収集狂時代 第16巻 BALENCIAGA編

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【パパラッチから追われるセレブを演出した広告】

SNAKEPIPE WROTE:

今回の「収集狂時代」も世界的に有名なハイ・ブランドを特集しよう!
1914年にバスク系スペイン人のクリストバル・バレンシアガによって設立された、ファッション・ブランドであるバレンシアガ。
スペイン内戦の影響により、パリに本店を移転させたらしい。
ハリウッド女優やセレブから人気のブランドなんだって?
確か長年来の友人Mは、バレンシアガのバッグをいくつか所持していたような?
ハイ・ブランドについて名前は聞いたことがあっても、全く詳しくないSNAKEPIPE。
その手のショップでお買い物している方からは呆れられるかも。(笑)

最初に検索で目を引いたのが、この厚底シューズ。
クロックスが発売し、大人気となったサンダルに「BALENCIAGA」って書いてあるよ?
これは本当に「あのバレンシアガ」の商品なのかしら。
調べてみると、正真正銘バレンシアガだと判明!(笑)
「form」という名前で10cmの厚底仕様、更に花やロゴなどをピンで留めてアレンジできるという。
お値段はサイトによって様々だったけれど、一番高くて10万円ほど。
SNAKEPIPEが思っていたバレンシアガのイメージがかなり変わったよ。

もしかしたら他にも面白いアイテムがあるんじゃないの?
次に見つけたのがこれ!
なんとパンツと靴が一体化した商品なんだよね。(笑)
これはオシャレというより、舞台衣装のように見えてしまうよ。
パンツと靴が合わさっているので「pantashoes」とネーミングされているらしい。
ちょっと安直、と感じてしまうのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
しかもパンツの裾直しはできないので、画像のモデルと同じくらいの足の長い人限定商品!
お値段$2,850、日本円で約30万6,000円。
洗濯がどうなるのか非常に気になるところだけど、足の長いお金持ちは1回着たら満足なのかな?(笑)

バレンシアガ面白いかも、と検索と続けると出てきたのがこれ!
パンプスなのに、スポーツ系に見えてしまうよね。
「lego shoes」とネーミングされているみたいよ。
結構見たまんまの名前が多いような?(笑)
アイテムのミクスチャーが面白いけど、どんなファッションに合うのか考えてしまうね。
スポーツ・ウェアとのコーディネートが一番なのかも。
気になるお値段は2007年の発売時で$4,175、日本円で約44万8,000円!
人とは違うファッションにこだわりがある人なら、持っておきたい一足だよね。(笑)

「lego shoes」に近い雰囲気の靴を発見!
様々な素材をコラージュした、まるで建築のようなデザインなんだよね。
そのせいか「Architectural Shoes」と呼ばれているみたい。 
異素材を組み合わせたアート作品みたいじゃない?
こんなデザインを発表しているとは、バレンシアガ恐るべし!
お値段を調べていたけれど、情報が出てこなかったんだよね。
もしかしたらコレクションで発表されたけれど、 商品化はされなかったとか?
お値段ご存知の方は、教えてください!

このスカートもまさかアート作品風?
車のゴム・マットをアップサイクルしてスカートにしてるんだよね? 
「car design skirt」って名前もついてるし。
素材はゴムかと思いきや、100%ラムスキンだって。
わざわざゴム・マットに見えるように仕上げてるってことね。(笑)
お値段$2,300、日本円で約24万7,000円!
「ゴム・マットで代用すれば?」のような記事がいくつかあったけれど、バレンシアガがやるから良いんだろうね?

最後はこちら!
画像を見た時には目を疑ったSNAKEPIPE。
何かのおふざけかと思ってしまうのも無理はないよね?
マクドナルドで販売されているフライド・ポテトのパッケージをそのまま使用した靴だよ!
バレンシアガで検索してヒットするとはどういうことだろう。
なんと本当にこの靴はバレンシアガの商品で、「MCBALENCIAGA」と名前がついているんだとか。
お値段は$530、日本円で約5万6,000円!
完売という記事があったけれど、みんな本当に買ったのかな?
それにしてもこの靴を商品化したバレンシアガ、本当にすごいよね!(笑)

ハイ・ブランドの「ちょっと奇妙に感じる」商品が意外と多いことが分かるね。
バレンシアガは、持っていたイメージと大きく違うことが判明して、とても面白かったよ。
今回は靴を中心に紹介したので、別のアイテムも探してみようかな。
次回をお楽しみに! 

SNAKEPIPE MUSEUM #55 Murugiah

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【adobe creative cloudで紹介されたMURUGIAHの作品】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMは、スリランカ人アーティストを紹介しよう。
かつて南アフリカやエジプトのアーティストについて書いたことはあったけれど、インドやパキスタンといった南アジアから選出したことはなかったよね。
恐らく好みの作品はあるんだろうけれど、情報収集が難しいんだろうね。
祝!初・南アジア!(笑)
アーティストの名前はSharmelan(Sharm) Murugiah 、カタカナ表記ではシャルメラン(シャルム)・ムルギアと書いていこう。

まずはプロフィールから。

どうやらムルギアが生まれる前に両親はイギリスに移住していたようで。 
お父さんが医者とのことなので、イギリスに渡る何かしらの理由があったんだろうね。
そのためムルギアは生まれも育ちもロンドンだという。
子供の頃からバンド・デシネに親しみ、メビウスの影響を受けているとのこと。
バンド・デシネとは、フランス・ベルギーなどを中心とした地域の漫画のことね。
元々は広告に関する仕事を目指していたようだけれど、その後建築の勉強を7年間したという。
その後自らのスタジオを立ち上げ、フリーのイラストレーターとして活躍している。
2014年にはD&AD賞を受賞。
D&AD(Design & Art Direction)とは1962年にイギリスで創立された非営利団体だという。
デザイン、広告、コミュニケーション、テクノロジー、フィルムにおける独創性を促し、支援することを目的に創設されたのがD&AD賞なんだね。
アップル、タイムアウト誌、ガーディアン誌、バラエティ誌、ディズニー、ルーカスフィルム、その他多くのクライアントのために作品を作成しているという。
錚々たる大企業が名前を連ねているので、ムルギアは人気のあるアーティストなんだね。

制作している様子が分かる動画を載せてみようか。 

ムルギアの作品はデジタル・アートになるんだろうね。
iPadに描いていたし、プリントもしてたし。
これからの時代は、こうしたタイプのアートが主流になるんだろうなあ。
SNAKEPIPEも描いてみたい!って思ったよ。
そしてムルギアはもっとアジア寄りの雰囲気なのかと思っていたのに、違ったわ。(笑)
英語も完全なネイティブだしね! 

そうは言ってもやっぱり自らの出自をエッセンスにしているようで。
まるで横尾忠則か!という雰囲気の作品だよね。(笑)
両サイドにはピラミッドのような三角形が並んでいるけれど、バックには家が描かれている。
一体何を意味しているのか不明だよ。
タイトルが分かれば、少しはヒントになったんだろうけど。
分かる人がいたら教えてください!

「First Leaf Falls」を直訳すると「最初に落ちた木の葉」って感じか?
タイトルの意味は不明だけれど、右の人物は地獄の獄卒、牛頭馬頭なのかなあ。
舌で構成されているような乗り物に乗ってるんだよね。
嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれると聞くので、現在舌集めの真っ最中なのかも。(笑)
左側にある謎の物体には、ドクロや半裸体の女性など仏教的なモチーフが描かれているね。
煩悩の塔?
もしくは解脱後の穏やかな姿なのかもしれないね。

この作品もアジアの雰囲気があるよね。
タイトルは「Del」だって。
DeleteのDelなのか、アメリカ陸軍の特殊部隊Delta Forceの略か?
もしくはGuillermo del Toro(ギレルモ・デル・トロ)監督のDelなのか?
実際にムルギアはデル・トロ監督の本にイラストを描いたことがあるそうなので、タイトルにつけてあってもおかしくないかも。(笑)
着物を着たピンクの象と蓮の花の上に座る猿のほかにも、様々な動物が描かれている。
「First Leaf Falls」と合わせて、まるで村上隆のようじゃない?
以前鑑賞した「五百羅漢図展」を思い出したよ!

「The Alchemist」は2018年の作品ね。
 タイトルの「錬金術師」を知らずとも、観た瞬間からホドロフスキー監督の「ホーリー・マウンテン(原題:The Holy Mountain 1973年)」を連想するよね!
実際ムルギアが「ホドロフスキー監督の映画からインスピレーションを得ている」と答えているインタビューもあったし。
ご存知の方は多いと思うけど、ホドロフスキーはバンド・デシネの原作者としても有名!
ムルギアが幼少期からバンド・デシネを読んでいた、という話は前に書いたよね。
ホドロフスキー原作のストーリーにメビウスが絵を担当した作品はたくさんあるので、自然な流れでホドロフスキーの映画鑑賞につながったんじゃないかと推測する。
中央に描かれている人物は、きっとホドロフスキーに違いないね。(笑)
水晶の中に捕らわれている人物や、竹馬に乗っている人の存在は意味不明だよ。
きっと錬金術に関係があるんだろうな。

脳天が割れて、棒が出てるよ!
「Dreamer」というタイトルなんだけど、「夢を見ている人」という以上の意味があるように深読みしてしまうね。
東洋的な顔立ちの少女(のように見える)は、少し笑みを浮かべ安らかな表情を見せている。
何本も引かれている直線は、落下の様子を表しているのだろうか。
まるで生から死に向かうような? 
仏教的な印象を受ける作品を観た後なので、余計にそう感じてしまう。 
この作品にはたくさんの葉っぱが舞っているんだけど、先に書いた地獄っぽい作品と関係あるのかな。

今まで観てきた極彩色とは違う雰囲気の作品。
「A Rebirth: The Decomposition of Walls That Resist」は直訳すると「再生:抵抗する壁の分解」だって。
迷路の中で、輪切りにされた人物が横たわっている。
輪切りの隙間からいたるところに伸びる腕は、苦しみを叫ぶ心の声なのか。
束縛から開放されようと、抗っている様子なのかもしれない。
解釈は様々だと思うけど、心象を扱っていることに間違いなさそう。

2020年の作品「Virus」は、まさに「今」を描いているよね。
ムルギアはどんな思いを込めて、この作品を制作したのだろう。
父親が医者である話は書いたよね。
どうやら家族の中にもう一人医療従事者がいるとのこと。
ウイルスと戦う家族を心配し、ワクチンが開発されることを願って描かれた作品だという。
美しい色使いなのでマスクがなかったら、コロナに関する絵だとは気付かなかったかもしれないね。

ムルギアの作品はシュールでサイケと評されることが多いみたい。
SNAKEPIPEは色彩の美しさに目を奪われたよ!
ホドロフスキーがお気に入りということで、好みの系統が似ている点にも注目だし。
デジタル・アートの展覧会、いつか観てみたいね!

好き好きアーツ!#56 鳥飼否宇 part23−パンダ探偵-

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【絶滅危惧種をモデルにしたアンディ・ウォーホル、1983年の作品】

SNAKEPIPE WROTE:

5月22日、恐る恐る郵便受けを確認する。
あっ!あったーーー!(笑)
2周間ほど前「官能的」 について書いた冒頭、「パンダ探偵」について触れたSNAKEPIPE。
ついに鳥飼先生の新作が発売されたのである。
ネット予約注文をしていたSNAKEPIPEは、発売日当日に自宅で受け取ることができ、満面の笑みを浮かべる。

パンダといえば。
上野動物園でパンダを見たことがないROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
動物園には行ったけれど、残念ながらパンダ不在だったんだよね。
ぎゃっ、11年も前のことだったとは!
ニュースなどで「パンダの赤ちゃん動画」などを見かけると
「かわいい〜!」
と2人で目を細め、ほっこりした気分になる。
癒し効果バツグンだよね!(笑)

SNAKEPIPEの長年来の友人Mは、黒柳徹子に負けないくらいパンダが大好きで、パンダが描かれたグッズを見つけると必ず駆け寄り、商品を手に取る。 
グッズを見つける度に毎回同じ行動を繰り返す友人Mの先手を打って、「ほらパンダ!」「あそこにも!」とパンダ探しに付き合うSNAKEPIPE。
結局悩んでも購入することはほとんどないんだけどね。(笑)

パンダはWorld Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)のシンボル・マークにもなっているよね。
地球上の生物の代表に選出されたと言っても過言ではないよ。
そして誰もが知っている動物ということになるんだね。
そんなかわいいパンダが探偵だって?(笑)

最初にタイトルを知った時、鳥飼先生の「昆虫探偵」を思い出したSNAKEPIPE。
「昆虫探偵」は、ある朝目覚めると人間から昆虫になっていたという、まるでカフカの「変身」のような書き出しから始まっていたね。
「パンダ探偵」に登場するナンナンは、変身することなく最初からジャイアントパンダだよ!
講談社のHPに載っているあらすじを転載させていただこう。 

「シロクロはっきりつけてやる!」
傍若無人に世界を支配していたヒトという種が絶滅して200年。
アフラシア共和国は動物たちのユートピアとなっていた。
ジャイアントパンダの若雄(わかもの)ナンナンは、先輩探偵であり、ライオンの父とトラの母から生まれたライガーのタイゴに憧れ、探偵事務所に所属することに! 
白黒ツートーンの動物誘拐事件、密室から消えた草食動物の干し草の謎、共和国大統領暗殺事件など、動物の国で起こる様々な事件に立ち向かう!

ユーラシア大陸とアフリカ大陸と呼ばれていた地域は、アフラシア共和国になっているんだね。
人間がウイルスによって絶滅した、なんてどこかで聞いたことがあるじゃない!
鳥飼先生がいつ構想を練られたのかは不明だけれど、予知能力をお持ちなのかもしれない。
もしくはタイムワープで直近の未来をご覧になったとか?

動物達は人類と同じように、いつしか二足歩行をして言葉を話す。
肉食動物は草食動物を襲うことはなく、平和に暮らしているという設定。
動物達が悠々自適な生活を送っている世界ってどんなだろうね。
そんなアフラシア共和国にある「アニマ探偵事務所」に依頼される事件が「パンダ探偵」が描かれている。

「パンダ探偵」の主人公ナンナン。
とても小柄で運動が苦手だという。
それでこの画像を選んでみたけど、ナンナンのイメージに近いかな?(笑)
自分は非力でできることは少ない、と自覚しながらも見た目のキュートさと頭の回転の良さを武器に探偵として成長していく。
ここまでかわいいと「雄性(だんせい)」として意識されるのは難しいかもしれないね?
美しい「雌性(じょせい)」に心が揺らいでも、相手から頭を撫でられて終わりそう。(笑)
雄(おとこ)らしさに憧れるのも無理ないかも。 

上述のあらすじにも登場したライガーのタイゴ。
「アニマ探偵事務所」のエースだという。
無知をさらけ出すのは恥ずかしい限りだけど、ライガーの存在を知らなかったSNAKEPIPE。
てっきり鳥飼先生の創作だと思っていたよ。
調べてびっくり、本当にいるとは!(笑)
凛々しい顔立ちに、縞模様のある足。
ライオンとタイガーでライガーなんだね。
ちょっと荒っぽいけど頼りがいがあるタイプ。
ナンナンが慕うのも納得だね!

「アニマ探偵事務所」の所長であるアフリカゾウのロックス。
ロックスが本気を出すと、ライガーのタイゴでもタジタジになるんだね。
力はあるけど、気も優しい。
「昆虫探偵」の時にはクマバチが所長だったので、似た雰囲気に感じるよ。
ドーンと腰を据えて構えているアンカーとして、所長にピッタリだよね!
「パンダ探偵」は3つの章から成る連作短編集で、全編通して登場するのはこの3獣(にん)。
どんな事件が待ち構えているのか?
章ごとに感想をまとめていこうかな! 
※ネタバレしないように書いているつもりですが、未読の方はご注意ください!

第一話 ツートーン誘拐事件

子牛の失踪事件が発生し、「アニマ探偵事務所」に捜索依頼がくる。
その事件を皮切りに、次々と誘拐事件が連続する。
狙われるのは、何故かツートーンの動物ばかり!
これは一体何故なのか?

ツートーンと聞いて、一番最初に連想するのはやっぱりSKA!

この曲をよく聴いたのはツバキハウスの火曜日、ロンドンナイト!
踊りまくってたなあ!(遠い目)
このツートーンではない?およびでない?(笑)

第一話に登場するツートーン・カラーの動物達。
左上はホルスタイン、右はマレーバク。
その下はパンダだけど、左下は一体なんだろう?
これはラーテルというイタチの仲間だという。
背中の白い毛が生えている部分が非常に硬いらしい。
コブラなどの毒にも耐性があり、何でも食べることから「世界一怖いもの知らずの動物」と呼ばれているとか?
あまり遭遇したくない動物かもね。 

ツートーン誘拐事件は、タイゴの鋭い勘により無事に解決する。
動物や生物、それぞれの事情があることが分かるね。
それにしても一体誰が目隠しをしたのか気になるSNAKEPIPEだよ。

第二話 キマイラ盗難事件

いつの間にか探偵事務所で探偵になっているナンナン。
仕事も板についてきて、一頭(ひとり)でも事件を解決できるほどになっている。
アフラシア警察が手一杯のため、「アニマ探偵事務所」は大忙し。
今回先輩探偵のタイゴと新入りナンナンが担当するのは、保管庫にあった備蓄草の盗難事件である。 

そもそもキマイラってなんだろう? 
調べてみるとギリシア神話に登場する怪物とのこと。
「ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ。それぞれの頭を持つとする説もある。強靭な肉体を持ち、口からは火炎を吐く。」とWikipediaに書いてあるね。
載せた画像は、スペインのプラド美術館が所蔵しているJacopo Ligozziが描いたキマイラのドローイング(1590 – 1610作成)。
後ろはドラゴンになっているんだね。
複数の動物が合体していることから、種や品種が異なる植物や動物から生まれた子孫であるハイブリッドもキマイラと言えるのかな。
例えばライガーのタイゴもライオンと虎の子供だからキマイラ(ハイブリッド)なんだね。 

日本でキマイラと言えば「鵺」になるのかな。 
鵺とは、平安時代後期に出現したとされる妖怪だという。
猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇という姿だと平家物語に書かれているんだって。
その姿を歌川国芳が浮世絵にした画像がこれ。
ギリシア神話は紀元前に文字として記録されていたというので、平家物語のほうが2000年くらい後の文章だけど、発想は似てるよね。
ギリシア神話を読んで真似たとは考えにくいので、きっと鵺は実在したんだろうね!(笑)

話を「キマイラ盗難事件」に戻そうか。
第二話に登場する動物たちがこちら。 
何故か皆様、右を向いてるんだよね。(笑)
左上のラバは雄のロバと雌のウマから生まれたハイブリッド種。 
タイゴの仲間ってことだね。
ちなみに雄のウマと雌のロバとの間に生まれるとケッティと呼ぶことに決定してるんだって。(ぷぷぷ!)
その下は立派な角のあるサンバーで、隣は美しい馬!
右上はご存知カバなんだけど、カバについて説明されているところが興味深かったよ。
カバは獰猛で、草食とされているけれど肉も食べるという。
更に汗が赤色というのも知らなかったよ!
えっ、常識なの?(笑)

第二話で美獣(びじん)警部、レッサーパンダのミンミンが登場する。
ジャイアントパンダと同じで、タケを食べるんだね。
こんなにキュートなミンミンなのに、狐や狼を部下に従えているとは、アンバランスさが一層魅力的!
ナンナンがポーッとしちゃうのは当然かも。(笑)

備蓄草が盗まれた事件についても、タイゴが真相を明かし一件落着!
物知りじゃないと解決できない事件だったよね。
SNAKEPIPEはそういう知識がなかったので、読後検索して納得したよ!(笑)

第三話 アッパーランド暗殺事件

ついに最終話である。
アフラシア共和国の大統領である、チンパンジーのボノが暗殺されてしまう。
犯獣(はんにん)と疑われ、逮捕されてしまったタイゴを救うべく、ナンナンが奮闘するのである。

アフラシア共和国は3つの地域に分かれているという。
庶民が暮らすロウアーランド、非居住地区で政府の施設が建つミドルランド。
そして枢機院に所属する動物達が住むアッパーランドである。 

そのアッパーランドに住む動物達がこちら!
左上のチンパンジー、時計回りにゲラダヒヒ(用心棒)、ゴリラ、マントヒヒだね。
まるで「猿の惑星」みたいだけど、もちろん他にも枢機院に属する動物はいる。
アジアゾウが大統領だったこともあるし、ヒグマの名前も出てくるね。
枢機院のシステムはよく分からないけれど、アフラシア共和国には階級がある、ということは理解できるね。

アッパーランドには厳重な見張りが置かれているという。
日中、空からの監視はイヌワシ。
夜間にはガラガラヘビとワシミミズクが目を光らせる。
とても外部からアッパーランドへの侵入は不可能と思われるのに、ボノ大統領が殺されてしまうのである。
第一発見鳥(しゃ)はコクマルガラスのジャッキー。(画像右上)
ツートーン仲間のため、ナンナンに情報を与えてくれるのである。
ナンナンは、タイゴを助け出すことができるだろうか?

ナンナンの活躍はとても気になるところだけど、SNAKEPIPEが興味を持ったのはバーバリーシープのダッド!
カプリ教の教祖であり、アフラシア共和国に革命を起こすべく活動しているという。
バーバリーシープの画像を検索すると、教祖にピッタリの風貌!
穏やかな眼差しを持ち、まるで涅槃の境地に達しているようじゃない?
ダッドが教祖だったら人気あるだろうね。(笑)

ナンナンの頑張りが役に立ち、事件は無事に解決する。
第三話は密室殺獣(さつじん)に加え、幾重にもなるトリックもあり、読み応え充分!
なるほどねえ!と感心することしきりのSNAKEPIPE。
「いかに早くトリックを見抜くか」に重きを置いて推理小説を読む人がいるようだけど、そんな方々の中に解けた人はいたのかな?
やっぱり「かなりの物知り」じゃないと難しいだろうね。(笑)

「パンダ探偵」はほのぼのした雰囲気の中に、ナンナンやタイゴの個性が確立されていて、読み進めるうちにどんどん引き込まれていく。
2頭(ふたり)とは、すっかり知り合いになった気分だもんね!
今まで聞いたことがない動物を知ることができたのも楽しかった。
SNAKEPIPEもアフラシア共和国に住みたいな、と思ってしまうほどだよ。
何の動物になろうか、思案中である。 (笑)
もしかしたらまたナンナンに会えるのかな?
そんな日が来ることを期待して待っていよう! 

ROCKHURRAH紋章学 建築関連会社ロゴ編

【スペインのグラナダにあるCliff Houseを紹介するキャロラインとピアーズ】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSがNetflixに入会した話は以前書いたよね。
映画やドラマに加えNetflixオリジナル作品が多数あって、どれから観たら良いのか迷ってしまうほど。
ずっとテレビの前に座っているわけにはいかないので、「面白そう!」と思った作品を制覇するのには一体どれだけの時間がかかることやら?(笑)

「これ、好きそうじゃない?」
とROCKHURRAHから勧められたのが「世界の摩訶不思議な家」 という世界の変わった建築を紹介する番組だった。
SNAKEPIPEは建築物が大好き!
このブログでも「SNAKEPIPE SHOWROOM」とカテゴリーを設け、気になる物件を紹介しているんだよね。

さすがに世界中から選りすぐりの建築物を紹介するだけあって、登場する物件は全て「お金持ち御用達」の垂涎モノばかり!
物件を紹介するのは、女優で不動産投資のキャロライン・クエンティンと建築家のピアーズ・テイラー
元々この番組はイギリスの放送局BBCが制作していたようで、続編としてNetflixがオリジナルに制作したとのこと。
そのため案内役の2人ともイギリス人なんだよね。
物件はもちろん素晴らしいんだけど、SNAKEPIPEの目を釘付けにしたのはキャロラインだった。

SNAKEPIPEの持つイメージでは「イギリス人マダムは上品」だったのに、キャロラインは開けっぴろげで気さくなタイプ。
豪邸に当たり前にあるプールでは、水着になって泳ぐのがお決まり!(笑)
相棒であるピアースも歯に衣着せぬ発言をしたり、番組中建築に関するスケッチを描いて見せ、建築家としての存在感を示している。
この番組の中で、2017年1月に「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件11 地下物件編」として書いたスペインの物件が紹介されていて嬉しかった。
TOPに動画を載せたので、時間がある方は観てみてね。
内装はあんな感じになってたんだね!(笑)
「世界の摩訶不思議な家」は2019年までで終わってしまうので、次が制作されることを願っているよ。

長い前振りを書いたけれど、今回は建築関連の会社で使用しているロゴを特集してみよう。
最初に紹介するのはこちら!

Rot Repair Masterで使用されているのは白、赤、グレー、クロというシンプルな配色のロゴ。
右上のノコギリとトンカチが、まるで共産主義のシンボルである「鎌とハンマー」のように見えるところがポイント! 
一目で家に関する仕事をしている会社だと分かるところも良いよね。
ワシントン州エベレットを本拠地としているRot Repair Master。
新築物件はもちろんのこと、家の木材部分、例えば屋根だったりデッキなどを修理する会社だという。
ここで修理をお願いしたら、ロゴのステッカーくれないかな?(笑)

続いてもグレーと赤を使用したロゴを選んでしまったよ。
SNAKEPIPEは、この配色が好みなんだろうね。 (笑)
Carl Stahlは世界中に70の拠点を持つファミリー企業だという。
stahl一家が経営ってことになるんだろうね。
創業は1880というから約140年の歴史を持つ老舗とは、驚いてしまう。
リフティング技術、建築、テクノケーブルの分野でのサービスを提供していると言われても、いまいちよく分からないんだよね。
建築関係者なら使い方が分かる、特殊な機材を扱っている会社ということで良いか。
Carl Stahlが家を支えてます、というメッセージをロゴにしているようじゃない? 
HPで確認すると、本社の建築にも赤が効果的に使用されていて、オシャレだったよ!

まるでポーラ・シェアのタイポグラフィみたいなロゴ!
シンプル・イズ・ベスト。
このロゴを使用しているのがRobert Martin Companyなので、頭文字のRMなんだね。
えっ、このロゴではRとMに見えないって?(笑)
Robert Martin Companyは不動産会社なので、建築関連の会社ではないけれど、許してね!

グレーの部分が象に見えてしまうは、SNAKEPIPEの特殊な能力によるものかしらん?
STAgencyも前に紹介した会社と同様、不動産会社なんだよね。
MO Real EstateとHPに書いてあったので調べると、どうやらミズーリ州の略号がMOとのこと。
象のように見えた部分はMOという文字なのかもしれない。
もしかしたら家のように見せているのかな?
想像すると面白いよね。(笑)

次はカラフルなロゴにしようか。
Kalido Interior Designはその名の通り、インテリア・デザイン会社なんだよね。
インドのムンバイにある会社だという。
イニシャルのKを印象的にしたロゴで、そこまで凝ったデザインではないけれど、色合いのせいかインパクトがあるよ。 
「世界の摩訶不思議な家」でもインドの素晴らしい物件を観たことがあるんだよね。
昔ながらのインドというイメージと、大きくかけ離れた現代建築を設計しているのもインド人!
インテリア・デザインだってモダンになってるよね。
ロゴも負けないようにポップになるってことか。(笑)

ロゴのデザインで水彩を使用するのは珍しいような? 
Blakely Interior Designもインテリア・デザインを手がけているロード・アイランド州 ノースキングスタウンにある会社で、スタッフが全員女性なんだよね。
産婦人科のスタッフが全員女性です、みたいな感じかな?(笑)
恐らくその特徴を表現するために、このロゴが採用されているんじゃないかな。
柔らかい印象を受けるもんね?
ただし実際には「女性だから優しい」という公式は当てはまらないように思うよ。(笑)

i-Chapterはシンガポールのインテリア・デザイン会社だという。
ロゴが分かりやすく家の形になってるよね。
そこまで凝ったデザインではないと思うけど、それでも日本の会社で使用されているロゴ・マークよりずっと面白い!
HPだったりロゴって会社の顔だと思うから、もっと力を入れたら良いのにね?

最後はこちら!
British Institute of Interior Designとは、世界で最も権威のあるインテリアデザイナー団体「英国インテリアデザイン協会(BIID)」のこと。
シンプルでスタイリッシュなロゴ・マークを見るだけで、いかにセンスが良いか瞬時に判るよね!(笑)
BIIDに入会するには厳しい審査があり、更に実績に応じてランクが決まるらしい。
トップランカーのデザイナーは、世界中で活躍しているという。 
このロゴ・デザインは一体誰の作品なんだろうね?
今回紹介した中で1番気に入ったデザインだよ! 

土地を買い、自分が理想とする家を建築家に設計してもらい、実際に家を建てるとする。
建築家や施工会社、インテリア・デザインはどこにお願いしようかと考えた場合、目を引くロゴ・デザインも重要な気がするんだよね。
名刺代わりになるデザインにも力を入れている会社は、恐らく良い仕事をするはず!
SNAKEPIPEはそんな判断をして、デザイナーを選びたいと思うよ。
そんな日が来るのだろうか?(笑)