大人社会科見学—インターメディアテク—

【IMT内は撮影禁止だったため、HRより写真を流用させて頂きました!】

SNAKEPIPE WROTE:

飛び石連休だった今年のゴールデンウィークは消費税増税の影響もあり、キーワードは安・近・短だとニュースで知った。
飛び石の間を休めば、かなりの大型連休になるけれど、カレンダー通りの休みでは旅行を考えたとしてもキーワードとして掲げられたようなささやかなものになるだろう。
我らROCKHURRAH RECORDSもその例に漏れず、出かけたのは簡単に行かれる場所だけ!
初めから旅行などは考えていなかった。
そもそも大勢の人が休む盆暮れ正月やゴールデンウィークに旅行料金がアップするのは何年経っても変わらないし、どこに行っても人混みや行列にうんざりするのは分かり切ったことだよね。
そんな時にあえて旅行のプランは立てないのがROCKHURRAH RECORDS。
もし行くならオフシーズンで、ゆっくりのんびりが良いなあ。

2回目の連休が始まった5月3日、ROCKHURRAH RECORDSが出かけたのが東京駅。
長年来の友人Mと約束をしていたのである。
以前より友人Mが計画していたのは、東京駅近くのJPタワーにある博物館の鑑賞である。
この博物館については、ROCKHURRAHも気になっていたようで、全く何の情報も知らないのはSNAKEPIPEだけ!(笑)
2人が興味あるという博物館行きが決定したのである。

東京駅に着いてから気が付いた。
もしかして都内でもトップを争う混雑した場所に来てしまったのではないだろうか。
新幹線の発着以外にも、皇居が近いせいか憲法記念日のこの日は特に人が増えていたように思う。
あれほど人混みを敬遠していたROCKHURRAH RECORDS、日付を間違ったかも!
テロ対策なのか、駅周辺には機動隊が待機していて、物々しい雰囲気。
あー、この日は迷彩服を着てなくて良かったなあ!(笑)

JPタワー入り口で友人Mと合流。
やはりあまりの人の多さに辟易している。
駅構内と周辺があまりに混雑していたので、目当ての博物館も激混みだったらどうしようと思っていたけれど、それは危惧に終わった。
JPタワーでの人混みは、その中にある商業施設であるKITTE目的の人が多かったみたい。
毎度お馴染み怪しい3人組が向かうのは、JPタワー2階と3階にある博物館、通称IMTだからね!

そもそもIMTとはなんだろう。
調べてみると、正式名称はJPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテクと言い、東京大学と日本郵便の連携による施設であるとのこと。
そして驚くべきことに、この施設は無料!
前述した安・近・短の条件をバッチリ満たしてるよね!(笑)
無料というと、それ相応のチープな施設を思い浮かべてしまうけれど、IMTはどうだろうね?

IMTは2フロアで展開している施設なので、まずは下のフロアから観ることにする。
入り口付近でまず目に飛び込んできたのは、巨大なワニの骨格!
こんなに大きなワニは見たことがないと思ったら、30-50万年前頃、日本に生息していた世界最大級のマチカネワニらしい。
最初からいきなりこれか!と驚きながら入場してみる。

東京大学が所蔵していた学術標本を展示しているので、いわゆる博物館の展示とは違っていた。
「○○の骨」というような一文だけがプレートに書かれ、標本の詳しい説明は省かれている。
本来は展示物じゃない標本だから、それで良いのだろう。

空間は元郵便局の室内、そして戦前から東京大学で使われていた什器を使用し展示されている。
ああ、什器類の素晴らしさったら!
この雰囲気はまさにROCKHURRAHは何度目かの再読、SNAKEPIPEは初めて読んでいる「黒死館殺人事件」の館そのもの!
レトロなゴシック調、その場にいるだけでゾクゾクするほど刺激的で嬉しくなってしまうね!(笑)

前述したようにこの博物館は一般的な鑑賞を目的としていないので、展示に一貫性がないのが特徴かな。
様々な動物や魚の骨格標本とアフリカのお面が飾ってあったり、鉱石や漢方系の植物があったり、という支離滅裂な感じ。
それはまるで酔狂な趣味を持った金持ちの、マイコレクションを見せてもらっているよう!
骨格標本やオブジェ類が並べられた棚は、特にプライベートコレクションのようだったね。
いいなあ、あの棚ごと欲しいなあ!(笑)
棚の上、天井近くにももう一段本棚があり、その中には年代物の蔵書がギッシリ並んでいる。
茶色や深緑の背表紙に金色の文字でタイトルが書かれていて、なんとも趣があるね!
全くの想像だけど、澁澤龍彦邸にありそうな感じね。(笑)

気になる展示物はたくさんあったけれど、この期間中特別展示されていた「東大醫學――蘭方医学からドイツ近代医学へ」は見応えがあった。
ドイツ製の人体模型や、まるで構成主義のような医療器具のポスターにはヨダレたらたら!(笑)
白と黒だけのシンプルさと構図の素晴らしさ、タイポグラフィのバランスなどが絶妙だったんだよね。
あのポスター欲しかったなあ!


既存施設の解体からIMTの完成に至るまでを紹介している特別展示「インターメディアテク建設」にはワクワクしてしまった。
こちらも本来はアートとしての写真ではなくて、記録としての写真だったはずだと思うけど、SNAKEPIPEが大好きなジャンルの写真群だったんだよね!
解体と建設というテーマには強く惹かれてしまう。
魚眼レンズで撮影された写真も面白かったけれど、ノーマルなタイプがより素晴らしかった。
解体された後のドアやネジ類も展示されていて、インダストリアル感満載なところも座布団10枚!(笑)

無料というのが信じられない程、充実のラインナップに大満足だった。
特別展示というのは年に何回か行われているようなので、また機会があったら足を運んでみたいと思う。
日本にこんな施設ができたことに驚くとともに、もっとこんなに素晴らしい施設があったら良いのにとも感じる。
鑑賞者のマナーや意識の高低を問われるのは当然だと思うけどね!

大人社会科見学—グレートジャーニー 人類の旅—

【グレートジャーニー展のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

いつも見ている「めざましテレビ」の次の番組である「とくダネ!」になっても消さずに、テレビをつけたままにしていた。
その時特集されていたのが「世界最古のミイラ」。
その途端に目が釘付け!
なんと「世界最古」とされるミイラはチリのチンチョロ族によるものだ、という。
エジプトが最古じゃなかったの?
更にエジプトのミイラとは違い、身分の高低に関係なくミイラが作られ、家族単位で並べられているらしい。
これはすぐにミイラ好きの友人Mに知らせなくては!
「あ、それはグレートジャーニーだよ」
とあっけなく答えられてしまう。
「とくダネ!」の特集は、上野にある国立科学博物館で現在開催されている「グレートジャーニー 人類の旅」の宣伝だったことを知るのである。
グレートジャーニー」とは、フジテレビで放映されていたドキュメンタリー番組のことで、友人Mはその全てを見ていたと言う。
「すっごい面白いから!観に行こうよ!」
是非一緒に行きたいと言うROCKHURRAHも加わり、先日の「フランシス・ベーコン展」に続き、怪しい3人組は上野に向かったのである。

上野というのは、平日でも土日・祝日と変わらない人の多さなんだね。
「グレートジャーニー」のような、ちょっと学習チックな題材には特に子供が多いだろうという予測から、春休みが終わった平日を選んで出かけたのにも関わらず、平日には平日特有の群れがあった。
女性や高齢者の団体である。
JR上野駅公園口から、信号が変わる度に大勢の人が上野公園を目指して歩いている様子にビックリ。

上野公園内には東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京芸術大学美術館、恩賜上野動物園、東京都美術館、東京文化会館、下町風俗資料館、旧東京音楽学校奏楽堂、日本芸術院、日本学士院、上野の森美術館と、全く知らなかった館も含め、12もの施設があるんだね。
それに加え、不忍池や上野公園を散策するような人もいるだろうから、様々な目的を持った人達が行き来する場所ということになるよね。
前回、国立西洋美術館に来たのは2011年12月のこと。
あの時はウィリアム・ブレイクの版画展だったね。
今回の国立科学博物館は、一体何年ぶりのことになるんだろう?
恐らく子供の事に来たきりなのではないだろうか。

簡単に「グレートジャーニー」の概要だけ書いておこうかな。
探検家・人類学者・外科医である関野吉晴氏が挑んだ、通算16年、人類拡散の足跡を辿る旅の記録とのこと。
前述したように、SNAKEPIPEは「グレートジャーニー」のドキュメンタリーをテレビで見た覚えがない。
そのため今回のブログでは、「グレートジャーニー 人類の旅」に関する感想だけをまとめることになる。
もしかしたら友人Mのように、ドキュメンタリーを全て見ていたとしたら、また違う感想を持ったかもしれないけれど仕方ないね。
展覧会の構成通りに書き進めていこうと思う。

会場に進むと、恐れていた子供の姿がほとんどいないことに安堵する。
「グレートジャーニー展」が開催されてから、約1ヶ月が経過しているせいもあって会場内はそこまでの混雑ではなかった。
全体的に年齢層の高いお客さんが多い。
えっ、怪しい3人組もその中に含まれてるって?(笑)

プロローグ 遙かなる地に生まれて

アフリカ、タンザニア・ラエトリ遺跡にある、人類最古の足跡のレプリカが展示されていた。
この足跡こそ人類すべての始まりであり、ここから人類が地球上に拡散した、という。
これは360万年前のアファール猿人の足跡らしい。
父親、母親、子供という家族の物ではないかと推測し、家族で連れ立って歩いた最古の足跡化石を「グレートジャーニー」の象徴として位置づけている。
アフリカから住むのに過酷な地域に至るまで、人類はどのようにして生きてきたのかを探るのが今回の展覧会の主旨である、とのこと。
確かに足跡は二足歩行で歩いているのが解るし、足の大きさの違いも歴然としている。
人類は元々アフリカ人だった、というのは前に聞いたことがあるけれど、実際に証拠を見せられてる感じだね。(笑)

旅の始まり グレートジャーニーのスタート

熱帯、高地、極北、乾燥という4つの地帯に暮らす人々の紹介が始まる。

熱帯雨林 アマゾン 自然と共に暮らす民

熱帯雨林のジャングルの中で暮らす、アマゾンのマチゲンガ族。
自然を巧みに利用しながら調和を保ち、破壊することなく生きてきた先祖代々伝承の「密林で生き抜く知恵」について教えてくれる。

「これだけあれば生きられるセット」が展示されていた。
槍や火起こし用の棒など、アマゾンに住む人達にはそれだけで充分獲物を確保したり、調理して生活できるそうだ。
多く持っている人は、持っていない人に分け与えるのが当たり前という話も書いてあり、 「今の日本では考えられない習慣だな」と思う。
下着のトランクスを3枚持っていた関野氏は、残り2枚を村人に分け与え、代わりに槍をもらったという。
丁寧に「関野さんのパンツ」まで展示されていて大笑いする。(笑)

マチゲンガ族の住まいや食事についての展示があり、 「セキノ不動産」としてパネル展示されていたのが面白い。
築年数や間取り、部屋タイプなど、実際の不動産情報のように書いてあった。
食事については、レシピとして材料と作り方を紹介していた。
マチゲンガ族の場合はウーリーモンキーのレシピだった。
ウーリーモンキーは、とてもカワイイ動物だったので、食べることは考えにくい。
住む場所や習慣で何もかもが変わってくるんだね。

習慣が違う、ということを明確に示してくれたのが、今回の展覧会の目玉の一つである「干し首」の展示である。
(写真はInternet Museumより転用)
これは元々国立科学博物館に所蔵されていた物で、今回10年ぶりで公開されることになったという。
これが本物の人間の頭部なの?
だってその大きさ、なんと「こぶし大」しかないんだもん!
「干し首」の作り方(?)について、映像での解説があり、かなり加工して作り上げていたことが解る。
こんなに貴重な「干し首」を実際に鑑賞できるとは!
「干し首のレプリカ、ミュージアムショップで売ってるかな?」
ROCKHURRAHが真剣な表情で尋ねてきたよ。
売ってたら買う気なんだろうか?(笑)

高地 アンデス インカの伝統を残す

6,000m以上の山が連なる大山脈の高地に暮らすケロ村チュワチュワ集落の人々。
標高差3000mを賢く生活に利用し、標高4200mでアルパカ、リャマなどの家畜の放牧、標高の低いところでじゃがいも、さらに低いところでとうもろこしを栽培するという。

アンデスの標高が高いため、とても寒いために織物が発達したのかな。
飼育している動物の毛を刈り取り、織物にしていた工程が興味深い。
染色の技術も素晴らしく、発色の見事さに目を奪われる。
その昔よく通っていたのが、渋谷のチチカカ
この手の民族調モチーフは大好きなんだよね。(笑)
馴染みのあるチチカカ系の織物の作り方を教えて貰えるなんて嬉しいね。
染料はほとんどが天然の物を使用しているんだけど、時折「発酵した子供の尿」って書いてあるのが謎だった。
大人じゃダメなのかしら?(笑)

じゃがいもやトウモロコシの栽培に関しては、何種類も同時に植えて、万が一特定の種類がダメになっても、他で凌ぐことができるように工夫していたという。
知恵があったんだね。
こういうことがまさしく「生き抜いていくための知恵」ってことになるんだろうなあ。

極北 アラスカ シベリア マイナス40℃の世界に生きる

マイナス40℃が続く極北の地では生きるためにクジラ、セイウチ、アザラシ、ホッキョクグマなどの肉、皮、骨の全てを無駄にせず暮らしに役立てている。

一番初めに目に飛び込んできたのが、ホッキョクグマの剥製である。
他にもアザラシ、セイウチ、トナカイの剥製があり、その大きさにびっくりする。
こんなに大きな動物を捕獲できるとは!
セイウチ猟の様子が映像として流されていたけれど、銛で一撃だったんだよね。
そしてそれから解体作業。
最初の肉片を海の神様に捧げるシーンが印象的だった。
この映像が強烈だったせいか、この映像で作られていた保存食コパルヒンを、何故だか「とくダネ!」の小倉智昭に切り分けてもらって、食べる夢まで見てしまった!(笑)
小倉さんは「うまいよ、これ!」って言ってたけど、SNAKEPIPEはモグモグしたまま飲み込めないの。
食べたことない食物なのに、想像だけでも「ダメ!」って思ったんだろうね。
でもなんで小倉智昭だったんだろ?(笑)

他にこのブースで気になったのは、トナカイなどの毛皮を使って作った防寒着。
極寒の土地でも暖かく過ごすためには、やっぱりそこで同じく生活をしている動物の毛皮なんだね。
トナカイの毛皮は本当に暖かそうだった。
もう一つ驚いたのが、魚の皮も使って洋服作りをしていたこと。
上の写真の黄色っぽい服が、そのサケの皮を使用したタイプなんだけど、キレイな仕上がりだったよ!
防水効果に優れているらしい。
何年後かにアウトドアブランドが出したりしてね?(笑)

乾燥地帯 アタカマ、ゴビ、ヌビア、ダナキル 砂漠で生き抜く知恵

ほとんど雨が降らない寒暖差も激しいこの環境の中でも、人々はラクダを使い、砂嵐に耐え、水を確保し生きてきた。

ここでの目玉はなんといっても、アタカマ砂漠で発見された、チンチョロ族の約5000年前の子供のミイラだろう。
冒頭で書いたように、このミイラは「とくダネ!」で情報としては知っていたけれど、テレビと現物では、印象が全く違うもんね。
顔に着けたマスクが小さな穴3つだけなので、パッと見ると泥人形のようにもみえちゃうんだけど。
このミイラをCTスキャンで研究した映像が流れていたので、より理解を深めることができる。
なんとこのミイラには、背骨に沿って2本の棒が通されているため、もしかしたら立たせていたのでは、との見解もあるらしい。
「ミイラ師の技術が」などと解説で言ってるのが、おかしい!
ミイラ作りを職業にしていた人がいるのかな?(笑)
「干し首」と同様、この世界最古のミイラ鑑賞ができて、本当に来て良かったと思う。

縄文号 日本人のルーツの謎

「新グレートジャーニー」として、日本人のルーツに迫る「海上ルート」を旅するために作られた丸木舟「縄文号」が展示されている。

インドネシアのスラウェシ島から日本を目指して海を移動するプロジェクト。
なんともびっくりなことに、丸木舟は手作り!
その工程を映像で観ることができるんだけど、まずは木を伐採するための斧やトンカチのような工具を作るとことから始まるのだ。
子供の頃、砂場で磁石を使って砂鉄を集め、売りに行くと言ったら笑われた経験がある。
誰に売るつもりだったんだろうね?(笑)
このプロジェクトでは、本当に砂から砂鉄を作って、集めた砂鉄を熱で溶かして鉄にして、刀を作る要領で「鉄は熱いうちに打て」を実践しているのである。
すべて自分達の手によって作ることを、まさか砂鉄集めから始めているとは思わなかった。
10ヶ月の期間を使って丸木舟は完成!
そして3年を掛けインドネシアから石垣島までの旅を成功させるのである。
遥か昔、本当にこんな風に丸木舟に乗った人が、日本を目指して海を渡ってきたのだろうか?
ロマンを感じるねえ!

アファール猿人復元プロジェクト

プロローグで紹介されていたタンザニア・ラエトリ遺跡にある、人類最古の足跡を元に、アファール猿人を復元する。
この猿人のモデルになったのがナインティナインの岡村隆史。
あっ、確かこの話は「めざましテレビ」で見たことあるなあ!
学術的にバッチリだった、って言ってたもんね。(笑)
父親が敵を警戒しながら、子供の手を引いて一歩前を歩き、その後ろには妊娠している母親が続いている様子が復元されていた。
父親の握力は推定で、現在の成人男性の約2倍というから、驚きだね!
そのくらい力がないと、生きていかれなかった、ということなのかな。
360万年前にも、ちゃんと家族という単位で行動をして、父親が家族を守っていた姿は、頼もしく感じられた。
足跡から、ここまで作り上げるとは、お見事!

全ての展示を鑑賞し終わり、物販コーナーへ。
怪しい3人組はバラバラに、各々の興味のある品物を目指す。
足早に店内をグルッと回ったROCKHURRAH。
「やっぱり干し首、売ってないんだね」
本当に売ってると思ってたんだろうか!
ROCKHURRAH、恐るべし!(笑)
何故置いてあるのか不明だけれど、マトリョーシカ関連のグッズがいくつかあり、真剣に購入を迷っていた友人Mが、図録を観ているSNAKEPIPEに近づいてくる。
「あー、グレートジャーニーは本じゃダメなの。やっぱり映像じゃないと!」
確かに!
今回初めて「グレートジャーニー」に触れたSNAKEPIPEも、写真や文章だけでは完全に伝わっていないな、と感じていた。
DVDが出ているようなので、いつの日か関野さんの旅を追体験できたらいいな、と思っている。

大人社会科見学—伊豆高原—

【伊豆はもう桜が咲いてたよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

3月4日はSNAKEPIPEの誕生日である。
今から2年前のSNAKEPIPEの誕生日プレゼントとして、ROCKHURRAHが選んでくれたのが富士山が見える露天風呂付き客室の温泉旅行だった。
富士山を目の前に、24時間入浴できる温泉って贅沢!
素晴らしいプレゼントをありがとう、とROCKHURRAHにお礼を言ったSNAKEPIPEである。

そして2013年。
SNAKEPIPEの誕生日がやってくる約1ヶ月前のこと。
「今回もまた温泉旅行どうかな?」
とROCKHURRAHがプレゼントの提案をしてくれた。
是非お願いします、と即答!
さて、今年はどこに行こうか?
いくつか候補地を挙げ、最終的に伊豆に決まった。
伊豆と一口に言っても、「イトウに行くならハトヤ」でお馴染みの伊東に加えて熱海、東伊豆、西伊豆、南伊豆、下田と有名所がたくさんあるんだよね。
SNAKEPIPEは一度家族旅行で伊豆長岡を訪れたことがあり、ROCKHURRAHは社員旅行で熱川に行ったことがあると言う。
二人共ほとんど知らない土地なので、どこに行っても楽しいはず!
そこで選んだのが伊豆高原だった。
面白そうな観光スポットもあるみたい。
早速温泉旅館の予約を入れ、ワクワクしながら出発当日を待ったのである。

ついに当日。
おやつを入れたリュックを背負い、東京駅から踊り子号に乗り込む。
前回の旅行と言えば昨年9月の九州旅行だったので、その時の新幹線乗車時間に比べると、踊り子号の2時間は短く感じる。
それにしても、さすがに観光地行きの電車だよね!
踊り子号は満員で、途中下車した人がいても、次の駅から入れ替わりの人が乗り込んで来るのだ。
伊豆は人気があるんだねえ、と感心しているうちに伊豆高原駅に到着。
あんなに観光客がいっぱいだったのに、伊豆高原で降りたのはほんの少人数。
人混みを苦手と感じるROCKHURRAHとSNAKEPIPEはホッとしたのである。

まだ旅館にチェックインするには早い時間なので、昼食を取る場所を探しながら、最初の観光スポットへ向かうことにする。
伊豆高原駅から歩いて約20分程の場所にあるスポットとの情報を得ていたので、歩いているうちにどこか食べる場所があるだろうと歩き始め…おや?
先程の踊り子号から降りる観光客が少なかった理由が解るような道のり。
駅から歩いて数分で、歩いている人がいなくなった。
この日の天気のせいもあるけれど、建物全体がくすんだ色合いで、寂れた雰囲気が一目で解る。
ポツンポツンと点在している店舗のほとんどは不動産関係。
伊豆は別荘地としても有名なんだね。
別荘に遊びにくる季節でもないため、余計に人が少ないんだろうな。
やっと一軒の定食屋を見つけ、お昼にありつけることになった。
先客はバイク乗りの男二人組のみ。
あんな辺鄙な定食屋にいる4人の客のうち、革パン野郎が3人いるとは!
あっ、SNAKEPIPEは女性なので野郎じゃないけど。(笑)

いよいよお目当ての「野坂オートマタ美術館」へ。
ここは機械仕掛の人形を展示している美術館で、ROCKHURRAHが行きたい場所として挙げていたのである。
もしかしたらROCKHURRAHの愛読書である「黒死館殺人事件」の中に、オートマタが登場することに由来しているのかもしれないね?
オートマタ(Automata) とはヨーロッパで18世紀に始まり19世紀に美術的価値と贅沢さの象徴として貴族に愛された西洋からくり人形のこと。
ぜんまい仕掛けのタイプから、電気で動くものまで様々な時代の人形が展示されている。
古い人形が多いため、実際に動いているところを鑑賞できるのは、限られた数の人形を一日4回の決められた時間にだけ、である。
それ以外はDVDが設置されていて、その映像と実際の人形を見比べる、という鑑賞スタイルである。

丁度この日の実演時間に間に合うタイミングでの入館だったので、実演も鑑賞できることになった。
「椅子を操る道化師」(1985年)はオルゴールの音と共にピエロの大きな鼻に乗せた椅子が回る仕掛けである。
ピエロは全部で5体あり、全てを同時に回すと素晴らしい音楽になるとのこと。
「はしご乗り」(1996年再現)はオリジナル作品ではなく、再現された人形での実演だったのが残念。
19世紀のサーカスでは梯子乗りが一番人気の出し物だったそうで、それをいつでも観られるように制作されたとのこと。
臨場感溢れる動きに加えて、衣装や靴などの小物もよくできていたよ。
「マードュコカーニュ」(制作年不詳)は本当の意味ではオートマタとはいえない、という説明があった。
何故ならこの人形はネジを手で回すことで動くタイプだからである。
小さな男の子が棒を登って吊るされたバッグを取ってくる仕掛けだった。
「ジェシカおばさんのティータイム」(1900年頃)が今回の実演の中で一番古いオートマタで、SNAKEPIEPが最も感銘を受けた作品である。
椅子に座ったジェシカおばさんが右手にティーポットを、左手にカップを持ち、自らお茶を注ぎ飲み干す、という動作を繰り返す仕掛け。
書いてしまえば単純な動作だけれど、この時のジェシカおばさんの表情がすごいんだよね!
眉を上げ下げする、まばたきをする、(架空の)周りのおしゃべり仲間に笑いかける。
1900年頃にこんなに精巧な動きをする人形が制作されていたなんてね!
この鑑賞後、何度もジェシカおばさんのモノマネを楽しんだSNAKEPIPEである。

野坂オートマタ美術館は、展示や実演以外にも人形制作をしていた人の工房を再現したスペースがあったり、オートマタの歴史について教えてくれたり、オートマタ全体について知ることができた。
鑑賞できて良かった!

程良い時間になったので、そろそろチェックイン!
その日の宿泊客の一番乗りだったようで、貸切風呂もいつでもどうぞ、と言われる。
早速、荷物を部屋に置いてすぐに貸切露天風呂へ。
遠くに海が見える。
風が吹くと頭が冴えて気持ちが良い。
いやあ、温泉はいいねえ~!(笑)
ROCKHURRAHが予約してくれたのは、またもや客室にも温泉が付いているタイプだったので、この後何度温泉に入ったことだろう?
24時間いつでも湯船にたっぷりの温泉が入ってるって素晴らしいよね!
よく電車の広告で「温泉付きの住宅」なんて宣伝見かけるけど、いいなあって本気で思ってしまったよ。(笑)
この温泉旅館は料理が凝っていて、素晴らしく美味しかった。
盛り付け方にも工夫がされていて、特に女性客にはウケが良さそう。
この温泉旅館にして良かったね。
ありがとう、ROCKHURRAH!

翌日、チェックアウトをしてから最初に向かったのが大室山である。
大室山は標高580mで、麓から山頂までをリフトで上がることができるという。
山頂はすり鉢のようになっていて、稜線は美しい自然の展望が見渡せるハイキングコースになっているとのこと。
生まれてこのかた、山のてっぺんに登ったこともなければ、リフトに乗ったこともないSNAKEPIEPは期待と不安でいっぱいだった。
ROCKHURRAHはリフトには乗ったことがあるようだけど、山の頂上に到達したことはないと言う。
いい年した二人が、こわごわ並んでリフトに乗ったのである。
はいっ、の掛け声をかけられてリフトにお尻を乗せる。
乗れたっ!第一関門クリア!(笑)
麓から山頂まではリフトでおよそ6分。
かなりの急勾配をゆっくりしたスピードで進んで行く。
なーんだ、思ったより大丈夫だったねと言い合った瞬間、ROCKHURRAHが凍りつく。
「ダメだ、ちょっとでも後ろを見ると怖いっ!」
後方には麓に向かう急な斜面が確認できて、落ちていきそうな感覚になるんだろうね。
SNAKEPIPEも高所恐怖症なので、まっすぐ前だけを見ることに専念する。
こうしてようやく頂上に到着。
目に飛び込んできたのが、左の写真のような茶色い山肌である。
真ん中の盆地になっている場所ではアーチェリーができるらしい。
大室山のサイトで見ていた景色とはまるで別モノ!
違う惑星に来てしまったような印象を持ってしまう。
そしてさすがは山頂、とても寒い。
ハイキングコースは約20分とのこと。
せっかくだから歩いてみようよ!

わー、海が見える!
おお、連なる山々が見える!
などと言い合いながら楽しくハイキングしていたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
ある地点に差し掛かった時に
「げえっ!柵がないっ!」
なんと麓に広がる別荘やゴルフ場が崖の縁から見えるじゃないの!
もしかしたら外観を損なうという理由で取り付けてないのかもしれないけれど、万が一滑って転げ落ちたりしたら…。
想像しただけで、高所恐怖症のSNAKEPIPEは足がすくんでしまった。
本当に今まで一度も事故が起きたこと、ないんだろうか?
やっとの思いでハイキング一周を終え、ホッとする。
第2関門クリア!(笑)
頂上では360℃を見渡すことができて、新鮮だった。
自分が世界の真ん中にいる気分になるんだね。(笑)
麓に向かうリフトは、落ちて行く感覚のためやっぱり少し怖かった。
それもなんとか完了。オールクリアだ!(笑)
よく頑張った、と自分で自分を褒めたSNAKEPIPEである。
多少の怖さと寒い思いはしたけれど、新しい経験ができたね。
大室山も行って良かったな!

続いて訪れたのが「ねこの博物館」である。
ミリタリー系パンクのROCKHURRAHとSNAKEPIEPであるが、実は大の猫好き!
動画サイトでかわいい猫を見つけると互いに教え合い
「かわいい~!」
と目を細めている姿は、誰にも見られないように心配りしている。
だって、普段とあまりにイメージが違うからね。(笑)
そのため今回「ねこの博物館」に行った話もブログに書くことを躊躇したけれど、ブログは大人社会科見学なので、書いてみようと思う。

「ねこの博物館」は女の子が「かわいい!」を連発するだけの場所ではなく、ネコ科としての猫を研究するための博物館なのである。
博物館1階、会場入ってすぐの場所からライオンやトラの剥製が入場者を待ち構えている。
こんなに多くの、全てネコ科の剥製が勢揃いというのは圧巻の迫力。
動物園などで、実際に動いているトラやライオンを見たことはあるけれど、ガラスに仕切られた、遠い向こう側でしか知らなかったので大きさを実感したのは初めてだった。
猛獣と呼ばれるのが解る、体の大きさ、口から覗く牙の鋭さ。
ジャングルで襲われたらひとたまりもないだろうねえ。

2階では「世界のネコちゃん」コーナーがあり、様々な種類の猫を見たり実際に触れたりすることができる。
撫で撫でして良い猫の中の一匹に、とても甘えん坊の猫がいて、可愛かった。
「触れ合いコーナー」では、猫が放し飼いになっていて、一緒に遊ぶことができる。
行ったことないけど、多分猫カフェがこんな感じなんじゃないかな?
ほとんどの猫達は、眠っていた。
その中の一匹、左の写真のシャム猫が、かつて一緒に住んでいた愛猫にそっくりだったので、思わず写真を撮ってしまった。
「ねこの博物館」の猫達は、来場者に撫でられ過ぎて不感症になってしまったのか、ほとんど何の反応も示さないのでちょっと心配になってしまったほど。
眠たかっただけ、なら良いんだけどね?

20130310_05「ねこの博物館」で予定していたスポット巡りは完了したけれど、もう少し伊豆高原を散策してみよう!
吊り橋があったよね?
旅行出発前に検索した時の曖昧な記憶を元に、少し歩いてみることにする。
確かほんの数100mくらいだったはずなんだけど?
歩いても歩いても、全く海に出る気配がない。
小雨もパラついてきたし、寒さも感じるようになってきた。
あやふやな状態で土地勘のない場所を歩くのは危険だよね。
仕方ないので、諦めて駅に戻ることにする。

その時目に入ったのが伊豆高原駅への近道を記した看板。
「恋人の小路って書いてあるよ?」
本当に駅への近道なのか不明だけれど、恋人の小路の文言につられて歩を進める。
「一体どこが恋人の小路なんだろ?」
歩いた道は確かに伊豆高原駅への近道だったようだけど、無理矢理作ったあぜ道のような足元の悪い土の上!
所々に木の根が露出していて、日が暮れてからだったら、つまずいて転んでしまいそうな状態である。
写真は恋人の小路を抜けた場所から撮影したため、「ミュージアム通りへの近道」となってるね。
どお?この道なんだけど?恋人向き?
SNAEKPIPEのように、いつでもアーミーブーツを履いている女性ならまだしも、ハイヒール履いた女性はご用心!(笑)

伊豆地方は東京や千葉よりも2℃くらい気温が高いことは、毎日見る天気予報で知っていた。
今回出かけた伊豆高原は、そこまでの暖かさは感じなかったけれど、やっぱり伊豆。
もう桜が満開だったんだよね!
一足早くキレイな桜が鑑賞できて、もう一つプレゼントが加わったよ。
ROCKHURRAH、本当にどうもありがとう!

大人社会科見学—明治大学博物館・爆音劇場—

【鉄の処女と爆音劇場原画展DM】

SNAKEPIPE WROTE:

本来であれば歌川国芳展後半戦を鑑賞するつもりでいたROCKHURRAHと友人Mを加えた3人組。
先日の「人と人の隙間から『覗き』みたいな感じで鑑賞する」のにはこりごりだったため、急遽予定を変更!
前々より行ってみたい場所だった明治大学に足を運ぶことにした。
何故明治大学なのか?と疑問に思われる方も多いだろうね。
なぜなら明治大学には博物館があり、その中に「刑事関係資料」の展示を扱うコーナーがあることを聞き知っていたからなのである。

「江戸の捕者具、日本や諸外国の拷問・処刑具など人権抑圧の歴史を語り伝える実物資料をご覧ください。とくにギロチン、ニュルンベルクの鉄の処女は、我が国唯一の展示資料です。」

と説明されているように、明治大学博物館の目玉(?)はギロチンと鉄の処女!
是非とも鑑賞してみたい!と思うのはSNAKEPIPEだけではないでしょ?(笑)
江戸時代の補者道具や刑罰についての資料も同時に展示されているとのこと。
これは興味津々!

御茶ノ水駅から歩いてほんの数分の所に明治大学はあった。
この年齢になって初めて大学キャンパス内を歩くSNAKEPIPE。
聞いてみるとROCKHURRAHは友人がいた九州大学に、友人Mは学園祭などで早稲田大学に遊びに行ったことがあると言う。
一度も経験がないのはSNAKEPIPEだけみたいだけど、結局3人共大学生活を送ったことがないという点では一致してるんだよね。(笑)

明治大学の博物館はアカデミーコモンの地下にある。
いつでも誰でも鑑賞することができるという、なんとも太っ腹な対応にびっくり。
しかも業務用ではない個人的な撮影はオッケーと書いてあり、より一層好感を持つ。
商品部門、刑事部門、考古部門とそれぞれセクションで区切られ、係員も警備員もいない状態で展示がされている。
鑑賞に訪れている人が意外と多くてびっくり。
やっぱり人気は「ギロチン」の刑事部門だった。

よく時代劇などでみかける「刺又(さすまた)」やお役人が持っている「十手」の展示から始まる刑事部門。
「刺又」や「突棒」などの補者道具は、時代劇ではハッキリ判らなかったけれど、じっくり詳細を眺めると細工の細かさや棒の長さや重量などを推測することができてとても興味深い。
あの長い棒を振り回せるのは、かなりの体力自慢じゃないと無理だろうね。
江戸時代の男性の体格について調べたことはないけれど、恐らく現代人よりは小柄で体重も軽かったんじゃないかしら?
棒を持つコツがあったのかもしれないね?(笑)

自白を強要するための措置として設けられたのが「笞打(むちうち)」「石抱(いしだき)」「海老責(えびぜめ)」「釣責(つるしぜめ)」で、列記した順番にどんどん辛い責めになるという。
その装置の展示と、「こんな感じだよ」という絵の展示がされていた。
SNAKEPIPEには「釣責」よりも「海老責」のほうが辛そうに見えたんだけど、実際に責めを受けたことがないから判断できないよね。(笑)
「恐れ入りました」と言うまで拷問が続いた、と書いてあったよ。

一番衝撃的だったのは、1869年(明治2年)に外国人によって撮影された処刑写真の展示である。
店の小僧が強盗に手引きをしてその店を襲わせ金を奪った、という事件内容だったと思う。
手引きをした小僧は磔刑、強盗は斬首という裁きを受けたらしく、その様子が写真として残っていたとは驚き。
教科書などで習う「明治時代」というのは「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」のように明治時代=西洋文化だと思っていたSNAKEPIPEだったけれど、写真の明治2年では頭を結った着物姿。
年号が変わっても庶民の生活や文化はまだそれほど変化してなかったことが判る。
これはちょっとした発見だったね!
そして当時の裁きの厳しさにもビックリしちゃうよね。
密通でも死罪と書いてあったよ?
現代よりも道徳に厳しかったみたいだね。

この写真展示がかなり衝撃的だったため、国内唯一の展示品である「ギロチン」と「鉄の処女」にはそんなに感動しなかった。
どちらもレプリカで、恐らく縮尺も変えてあるだろうから余計かもしれないね。
そして「鉄の処女」の造りをジッと観て、3人共に同じ感想を持つ。
「扉を閉めるの、大変だったろうね?」
「鉄の処女」は中が空洞になった立った棺のような内部に、様々な長さの釘が打ち付けられていて、中に人が入り扉を閉めることで釘が全身に刺さる仕組みになっている拷問具なのである。
扉を閉めた瞬間には、釘が全身を貫いていることになる寸法だから、余程の力自慢じゃないとできない作業だと思われる。
調べてみると「空想上の拷問具の再現ではないか」という説が多いとのこと。
やっぱり!無理があるなと思ったからね!

明治大学にはミュージアムショップもあり、そこには「鉄の処女」をモチーフにしたTシャツや便箋などが販売されていた。
SNAKEPIPEが興味を持ったのが「土偶のコースター」。
博物館には考古部門もあり、「土偶」と遭遇!(韻を踏んでる)
あのカタチは不思議でならないよね。
古代宇宙飛行士説なども確かに考えられるかも、などと思いを馳せるSNAKEPIPE。
土偶コースター、とっても素敵!買うっ!
と勢いづいているSNAKEPIPEを横目で見る友人M。
いいよね?とROCKHURRAHに同意を求めても、すぐには反応なし!
えー?なんでー?
ものすごく気に入ったので購入したSNAKEPIPE。
今見てもやっぱりとってもかわいい!土偶ちゃん、最高!(笑)

この日の大人社会科見学はまだ続き、なんと御茶ノ水から原宿に移動!
眠くなったから帰る、と友人Mはこの時点で脱落。(笑)
原宿に行くのなんて何年ぶりだろう?
恐らく5、6年は行っていないはず。
以前の用事が何だったのかも忘れてるよー。とほほ。
今回の原宿行きは友人である漫画家丹波鉄心氏の原画展の鑑賞が目的である。
「え~!A STORE ROBOTが会場だってよ~!」
と叫んでしまったSNAKEPIPE。
ROBOT…なんて懐かしい響き!
遠い昔、そうSNAKEPIPEがまだまだ子供だった時には、ほぼ毎週のように通っていた憧れのお店だったROBOT…。
JUMPIN’, KICKIN’, TWISTIN’ SHOES」や「ファッション雑誌なんかいらない!」でも書いたことがあったね。
「お小遣いに対してROBOTのラバーソールは目ん玉飛び出るほど高くて、それでも欲しくて欲しくて買った一番の宝物だった」
うっ、懐かしい過去の自分にタイムスリップして涙が出そうなくらい!
俺も良く通ったもんだよ、とROCKHURRAHも遠い目をする。
何年どころじゃない、何十年ぶりか判らない程の長い年月を経て、ROCKHURRAHと二人でROBOTに向かったのである。

それにしても…かつてはあんなに足繁く通っていた道のりだったはずなのに、二人共すっかり忘れているとはね。
街並みが変化したせいもあるけれど、人の記憶の曖昧さを再認識させられますなあ。(笑)
店舗に到着してやっと「こんな建物だったな」とうっすら思い出す始末。
ああ、情けない!

ROBOTに足を踏み入れると、赤×黒のモヘアボーダーセーターを着た丹波鉄心氏の姿が目に入る。
手土産のビールを渡すと、とても嬉しそうにしてくれた。
そしてすぐさま栓を抜く鉄心氏。
な、なんと!MY栓抜き持参とは!さすが鉄心氏、やるねえ!(笑)

と、ここで丹波鉄心氏の簡単なプロフィール紹介をしようか。
丹波鉄心氏は少年マガジンで漫画家デビューを果たし、音楽雑誌「DOLL」で4コマ漫画を連載していたパンク漫画家である。
きっとそう聞けば「ああ、あの漫画!」と思い当たる方も多いと思う。
熱烈なファン、いっぱいいただろうからね!
漫画家というと部屋にこもりきりのイメージがあるけれど、鉄心氏はパンク系のライブといえば必ず顔を出すアクティブ&アグレッシブな方!
SNAKEPIPEは恐らく10年程前にライブにご一緒したのが縁で、不定期にライブ参戦や飲み会などでお付き合いをさせて頂いている仲である。
鉄心氏は音楽についてはもちろんのこと、映画や小説などあらゆる分野における知識をお持ちなので、一緒に飲んでて楽しいんだよね!
新しい情報も積極的に取り入れる柔軟な方だなあ、といつも感心してしまう。
キチンと健康管理もされているようで、お会いする度にどんどん体脂肪が減っているように見受けられる。
やっぱりパンクはスリムじゃないとね!(笑)

今回はその「DOLL」で連載をされていた4コマ漫画の原画を展示、そして1999年から始まった10年分の連載をオリジナル単行本「丹波鉄心の爆音劇場 総集編」として販売しているのである。
なんとこの単行本、限定100部でサイン入り!
これは絶対に買わなければ!(笑)
ちなみに購入した単行本のナンバーは68/100!
残念、せっかくだったら69が良かったのになあ!
いや、ROCKHURRAHだから68でいいか。(笑)
それにしても、鉄心氏の漫画はとても面白い。
普段は無口なROCKHURRAHが声を出して笑ってたくらいだよ!(笑)

この原画展は2月19日まで開催しているので、是非ROBOTまで足を運んでね。
どうしても期間中原宿に行かれない方には、ROBOTの通販で購入する手もあるよ!
鉄心氏のオリジナルグッズとして「オヤジクッション」や「マカロンブローチSET」などもあり、鉄心氏から
「バッジ、買わない?」
と強くお薦めをされたSNAKEPIPEだけれど、ごめんなさい勇気がなくて。(笑)
目立つこと間違いなし!のブローチなので、是非みなさん購入しましょうね!

今回の大人社会科見学は「鉄の処女」と「丹波鉄心」で、「鉄つながり」の一日だったなあ!(笑)
おあとがよろしいようで!