもあるし、家にいるのは楽しいね! 

 

ニッチ用美術館 第6回

【前回と色合い、音楽が違うだけ。次はもっとがんばります】

ROCKHURRAH WROTE:

久しぶりに登場するROCKHURRAHだよ。
3/1以降全く書いてなかったからね。

「ステイホーム」などと言われて久しいが、ROCKHURRAHは毎日どうしても外に出なきゃいけない業種なので、人との接触を7〜8割減など到底出来ないのが恨めしい。
本当は家でやることいっぱいあるし、ステイホーム大好きなのにね。「家にいなきゃならない」なんて言ってる人たちが羨ましいよ。
5/2からはGWでようやくゆっくり出来ると喜んでる。

ニュースで毎日のように渋谷の街は人が激減とか電車はガラガラなどと報じているけど、ウチの近所なんていつもと全然変わらない状況。朝にはアクティブ・シニアたちのウォーキングやジョギング、バス待ちの行列、スーパーはどこに行っても人で溢れかえっているよ。自粛なんてあったもんじゃない。
こんなに無防備な人々が何でマスクだけは目の色変えて欲しがるのか、理解に苦しむよ。

さて、これまた久々、ROCKHURRAHが独自のセレクトでレコード・ジャケットを展示するシリーズ企画「ニッチ用美術館」の6回目を開催してみよう。
ステイホームでヒマだからってROCKHURRAHのブログを読んでる人はほぼいないとは思うけど、一応説明しておこう。
このシリーズ企画は1970年代のパンクや80年代のニュー・ウェイブばかりを今でもずっと聴き続けて語り続ける変人、ROCKHURRAHが「何かちょっといいぞ」と気になったレコードのジャケットを美術館っぽい展示でいいかげんなコメントをするだけというもの。
時代の隙間に埋もれてしまったようなバンドも取り上げるし、美術と80年代音楽文化の狭間を埋める、などという意味合いを込めてニッチ用などとタイトルにつけたが、その内容はどうだろうか?ヒマと興味のある方はぜひ読んでみてね。

今回の「ニッチ用美術館」では、マネじゃないけど偶然似てしまった雰囲気のジャケットを特集してみたので、同じチャプターの中に2つ(場合によっては3つ)のジャケットを展示しているという趣向。

ROOM1 睛眸の美学 

睛眸は「せいぼう」と読み、瞳や黒目の事らしい。うーむ、ROCKHURRAHもそうだが、この歳になるまでこんな漢字書いた事ないよって人も多いに違いないし、たぶん日常的には使わないはずだよね。
「睛眸スデニ輝キヲ失匕ケリ」などとどこかの文豪が書いてそうだけど原典は不明。
そんな睛眸を自分たちのキャラクターでうまく表現したジャケットがこれ、1980年に発表されたレジデンツの「Commercial Album」だ。向かい合ってる人の目玉が実はメンバーの顔だったっていうデザインだけど、いちいち書かなくてもわかるか。

現在では謎の覆面集団として名を知られるバンドだがその歴史は1960年代後半から始まっていて、詳しい歴史はWikipediaあたりで調べてみればすぐにわかるだろう、などと最初からいきなりの説明放棄でいいのか?この企画?
ROCKHURRAHはリアルタイム(初期は70年代)ではさすがに聴いてないけど、まだレジデンツについてあまり人が語ってないくらいの時代には何枚か持っていた。
どちらかというとアメリカよりもイギリスの音楽に興味があったROCKHURRAH(当時まだ少年)だが、レジデンツやペル・ユビュ、リディア・ランチにコントーションズなどは早くから注目しててアメリカ嫌いなわけではない。ポップなものもアヴァンギャルドなものも同時進行で愛してきたから、この頃の音楽的嗜好はしっちゃかめっちゃかだったな。まあそれこそがニュー・ウェイブ初期を通過した人たち共通の思い出だと言える。とにかく情報が少なかったからレコード探しも当たりを引くかどうかの博打みたいなもんだったからね。

レジデンツの音楽を最初に聴いた時は従来のロックとは明らかに違うとは感じたが、そこまで前衛的だと思わずにすんなりと受け入れてしまった。元々プログレとかロクに知りもしないくせに聴いてたような子供だったから、ロック的にはこうあるべしという固定観念もなかったのが逆に良かったんだろう。

ペル・ユビュやレジデンツはカセットテープに録音して、ヤマハのスクーターに乗り誰もいない工業地帯の空き地に出かけて、ヘッドフォンで一人聴きながら過ごしていたもんだよ。
色んな記憶をなくしてしまったけど、あの時の空も服装もなぜだか今でも覚えてるのが不思議。

テープ・コラージュによる奇妙でアンバランスな、断片的とも思える楽曲は既存の商業ロックを嘲笑うような毒々しさに溢れていたけど、強烈なノイズとかではなかったからソフトな主旋律だけが脳に残るような感じ?
表現力が乏しいから陳腐で意味不明だけど、何十年も経った今でも彼らの曲を口ずさむ事が出来るのは、やっぱり強いインパクトがあったからだろうな。

「Commercial Album」はレジデンツの中では聴きやすいとされてるアルバムで、1分の曲が40曲入った架空のCMソング集みたいな感じ。上のビデオはおそらくオフシャルなものじゃなくてアップロードした人のオリジナルなのかどこかから集めたものなのか出典が不明なんだけど、アニメーションがきれいで気に入ったよ。
視聴回数が今日の時点で85回、チャンネル登録者数22人しかいなくて不憫だから、YouTubeに飛んで(リンクして)ぜひ全曲観ていただきたいものだ。
おっと、久しぶりにブログ書いたから自分がどんな語り口だったのか忘れてしまって、大真面目に語ってしまった。あの時の空は覚えてるくせにね。

西川きよしもビックリのこの睛眸、これもインパクト大のジャケットだな。
目玉飛び出たキャラクターが最も登場する漫画と言えば日野日出志が日本一だと思うが、子供の時は夢に出てくるほど怖い漫画をよく読んでいたな。楳図かずおとどっちが怖いか、などと友達と真剣に議論していたのも思い出す。
日野日出志はギャグ漫画的な絵柄なのに不気味でグロくて怖い話というギャップがあり、そのバッド・テイストを愛好する人も多かったよね。
人の名前や色んな事をすぐに忘れてしまうROCKHURRAHだが、「蔵六の奇病」や「幻色の孤島」「毒虫小僧」など今でもスラスラタイトルが出てくるという事は、それだけインパクトが強かったってわけだね。個人的にはちょっと地味だが「百貫目」とか、本当にあったかも知れないなと思える話が好きだったけど、うむ、自分でもさっきから気づいていたがこの思い出話に睛眸要素はひとつもなし。ついでにニッチ用美術館でアート的に語る要素もなし。
しかも冷静に見れば目玉ビョッコリ以外は特に似てもいないかな。

そんな不気味なジャケットで話題となったのが、1984年に発表されたエイリアン・セックス・フィーンドの2ndアルバム「Acid Bath」だ。その前後にカセット・テープでの作品をいくつか出してるけどね。
カセットをダビングするのは大変と思うけど、たぶん何百本とか作ってライブ会場やレコード屋に頼んで売ってたりしたんだろうな。この時代のインディーズ・バンドはこういう地道な活動でファンを増やしてたもんだよ。
エイリアン・セックス・フィーンドは1980年代前半にイギリスの音楽シーンで大流行したポジティブ・パンクの代表的なルックスと音楽性を持ったバンドだった。
ポジティブ・パンクという言葉自体が誰かが勝手につけた名称で、同じ音楽性を指す言葉も例えばゴシックだのダーク・サイケ、ダーク・ウェイブだの、ちょっとずつニュアンスは違うんだろうが複数存在してるのがややこしい。
日本では略しやすいからかポジティブ・パンク、ポジパンとみんな言ってたな。
当時を知る人には説明の必要もないが死体やゾンビのような白塗りメイクで不健康、退廃の極みといった雰囲気を持ち、多くのバンドは反キリスト教っぽい歌、ジャケットやバンド名のロゴなどもワザと不気味なモチーフ。こういうバンドが数多く現れてきてブームを作っていった。セックス・ギャング・チルドレンやサザン・デス・カルト、ヴァージン・プルーンズやスペシメンなどなど。

ROCKHURRAHはヴィジュアル的にこういうバンドのマネをした事はないが、元々ホラー映画など不吉大好きな傾向があったから、すごーくのめり込んでこのジャンルを片っ端から集めまくっていたな。本当は上に挙げたバンド名の何倍も、この手の音楽のものはとりあえず買っていたくらい。
白塗りメイクじゃないバンドもこのジャンルにはいたし、同時期に同じようなゾンビ・メイクでサイコビリーのいくつかのバンドも活動してたから、初心者にとってはますますわかりにくいジャンルだったな。

ポジパンがイギリスでブームになった一因は、ロンドンにあったバットケイブというクラブにそれ系の人が集結していたというのが大きいと思う。元はアンワンテッド(カタカナで書くと情けない)というパンク・バンドにいたスペシメンのオリーやそのメンバーが主催していたポジパンの一大聖地、そこに行けばポジパン界のスター達を間近で見れるというならファンは地方からも詰めかけるに違いない。
バットケイブに集っていたバンドのコンピレーション「Batcave Young Limbs And Numb Hymns」というレコードが出てて愛聴していたが、その中にもこのバンドは収録されていたな。
個人的にはヴォーカリストののっぺらした長い顔が嫌いでエイリアン・セックス・フィーンドはあまり好きなバンドではなかったけど、日本ではポジパンの代表バンドみたいな扱いでなぜか人気が高かった。
ビデオも新宿のツバキハウスでのライブ映像だが、ゴシックともポジパンとも言いかねる普通の聴衆に囲まれて勝手が違う様子。しかしライブは思ったよりちゃんとしてて、さすが百戦錬磨の外タレだな。
しかし熱演してるのに悪いが、美形ヴォーカリストが多いポジパンの中では異質に感じてしまうよ。
間延びした顔とパンダ目と白塗り化粧により、カッコ良さを通り越して滑稽さ、不気味さが際立ってるよね。

おっと、久しぶりに書いたからこの企画がどういうのだったか忘れて、いつもと同じような調子で書いてしまったよ。美術館的要素もほとんどないと思えるが、ROCKHURRAHの書くものはいつもワンパターンだと思ってれば間違いなし(偉そう)。

ROOM2 伯纳德の美学

どう見ても日本で普通に使われる漢字じゃないから「読めん!」のも当たり前だとは思うが、これは中国語で書いた人名ベルナール(またはバーナード)の事らしい。日本では外人の名前はカタカナにするけど中国では当て字や独自の漢字を用いるからね。ベルの部分がベルリン(伯林)と同じなのはわかるけど。
第5回の記事でアンナ・ドミノを書いた時に苦し紛れで中国表記を使ったのと同じパターンだな。
SNAKEPIPE MUSEUM #02 Bernard Faucon」でも書かれていたフランスの写真家ベルナール・フォーコン(フォコン)の作品がそのまんまジャケットに使われているのがこれ。ROCKHURRAHは個人的には写真家について詳しくはないが、写真の道を志していたSNAKEPIPEの話やブログで知った一人がベルナール・フォーコンだった。少年のマネキンを使って日常的、あるいはちょっと非日常的な光景を撮った写真で有名らしい。
後ろが火事なのに談笑してる子供というシチュエーションがどういう意図なのかはわからないけど、無邪気な子どもたちというよりは、三島由紀夫の「午後の曳航」に出てくる少年たちを思い出したよ。え?知らない?自分で調べなさい。

最近の子はどうか知らないけど、ROCKHURRAHが子供の頃はG・I・ジョーという米軍兵士のアクション・フィギュアが流行っていて、これで遊んだって人も多いと思う。これが高かったのかコンバットに興味なかったのか覚えてないが、ROCKHURRAHはタカラが出してた変身サイボーグという亜流のおもちゃで遊んでいた。全身が可動するのは一緒だが本体は透明になってて、これに例えばウルトラマンとかの着ぐるみを着せて変身するというシロモノ。ちょっと伸びるビニールかゴムかの素材で出来たピッタリのスーツは着せるのも脱がすのも一苦労で、確か無理やり脱がそうとして生地が破れた情けない思い出があるよ。

ちなみにずっと後にはミリタリーに傾倒するROCKHURRAHだが、この当時は兵士ではなくモデルガンに興味があった。コルト・キャバルリーや357マグナム、南部十四年式やベレッタという意味不明の傾向(時代も国もバラバラ)で集めたモデルガンをぶっ放したり、わざわざ福岡のMGC(というモデルガン・メーカーの直営店?があった)まで買いに行ったりしてたもんな。 ん?思い出話はもういい?

ベルナール・フォーコンの作品のアート的主題とかについては漠然とわかる気はするが説明する気はない。
ただG・I・ジョーを実物大の球体関節人形にしたら、ROCKHURRAHでもこういう着せ替え遊びをしたり写真も撮るだろうな、という衝動はあるよ。周りの人がもっともらしく意図を考えるけど、アーティスト自身は案外遊びの延長だったりするかな、とも思う。

そんな伯纳德の写真が発表されたのと同時期にジャケットに採用したフランスのバンドがJoli Garçon、1980年リリースの「Tarawa Pacifique 」というアルバム。バンド名はジョリ・ギャルソンでいいのかな?
フランス語でかわいい少年というような意味だからジャケットそのまんまだね。ベルナール・フォーコンの作品がどういう経緯でこのバンドのジャケットに使われたかは全く不明だけど、割と有名な写真作品をほぼリアルタイムで使用するとは贅沢だね。その心意気の割には世間的にはたぶん知られてないバンドのまま終わったっぽいし、アルバムもこの1枚のみしか出してない。

フランスは元々ロックがあまり根付いてない国という印象があるから、従来のロック的なものを排除したようなタイプのニュー・ウェイブが好まれるのかも知れない。このバンドを聴いた印象はフランスのパンクの延長とかフレンチ・ミュージックのニュー・ウェイブ的解釈と言うよりは、もっと無国籍などっかの歌謡曲をニュー・ウェイブ風にアレンジしたみたいに感じたよ。
悪い意味ではなくてイギリスのニュー・ウェイブを聴き慣れた耳には新鮮だとは思った。
しかし演奏に自信あるのか知らないが曲によってはイントロや間奏がちょっと長めで、そこが冗長で人気バンドになれなかった原因かもね。

本家が出てしまった後ではちょっと苦しいが、同じようにマネキンを使ったジャケットないかと思って探したらこれが見つかった。
1983年に発表されたゼルダの2ndアルバム「Carnaval 」だ。
単にマネキン使って外で撮影してるところが共通点なだけで「偶然似てしまった雰囲気のジャケット」というほどではないけど、ROCKHURRAHの情報収集能力なんてせいぜいこの程度。

日本のパンクやニュー・ウェイブには疎いROCKHURRAHなんだが、ゼルダもバンド名やメンバーの顔は知ってても曲の方はあまり印象にない(この当時)というのが正直なところだった。
メンバー全員女性のバンドで演奏面でのハンディキャップとかあるだろうに、長く第一線で活動して支持されてきたという事実は揺るぎないし、この世代で日本のガールズ・バンドと言えば必ず名前が出てくるのも間違いない。 革新的なものに目を奪われがちのニュー・ウェイブの世界だったが、代表的に生きるというのも難しい事だと思うよ。

代表的なだけに残ってる映像も多いんだが、なぜか「Carnaval 」からの動いてる映像があまりなかった。
これは大貫憲章とNOKKOが司会やってたTV番組のもの。ゼルダと言えば確かにこういう服装でこういう帽子だったなと記憶がよみがえる。ついでに大貫憲章もこういう帽子がトレードマークだったな。
懐かしき黄金時代の80年代だね。

ROOM3 經緯の美学

今回は自粛とか言って二つ目までのチャプターで許して貰おうかと思ったけど、最後がゼルダじゃROCKHURRAHらしくない、などと思って無理してしまった。
久々に出かける用事もない連休だから、もう少し頑張るか。

經緯と書いて「けいい」と読む、あるいは「いきさつ」では当たり前すぎるのであまり一般的じゃないこの読み方を敢えてしてみよう。一般的じゃないと書いたものの、元々は織物で使われる用語でこれを「たてぬき」と読むらしい。こっちの方がオリジナルだったとは。
そう言えば地球の縦横には経度、緯度などという見えない線が引かれてるようだがこれも經緯だな。

日本では縦書きも横書きも漢字もカタカナもひらがなもあり、文字にとっては万能の便利な国だけど、外国人にとってはややこしいに違いない。英米でも縦の看板には英語が縦書きされてはいるけど。
この縦横文字を効果的に使ったのは市川崑監督の横溝正史シリーズがよく知られてるね。あの時代には斬新でスタイリッシュに見えたし、影響を受けたエヴァンゲリオンとかでもさらに多くの人に知られた。うーむ、それさえもすでに20年以上昔の話か・・・。 

そんな經緯をうまくあしらったジャケットと言えばこれ、1979年に発表されたクラッシュの3rdアルバム「London Calling」と言いたいが、多くの人が知る元ネタは1956年、エルヴィス・プレスリーのこのレコードだろう。ただ、たしなみとしてプレスリーを多少は知ってても、ウチの専門はパンク/ニュー・ウェイブだからこれを語るのはちょっと違う。
オリジナルをすっ飛ばしてクラッシュの方から語らせてもらおう。
ってほど語る内容もないよう。
誰でも知ってるパンクの王道音楽だから敢えてヒネたROCKHURRAHが語るような切り口も見当たらないなあ、家でSNAKEPIPEとは語っているけどね。ROCKHURRAH家はいつまでも時が止まった80年代で羨ましかろう?
一部でしか知られてないがある方面では絶大な人気を誇った漫画家、桜玉吉の漫画に精神を患った作者本人と担当者が突然、「PILのライブ行ってきた?」というような今が80年代真っ盛りみたいなギャグが始まって大いに受けたのを覚えてる。患ってるから現実逃避して、楽しかった80年代にトリップしてるという見事な描写なんだが、事情を知らない人からは「何これ?」と言われるようなカルトな魅力を持ってたな。ウチの場合はナチュラルに80年代会話が出来るからそれが素晴らしい。

ROCKHURRAHがまだパンクにのめり込んでいた少年だった頃。
レコードは買ったり図書館の視聴覚室に行って聴いたりしたけど、一番苦労したのがファッション面だった。住んでいた北九州の小倉はパンクな服などまだ手に入らず、自分で破いたり染めたり、かなり情けないパンクのつもり少年だった。この辺が金さえ出せば一応それっぽいパンクな身なりになれる東京との大いな温度差だと思ってた。地方のコンプレックスというヤツだね。
そんな小倉の旦過市場横、80年代くらいの話で今の小倉とは大きく違うはずだがゼマック・ホラヤという紳士服チェーン店があり、入り口の横を曲がった先に古い靴屋があった。そこの店先に店のオリジナルっぽい理想的なラバーソールの靴が置いてあり、ずっと憧れていたのを思い出す。その当時でも福岡に行けば確かどこかでロボットのラバーソールが手に入ったはずだが、それよりも遥かにデザイン的に優れていた。
かなり高かったから憧れていても結局買う事はなかったけど、地方の田舎町のおっさんしか行かないような店でなぜラバーソールが置かれていたのか不思議。

話が各方面に飛んでROCKHURRAHの脳内經緯がわからない人には意味不明だろうが、連想が連想を生んだ先だけを突然言い出すのでそうとうに理解されないタイプだろうな。やっぱり何か患ってるのかもね。

「London Calling」はパンク史上に残る名盤だとは思うが、個人的には1stや2ndの方がが好きだ。などと言ってはこの企画が成り立たないからこのビデオをチョイスした。
これは1982年に中野サンプラザで行われた来日公演の模様。何と当時、NHKの番組でTV放送したという伝説の映像だ。ROCKHURRAHも実家のビデオで録画して持ってたが、β規格が廃れてから再生出来る機器がなく、いつのまにか消失してしまったな。
労働組合か運動会で使いそうな「団結」の鉢巻き、ジョー・ストラマーが巻くとこれさえもカッコ良く見えてしまうのがクラッシュのすごいところ。 

クラッシュのジャケットは各方面に絶大な影響を与え、これをマネしたりパロったジャケットも色々出てきた。探せば他にもたくさんありそうだけど、本日の展示はこれでおしまいとする。
1995年に発表されたレッド・ホット・ロッキン・フッドのシングル「Red Hot Warrior」が題材の秀逸さでは一番だと思ってるよ。重量物のウッドベースだからインパクトも強烈。この後本当に打ち壊したのか?それは不明だがROCKHURRAHだったら勿体なくて出来ないな。

 レッド・ホット・ロッキン・フッドは1990年代後半に大活躍した日本のサイコビリー・ミクスチャー・バンドだったが、メンバー全員が後に別のバンドで活躍したというインディーズ界のスーパー・バンド。
日本ラスティック界の大御所、東京スカンクスから影響を受けて始まったというこのバンドは高速スラップ・ベースと何を言ってるのか聞き取れないふざけた歌い方、スカンクスにはない爆音ギターなどの要素がうまくミックスされて、その筋では大人気だった。うーむ、しかしこれもまた20年以上前の話。月日が経つのは早いね。

「ドクターペッパー」はノリやすく大合唱しやすいから大人気の曲。ちょうど彼らが活躍してた頃にROCKHURRAHは東京にいなかったから、ライブには行けなかったのが悔やまれる。上のジャケットのシングルとアルバムでヴァージョンが違ってるけど、どちらも最高。

以上、今回はひとつのチャプターで2つのバンドを書いたから疲れたし、ニッチ用美術館の企画自体がかなり面倒ではあるけど、自分でも好きなシリーズだから、また書いてゆきたいよ。

ではまた、DaH jImej !(クリンゴン語で「さよなら」)