デヴィッド・リンチ Industrial Fantasy 鑑賞

20190602 top
【スクールデレック芸術社会学研究所入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

今年のGWに鑑賞した「デヴィッド ・ リンチ_精神的辺境の帝国展」で、5月10日から開催されるデヴィッド・リンチ写真展のフライヤーを受け取った。
リンチの絵画展で、開催予定の写真展を知るなんて幸せだわ。(笑)
会場として書いてあるのはSgùrr Dearg、読み方が分からないので、スペルをそのまま打ち込んで検索する。
スクールデレック、と読むんだね。(笑)
おや?これは2008年に松井冬子のトーク・イベントに行った「ナディッフ」の場所じゃないの!
その時の様子については「好き好きアーツ!#03 松井冬子&金村修」に書いてあるのでご参照下され。(笑)
そのナディッフ2Fに、現在「スクールデレック芸術社会学研究所」が設立されている。

ここの所長である飯田高誉さん、 かなりのリンチ・フリークらしく、リンチ系の企画は全てこの方の手によるものだと判明!
もしかしたら1991年の東高現代美術館で、SNAKEPIPEと友人Mの往復はがきを受け取ってくれた方かもしれないよね?
この時の話は「好き好きアーツ!#16 DAVID LYNCH—Hand of Dreams」にまとめているので、詳しくはこちらをご覧あれ。
もしあの時の方だったとしたら、本当にありがとうございました!(笑)
1998年のパルコギャラリーにおけるリンチの写真展も、2012年のラフォーレ原宿の展覧会も、この方の手によるもの。
今まで手がけた企画・展覧会を見ると、SNAKEPIPEの好みに合ってるんだよね。
飯田高誉さんがキュレーターとして選んだ作品やアーティストは、間違いない!
飯田さんが絡む企画、チェックだね。

前に書いた「GYRE GALLERY」での展覧会は、とても無料とは思えないほど展示作品数が多く、大満足だった。
今回のスクールデレックは、どんな会場なんだろうね?
ROCKHURRAHとSNAKEPIPE、まずは恵比寿に出かけてみることにする。
最近はほとんど写真美術館にも出かけていないので、恵比寿に行くのは久しぶりだなあ。
調べてみたら2012年8月に「田村彰英—夢の光/鋤田正義—SOUND&VISION」を鑑賞していることが分かった。
なんと今から7年も前だって。
一応写真美術館の企画はチェックしているんだけど、「これは!」と思う展覧会ではないんだよね。

この日は5月でも特に日差しが強い日で、SNAKEPIPEは日傘を差して日焼け防止する。
スクールデレックの場所、ちょっと分かりづらいんだよね。
方向音痴に加え、久しぶりの恵比寿、迷わないわけがない。(笑)
ROCKHURRAHがGoogleマップで検索しながら道案内してくれる。
SNAKEPIPEは「なんとなく」覚えていたけれど、いつも通り、かなり曖昧な記憶だったね。

1Fは「ナディッフ」でアート系の書物やグッズが販売されている。
お目当てはリンチ展のため、2F会場に向かう。
TOPの画像にあるように入り口はすぐに分かり、会場内部に入ってみる。
誰もいない!
しかもちょっと暗めの部屋に写真が数点、中央のスクリーンには何やら風景が映し出されている。
撮影許可について尋ねようと、本棚の後ろにいる女性に声をかけるとオッケーとの返事が。
またバシバシ撮影させてもらおう!
そしてSNAKEPIPEが非常に驚いたのは、受付の女性の息を呑むほどの美貌!
あまりにびっくりしたせいで、前の文章に「の」が4つも入ってるじゃないのっ! (笑)
作品鑑賞以外に、目の保養として受付女性にご挨拶というのもアリですな。

再び会場に戻るROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
今回はリンチの1980年代から2000年にかけて撮影された写真群の展覧会で、作品数は全部で8点。
タイトルにあるように「インダストリアル」な雰囲気がある作品が多かったよ。
照明はオレンジがかった色調だったので、撮影した画像が影響を受けている。
フィルター着けたわけじゃなくて、会場で撮影したらこうなってたんだよね。
こちらの作品は「untitled ニュージャージー 13:7」だって。
遠くに霞むビルを、川のこちらサイドから眺めるというのは、どうして寂寥感を伴うのだろうか。
「あっち側」と「こっち側」で住む世界が違っているように感じてしまうからかもしれない。

今回の展覧会用フライヤーで使用された画像がこれ。
1980年代の終わり頃から1990年代初頭に撮影されたイギリスの写真との説明がされている。
この写真は、前にもどこかで観ているんだよね。
SNAKEPIPEが所蔵している(大げさ!)リンチ関連本をパラパラめくっていたら、1999年にフィルムアート社から出版されているリンチの本の中に似た写真を発見!
「インダストリアル・イメージ」と題されて載っていたよ。
今回の写真と少し角度が違っているんだけど、どちらも非常にカッコ良い。
これはポスターあったら購入して、部屋に飾りたい作品だね!

今回の展示は、全てガラス付きの額に入った状態だったので、反射した光を取り込まないように撮影するのに苦労したよ。
この画像はROCKHURRAHが撮影したもの。
SNAKEPIPEのほうは、自分の影まで写り込んでいて大失敗だったよ。(笑)
工場跡地(?)にある水たまりに映った光を捉えた作品なのかな。
淀んでいた泥水に光が差し込み、神々しさすら感じてしまうんだよね。
これぞまさに「インダストリアル・ファンタジー」というタイトル通り!
リンチが得意にしている、相反する単語による造語だな、と想像しながら鑑賞した作品だよ。

会場中央にあるスクリーンに映し出されていたのは、リンチの作品だと勘違いしてしまった。
どうやら「リンチにインスパイアされた作品」ということだったらしい。
1987年東京都生まれで、2014年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了した伊藤久也の「BLACK OUT」は、いくつもの映像をつなぎ合わせた10分ほどの作品だった。
撮りたくなるのが分かるシーンがいくつもあって、ニヤリとしてしまう。

インダストリアルなシーンの中にも、霧で遠くが霞んで見えるような風景も混ざり、リンチへのオマージュだな、と感じた。
画像のトンネルはネガとポジの両方を交互に見せていて、前に書いたリンチの二律背反を表しているのかもしれないね。
伊藤久也という方の作品は、今回初鑑賞。
またどこかでお目にかかるかもね?

2Fの展示はここまでで、帰ろうとした時にギャラリー入り口付近にある本棚に目をやる。
これはもしかしてスクールデレック芸術社会学研究所の図書なのかな。
SNAKEPIPEも所持している本も何冊かあったけど、素晴らしいラインナップにため息がでるほど。
「ここの本、全部欲しい!」
と思ってしまったよ。(笑)

3Fにも展示作品があるようなので、行ってみる。
ここはMEMというギャラリーで、北山善夫の「事件」が開催されていた。
212cm×152.5cmの大きな作品が展示されている。
一瞬織物なのかと思い、近寄ってみる。
今度はシルクスクリーンによる版画なのかと思い、更に近付いてみる。
和紙にインクで手描きしているんです、と受付の女性から教えてもらう。
撮影の許可も頂いたので、パシャッ!
これだけの大きさを、点描みたいな手法で描きこんでいくのってものすごく根気が要る作業だよね。
これは2週間前の「百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして 鑑賞」 に登場した手塚愛子や関根直子の先輩ってことになるのかな。
北山善夫のプロフィールを調べてみると1948年生まれとのことなので、今年71歳くらい?
若手アーティストの作品だと思って鑑賞していたので、驚いてしまった。
現役で活躍しているアーティストなんだよね!

「隣の部屋にも作品ありますよ」 
受付の女性が声をかけてくれる。
この女性も、スクールデレックにいた女性同様美しい方だったよ。
髪型が80年代風なので、親近感を覚えてしまうね。(笑) 
隣の部屋に行ってみる。
「こっ、これはっ!」
地獄絵巻の阿鼻叫喚図とでも言ったら良いのだろうか。
ホロコーストを表しているかのような、苦しみ悶える人々の群れ、群れ、群れ!

「すごいね、この梅干し人形は」
平然とした顔でROCKHURRAHが言う。
梅干し人形?!(笑)
いやあ、まあ、言われたら確かに梅干しに顔を描いたみたいだけどさ。
なんで勝手にネーミングしてるんだか?
タイトルは「生まれて 生きて 死ぬことを知り得る」で、2019年の作品だという。
どうやら人型の粘土の彫刻を最初に制作し、それから絵画にしているようだね。
インパクトのある作品を鑑賞することができてラッキーだったよ!

「ナディッフアパート」で3人のアーティストの作品を鑑賞することになったけれど、共通項はモノクロームだったね。
そしてリンチも北山善夫も70代のアーティスト!
これからも作品を発表し続けてもらいたいと思った。
そして今回初めて行ったスクールデレックとMEMは、要チェックだね。
厚みのある紙の素敵なフライヤーも嬉しかった!
次はどんな企画を立ててくれるのか、楽しみに待っていよう。(笑)

田村彰英—夢の光/鋤田正義—SOUND&VISION

20120812_top【東京都写真美術館の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

「鋤田正義の展覧会があるよ!」
とROCKHURRAHがやや興奮気味に話しかけてくる。
鋤田正義って誰?(笑)
どうやら写真家のようだけど、SNAKEPIPEは全く今まで名前すら知らない方。
まずはROCKHURRAHに語ってもらいましょ。

鋤田正義の名前を知らなくても、70〜80年代のロックやパンク、ニュー・ウェイブのレコードを買い漁った人ならば、必ずどこかでこの人の写真を見た事があるに違いない。
それくらいにロックの世界では有名な写真家だ。
ROCKHURRAHもデヴィッド・ボウイ「Heroes」のレコード・ジャケットをはじめ、T-REX、イギー・ポップYMOなどなど、 数多くの ミュージシャンのジャケットや音楽雑誌などで昔から知っていた。
「ロックマガジン」や「Zoo(音楽雑誌「Doll」の前身)の表紙 とかでもこの名前は有名だったもんね。
実はロック名盤というような王道のレコードをほとんど持ってなかった、ひねくれ者のROCKHURRAHでさえ知ってるメジャーな写真家だったわけだ。
海外でここまで活躍するSUKITA恐るべしと思ったものだ。
誰でも知ってるメジャーどころのミュージシャンだけでなく、ジェームス・チャンスのコントーションズや東京ロッカーズ、また「時に忘れられた人々(ウチのブログのシリーズ記事)」も真っ青な「完全に忘れてたよ」と言いたくなるような時代の仇花ミュージシャンまで分け隔てなく、カッコ良く撮ってるところがすごい。<以上、ROCKHURRAH談>

うーん、なるほど。
展覧会が開催されるのは東京都写真美術館とのことなので、まずはHPで情報を集めることにする。
「デヴィッド・ボウイのこの写真は観たことあるよ!あっ、YMOも!」
これは是非行ってみよう!と話が弾む。
写真美術館での他の展示はなんだろう、と調べて非常に気になったのが田村彰英の展覧会。
なんと日本にある米軍基地を撮った作品が展示されてるなんて、これも絶対鑑賞しなければ!
ROCKとミリタリー好きのROCKHURRAHとSNAKEPIPEにピッタリの企画だね!

世の中はお盆休みに入っているせいか、東京の人口が普段より少ないように思える8月11日。
電車も恵比寿界隈もガランとしていて心地良い。
いつもこれくらい密度が低いと過ごし易いのになあ。(笑)
ただしいつ雨が降ってもおかしくない高い湿度は不快だね。
降るなら降ってしまえばすっきりするのに。

前回東京都写真美術館に来たのは、2011年10月「畠山直哉展 Natural Stories」なので、約1年ぶりということになるね。
もしかしたらその時と現在の東京都写真美術館のチケット販売方法違ってないかな?
前は展覧会単品と全てのフロア鑑賞券みたいな2種類だったように記憶しているんだけど、今回は3つの会場で料金が発生する展覧会を開催していたせいか、2つ以上展覧会を鑑賞したい場合の料金はお高め。
ちなみに3つの会場全てを鑑賞する場合には1名様1700円もかかる計算だよ!
こんな料金設定だと、何かしらの値引きがある人以外は来館しなくなっちゃうよ? ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは田村彰英と鋤田正義の2つ鑑賞したいので1250円也。
まずは地下会場で開催されている鋤田正義から鑑賞することにした。

あとから気付いたんだけど、鋤田正義の展覧会はこの日が初日だったのね。(笑)
時間が割と早めだったせいもあり、お客さんの入りはそこまで多くなかったので鑑賞し易いね!
値段が高めのせいだからか、お客さんの年齢もやや高め…。(笑)
はっ、その「高めの年齢層」の中にROCKHURRAHとSNAKEPIPEも入ってるってことか!(ガーン)
鋤田正義の有名な作品が70年代から80年代というのも理由なんだろうけどね。
いや、モデルが有名人だから写真がすごい、というだけじゃないよ!
ファッション雑誌に掲載されたという広告写真の素晴らしさったら!
1968年の作品とのことだけど、今観ても斬新でカッコ良いんだよね。
こういう業界からスタートしてるから、やっぱりセンスが違うんだろうね。

20120812_01鋤田正義の作品として最も有名なのは、やっぱりデヴィッド・ボウイなんだろうね。
会場入ってすぐの壁一面もボウイ。
山本寛斎デザインのコスチュームに身を包んだボウイは、両性具有の謎の美しい人物。
そして「Heros」のジャケット写真のコンタクトプリントが興味深い。
様々な表情を見せるボウイもさることながら、選択したコマに赤いダーマトグラフで印が付いているのに目が釘付け!
採用されたコマも、実際に使用されている時にはトリミングされていたとは!
せっかく6×6で撮影しているのに、残念だねえ。

他に展覧会で面白かったのが、ポスターみたいに作品を天井から床まで下げて展示していたブース。
様々なアーティストを撮影してるんだねえ。
そしてROCKHURRAHと名前当てクイズをするのも楽しかった。
さすがROCKHURRAHはほとんどのミュージシャンの名前を言い当ててたよ!
顔を見ても名前が思い出せない人がいたり、普段とは全然違う顔で写っている人を発見したりもしたけどね。
日本人と外国人の割合が半々くらいで、いかに鋤田正義が海外でも有名なのかが良く分かる。

肖像写真家、と聞いてパッと浮かぶのはナダールアウグスト・ザンダー(古い!)、ハーブ・リッツアニー・リーボヴィッツかな。
世界の著名人を撮影している、有名な写真家達だ。
日本人で世界的に有名なアーティストを撮影している人なんて今まで全く知らなかったので、今回の展覧会にはびっくりした。
鋤田正義にはもっと頑張ってもらいたいなあ。
ただ、2012年の現在、どうしても撮影したいと思えるような人物はいるんだろうか?
鋤田正義に是非聞いてみたいものだ。

20120812_02さて次は展覧会場2階で開催されている田村彰英「夢の光」展へ。
実をいうと田村彰英の名前は昔買っていたアサヒカメラなどで見かけた気がするんだけど、「代表作は何?」と聞かれても答えられないSNAKEPIPE。
あまり予備知識がないまま会場入りする。
ではここで田村彰英のプロフィールをご本人のHPから引用させて頂くことにしよう。

1947年 東京生まれ。
20歳の時に撮影した作品が、ニューヨーク近代美術館の永久保存になる。
多くの作品が東京国立近代美術館、山口県立美術館、東京都写真美術館、川崎市市民ミユージアムなどに永久保存になる。
その他多くの写真展を開催。
東京綜合写真専門学校、東京造形大学の講師として30年間歴任。
黒澤明監督作品の応援スチールとして、「影武者」「乱」「夢」「八月のラプソデイー」に参加。
アサヒカメラ、日本カメラのフォトコンテスト審査員歴任。2002年度全国高校総合文化祭,写真部門審員長担当。
2003年度日本カメラフォトコンテスト、カラースライドの部審査員担当。

東京綜合写真専門学校に在学していた時から、校長であった重森弘淹から「徹底して感性的な写真家」との高い評価を受けていたと書いてある。
40年以上続く写真活動の軌跡をたどった今回の展覧会は見ごたえ充分!
それぞれのセクションごとに感想をまとめてみようか。

『BASE』
1960年代後半から1970年代前半にかけて、国内の米軍基地を撮影したシリーズ。
航空雑誌を見てカメラマンになりたいと思い写真を始めたと語っている飛行機好きの田村彰英らしく、「BASE」の主役は飛行機だ。
確かに「大人社会科見学—横田基地日米友好祭2010—」の時に、間近に見た戦闘機は金属的な輝きと無駄のないフォルムが美しかったからね!
そしてアメリカへの憧れというのも良く分かるなあ。
モノクロームで表現されるアメリカらしい白いフェンスの写真がカッコ良い!

『家』 『道』
「家」は1967年から2年を費やして造成された宅地に家が建っていく様子を撮影したシリーズ。
「道」は1976年から5年かけて横浜横須賀道路が作られていく様子を写したシリーズとのこと。
定点観測、ということになるよね。
長い年月をかけて、何度も同じ場所を繰り返し撮影するという行為だけでもすごいのに、それを作品にしちゃうところがもっとすごい!(笑)
そしてi家」が前述したニューヨーク近代美術館のディレクターだったジョン・シャーカフスキーの目に留まることになるのである。
きっと田村彰英という人はコンセプトを考えるのも得意な人なんだろうね。
衝動だけで撮影しない写真家って、右脳と左脳の両方が発達しているんだろうなあ。

『午後』
1971年から1973年までの3年間、30回シリーズとして美術手帳に連載されていたシリーズとのこと。
今回の展覧会の中で一番SNAKEPIPEが感銘を受けたのがこのシリーズなんだよね。
モチーフの選択。
構図の決め方。
光と影のバランス。
そのどれをとっても非の打ちどころがなく、完璧としかいいようがない。
きっと写真を良く知らない人が観たら
「この写真は一体何?」
としか思わないかもしれない。
でも写真を作品として完成させたいと思って撮影をしたことがある人なら、きっとこのシリーズを観て歯ぎしりするはずだ。
SNAKEPIPEも観ていて悔しくなった。
だって、SNAKEPIPEが目指していた方向の全てが、先に撮影されていたことに気付いたからね。

『湾岸』
HouseやRoadと同じような定点観測のスタイルだけれど、ポジフィルムを使用し2枚1組で展示する方法にしたシリーズ。
2枚の写真の違いは時間的なズレの場合と、視点的なズレの両方があり、まるで間違い探しをするように鑑賞してしまった。(笑)
この撮影方法や展示方法も、いわゆる写真家の作品というよりは、現代アートに属している感じがするね。
レンズに付けたフィルターのせいなのか、カラーの色味がとてもキレイだった。
このシリーズのポストカードがあったら購入したかったなあ!

「湾岸」シリーズのプリント方法が「発色現像方式印画」と書かれているのが非常に気になる!
今まで観たことがある写真の展示で、こんな種類あったのかなあ?
「湾岸」のプリントの色味のせいなのか?
何か新しい方法なのか?
帰宅してから調べてみて納得。
結局は普通のカラー印画紙のことだったんだね。
最近はモノクロ写真の場合にもシルバー・ゼラチン・プリントって書いてあるように、いわゆる「暗室に入って現像した印画」のことを指すとのこと。
フィルムを知っている世代には当たり前のことだけど、最近はデジタルカメラを使い、プリンターで印刷する写真もあるからね。
そのための表記だったと判って愕然としちゃったよ。
これもまた時代、なのかねえ。(とほほ)

『赤陽』
8×10カメラに100年以上前に製造されたレンズを使用して風化した木造建築を撮影したシリーズ。
1989年よりスタートした元号「平成」に逆らうかのように、「赤陽」は過ぎ去った昭和へのノスタルジーだ。
少しでも昭和的な風景を残しておきたい、という記録者としての意味もあっただろう。
そして恐らく一番大きな理由は「昭和が好きだから」じゃないだろうか。

『名もなき風景のために』
撮り方によってはドキュメンタリー写真なんだろうけど、田村彰英の手にかかると単なる記録写真じゃなくて作品になってしまうから不思議だ。
カメラマンと写真家の違いがよく解る。
そして2011年に鑑賞し、残念に感じた畠山直哉にもこんな仕事をして欲しかったな、と改めて思ってしまった。

『BASE2005-2012』
デビュー作であるBASEから40年を経て、また田村彰英が基地を撮影しているシリーズ。
やっぱり好きな物は好き、という感じで戦闘機の写真が並ぶ。
うん、解るよ!だってカッコ良いもんね!(笑)
今回は6枚しか展示されていなかったので、まだシリーズとしてどうのと感想は言えないけれど、きっとまた違った切り口で魅せてくれるように思う。
どんなシリーズが出来上がるのかとても楽しみだ。

今回鑑賞した2人の写真家共、フィルムを使って撮影をしてるんだよね。
デジタルでは表現しきれない部分を再認識することができたように思う。
SNAKEPIPEもかつてはフィルムを使用し、自分で現像~焼き付けやってたからね。
金銭的な問題、省スペース化、簡略化が技術の進歩を生んだんだろうけど、お金かかっても、場所を取って面倒なことでも、残しておいたほうが良いアナログなことっていっぱいあるんだろうね。
SNAKEPIPEも昭和に戻りたくなったよ。(笑)

畠山直哉展 Natural Stories

【東京都写真美術館入り口にあったポスター。ビルが写り込んでるところが良いね!】

SNAKEPIPE WROTE:

10月1日より東京都写真美術館で「畠山直哉展 Natural Stories」が開催されている。
畠山直哉氏といえば!
このブログの大好評シリーズである「好き好きアーツ!」の第一弾で特集した、SNAKEPIPE大のお気に入りの写真家なのである。
『「好きな写真家は?」と質問されたら「畠山直哉!」と即答する。
もちろん他にもたくさん好きな写真家はいるけれど、一番は畠山氏である。』
と書いたのが2008年8月のこと。
その中にも記述しているけれど、SNAKEPIPEは1996年頃から畠山直哉氏のファン。
とは言っても最近の活動についてはほとんど情報を得ていなかった。
もっとも畠山直哉氏だけに限らず、写真全体に関して興味を失っていた、というほうが正解なのかもしれない。
最近は全く撮影をしていないしね。
今は様々な作品を鑑賞することに興味が移っていて、展覧会情報をチェックし、面白そうな企画があったら足を運ぶことが楽しみなのである。

「畠山直哉個展開催」の情報はまだ暑かった頃に知った。
先のことで待ち遠しい、と思っていたのに…月日の経過の速いことよ。
あっという間に10月になってしまった。
秋晴れの少し汗ばむくらいの気温の日、恵比寿にある東京都写真美術館に足を運んだ。
この美術館に来るのはかなり久しぶりのことだ。
前回行ったのは川田喜久治の展覧会「世界劇場」だったかも?
調べてみたら2003年だって!ひゃあ~!8年も前か~!(笑)
毎回展覧会情報のチェックの中に写真美術館も入っているので、余程SNAKEPIPEの琴線に触れる企画がないってことなんだろうな。
もう少し頑張ってくれよ、写真美術館!

畠山直哉氏首都圏での初個展とのこと、かなりワクワクドキドキしながら会場へ。
「作品にはキャプションがありませんのでお持ち下さい」
受付で作品リストを手渡される。
ふーむ、キャプション無しって珍しいかも?
休日にもかかわらず、人の入りはまばら。
作品鑑賞するのには良い環境だね!(笑)

初めに目に飛び込んできたのは山の写真。
あれ?なんだか違う…?これではまるで山岳写真だ。
「畠山直哉ってこういう写真撮る人なの?」
とROCKHURRAHが怪訝そうに尋ねてくる。
「うっ、違うはず…なんだけど…」
前述したように最近の写真界、そして畠山直哉氏の動向について情報を得ていなかったSNAKEPIPEなので確実な答が返せないのがもどかしい。
「畠山直哉、変わっちゃったのかなあ?」
と首をかしげながら鑑賞している途中だったので、尚更である。

展示順に「もうひとつの山」「テリル」「アトモス」「シエル・トンベ」「ヴェストファーレン」と鑑賞し、撮影年度を確認するとやっぱりSNAKEPIPEが追いかけていた時代より後の外国で撮った写真である。
畠山直哉氏のその後をやっと知ることができたわけだ。(笑)
そしてやっと「ライム・ヒルズ」になり安心してしまった。
やっぱりSNAKEPIPEは「ライム・ヒルズ」のシリーズが大好き!
確かに見比べると「テリル」は雰囲気が似ているかもしれない。
けれども明らかに違うのはインダストリアルなオブジェクトの有無である。
「自然と都市」を表現していた写真集「ライム・ワークス」には工場写真が多く入っていたからね。
そこに魅力を感じていたんだな、と改めて気付く。
どの写真も畠山直哉氏らしい「静謐さ」を感じることはできるけれど、やっぱりなんとなく物足りなさを感じてしまった。
そして以前の写真ではあり得なかった「写真の中に人物が入っている」点にも驚いた。
人を風景の一部と考えて写り込んでも構わなかったのかもしれないけれど、「ライム・ワークス」と「アンダーグラウンド」でファンになったSNAKEPIPEには不満が残る。
SNAKEPIPEが持っている畠山直哉氏の印象は
・日本の風景なのにどこかの外国みたいにカッコ良い無人の風景写真を撮る
・だまし写真のように不思議な風景を切り取る写真家
・現代アートに通じる観念や理論を持ち、写真を語れるインテリ
である。
こんな3種の神器ならぬ、3本の金棒を持つ憧れの写真家のその後の活動が…今回の展示作品とは!
日本の風景を外国の景色に変化させてしまうマジシャン的魔力は、実際に外国の風景に対峙した時に発揮できなかったのだろうか。
今「好きな写真家は」と問われても「2003年頃までの畠山直哉!」という言い方になってしまいそうなのが残念である。
インダストリアル好き、というSNAKEPIPEの好みの問題なんだろうね。

以前から数枚の写真や情報だけ知っていた「ブラスト」のシリーズが連続写真、しかも大迫力の300インチ大画面で鑑賞することができたのは嬉しかった。
「ブラスト」というのは石灰岩の採掘の際、山を切り崩すために発破をかける現場を小型カメラで連続撮影した作品である。
畠山直哉氏は「光のマケット」など写真を使った現代アート、といったほうがしっくりくるような作品を今までに発表していて、「ブラスト」も勝手にそんな作品なんだろうと予想していたSNAKEPIPE。
今回のパラパラ写真(笑)を鑑賞して、その思いを強くした。
ダイナマイトの爆発により、岩が粉々にコマ送りのように砕け散っていく様子はまるでクレイ・アニメのようで興味深かった。
一羽の鳥が爆発現場から飛び去る最後の展示作品「ア・バード/ブラスト」は、アートとしても秀逸だと思うし、畠山直哉氏の思いを受け取ったような気がした。
このブログではあえて詳しく書かないけれど、畠山直哉氏は岩手県陸前高田の出身なのである。
地震後の地元の写真も展示されていたが、SNAKEPIPEには書くべき言葉が見つからない。

これからの畠山直哉氏がどのように変化していくのか。
また見つめていきたいと思う。

モホイ=ナジ/イン・モーション

【JR佐倉駅から出ている川村記念美術館行きのバス停にて撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

9月17日からDIC川村記念美術館にて「視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション」展が開催されている。
この美術館、千葉県民でも知らない人が多いのじゃなかろうか。
地理的にはほとんど成田という佐倉市にあるため、成田空港に用事がある方だったら通過し名前くらいは知ってるかもしれないけどね?
かくいうSNAKEPIPEも千葉県民でありながら、今まで佐倉駅で下車したのはたった一度だけ。
その時も川村記念美術館に行くのが目的だったけれど、今から何年も前のことだし、思ったより到着に時間がかかり閉館30分前に入館、あたふたと鑑賞して帰ったはず…。
と、いうことでSNAKEPIPEお得意の「あんまりよく覚えていない」記憶といえよう。(笑)
ただ、その「あたふたと鑑賞」した絵画のことだけはよく覚えている。
お目当てはマーク・ロスコの「ロスコ・ルーム」だったのである。
もう一度ゆっくり鑑賞してみたい、と思いながら長~い月日が経過。(笑)
今回「モホイ=ナジ」展が開催されることを知り、あわよくば「ロスコ・ルーム」も鑑賞できたらいいな!と期待を込めて開催日初日に佐倉に向かったのである。
「モホイ=ナジ」と今回の展覧会名に合わせて書いてみたけれど、SNAKEPIPEにとっては「モホリ=ナギ」のほうがしっくり来る。
今まで目にしてきた表記が「モホリ=ナギ」だったからだ。
表記って時代で変化するんだね?
ここから先は「モホリ=ナギ」で統一しようと思うので夜露死苦!

ここで簡単なDIC川村記念美術館についてのご説明を。
「DIC川村記念美術館は、DIC株式会社がその関連グループ会社とともに収集した美術品を公開するために、1990年5月、千葉県佐倉市の総合研究所敷地内に設立した美術館です。これまでに収集された作品は1000点を超えています。」
とHPに説明がされている。
そう、ここは国立でも市立でもない美術館なのである。
30ヘクタールという広大な敷地には総合研究所と美術館の他に、草花や樹木を鑑賞できる自然散策路があり一般へ無料開放している。
美術館目的よりも、この自然観察が目的で訪れる人が多いような?
京成佐倉駅からJR佐倉駅を経由して、美術館まで無料の送迎バスも完備!
至れり尽くせりですな!(笑)
そして約30分ごとに回っているバスに乗って美術館に向うことに。
このバスがかなり立派でびっくり!
30人くらいが座れるような大型バスで、鉄道会社が持ってる地域のバスよりもキレイで豪華。
バス停も屋根付きベンチ付きとは!
こんなバスに行きは5人、帰りは4人という状態でゆったり景色を眺めながら送迎してもらった。
素晴らしいね、川村記念美術館!(笑)

約20分程の乗車で、DIC川村記念美術館の看板が見えてきた。
看板からすでに敷地内に入っているのに、バス降車場までまだ距離がある。
降車場から更に徒歩でしばらく歩いてからやっと美術館が見えてくる、というなんとも広い敷地にびっくり!
美術館の手前には池が広がり、白鳥が泳いでいた。
「ゆったりしていてとても良い場所だね~!」
と初めて来たROCKHURRAHも満足そう。(笑)
こんな庭園だったらちょっと散歩に、と訪れる人が多いのも納得。
残念ながらこの日はとても暑かったので、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは美術館へ急いだ。
美術館の入り口になにやら巨大な物体が!
フランク・ステラの作品「リュネヴィル」である。
ステンレスとアルミナブロンズで制作された立体作品だ。
おおっ!インダストリアルー!(笑)
解体した破片を寄せ集めたような、ダイナミックさに圧倒される。
ハウルの動く城」を思い出したよ!(笑)

前述したように、この日は「モホリ=ナギ」展の初日だったので、もっと混雑しているかと思いきや意外にもそれほど人は多くなかった。
「モホリ=ナギ」の展示会場に行くまでに、川村記念美術館所蔵作品をゆったり鑑賞する。
川村記念美術館には、印象派からシュルレアリスムに至るまでの幅広い所蔵作品があるのだ。
展示は年に数回入れ替えをするようなので、行ってみないとどの作品を鑑賞できるのかわからない。
今回興味深かったのはマックス・エルンストだった。
やっぱりシュール好きだからかな。(笑)
この美術館の目玉は入り口にあったフランク・ステラのコレクションと、マーク・ロスコの「ロスコ・ルーム」。
フランク・ステラのコレクションはかなり充実していて、1950年代の作品から1990年代までの作品を網羅。
大型作品が多く、特に立体作品に興味津々だったSNAKEPIPE。
家に広い壁があったら是非一つ飾ってみたいものですな!(笑)

そして次は、マーク・ロスコの鑑賞。
世界に四ヶ所しか存在しないという「ロスコ・ルーム」のうちの一つが千葉県内にあるとは驚き!
軽く説明しておくと「ロスコ・ルーム」とは、マーク・ロスコの作品だけでできている部屋のことである。(まんまじゃん!)
これはマーク・ロスコが他人の絵が並ぶのを嫌い、自分の絵だけを展示する空間を作りたかった願いを実現した部屋、とのこと。
壁一面を覆うように展示されている7枚の大きなキャンパス。
赤が迫ってくる感じで、最初は「うわっ!」と思う。
どす黒い赤はちょっと怖い感じもする。
でもしばらくその空間に身を置いてじっくり鑑賞していると、とても心地良くなってくるのが不思議だ。
川村記念美術館HP内の説明には「赤い広がりとなった彼岸への窓あるいは扉といえる」って書いてある。
なるほど!それでなんだか吸い込まれそうな感覚になるんだね!
えっ?余計に怖い?(笑)
初めて鑑賞したROCKHURRAHも気に入ったようで、良かった!
ミュージアムショップでポストカードを販売していたけれど、「ロスコ・ルーム」はその空間を体感しないと意味がないような気がするんだよね。
あの怖・気持ち良さ(ヘンな言葉だけど)は、是非現場で経験して頂きたいな!

番号案内に沿って館内を進んで行くと、やっとメインの「モホリ=ナギ」展に到着。
ここまでがかなり長い道のりだったな。(笑)
ここで簡単にモホリ=ナギについて説明をしてみよう。
1895年ハンガリー生まれ。
絵画、写真、彫刻、グラフィックデザイン、舞台美術、映画と視覚に関係するアート全般で活躍する。
ドイツの綜合芸術学校「バウハウス」では教鞭を取り、その後シカゴに設立された「ニュー・バウハウス」では校長を務める。
マルチアーティストの先駆け的存在なのである。
そして今回の川村記念美術館の企画は「日本で最初の本格的な回顧展」とのこと。
これは期待できそう!

展覧会はモホリ=ナギの歴史順に
1.ブタペスト 1917~1919 芸術家への道
2.ベルリン 1920~1922 ダダから構成主義へ
3.ワイマール-デッサウ 1923~1928 視覚の実験
4.ベルリン-ロンドン 1928~1937 舞台美術、広告デザイン、写真、映画
5.シカゴ 1937~1946 アメリカに渡ったモダンアートの思想
と、5つのパートに分けて展開されていた。
SNAKEPIPEが最も強く惹かれたのは1920年代から始まる構成主義とタイポグラフィ(グラフィックデザイン)だった。
見事な色彩感覚と構図。
左のリトグラフ(版画)にしても、絶妙なバランスで安定感があるよね。
ダダとロシア構成主義の影響を受けている、と説明を受けても、ダダもロシア構成主義についても詳しくない。
別に「~主義」みたいに区分けしなくても、とても好きになれば全く関係ないとも思うし。
ただ、モホリ=ナギ自身はかなり主義・主張があり、自分の行っているアート活動を「〇〇宣言」として理論化している。
その「〇〇宣言」こそがモホリ=ナギの活動を理解する核なんだろうけど、SNAKEPIPEは評論家じゃないからね。(笑)
1920年代にこんなにスタイリッシュなことをやってたなんて!と感動するだけで良しとしようか?

次の作品もROCKHURRAHと一緒に
「ひー!カッコ良過ぎー!」
と二人でガラスケースに齧りつかんばかりに凝視し、目をキラキラさせながら鑑賞したお気に入り。
これは芸術学校「バウハウス」の教師たちが実験的な創作や理論をまとめた全14巻のバウハウス叢書。
学校「バウハウス」の教科書みたいなものか?
世界中のアーティストに影響を与えたらしい。
そのうちの9冊をモホリ=ナギがカバーデザインし、装幀も担当しているのだ。
左はオランダ出身の抽象画家・モンドリアン著作の「新しい造形」。
そしてグラフィックをモホリ=ナギ。
おー!なんて豪華なコラボなんでしょ!(笑)
「バウハウス」と聞いて、パッと思い付くのはピーター・マーフィーがいたバンドの「バウハウス」。
ROCKHURRAHやSNAKEPIPEは、最初にバンドを知り、バンド名の由来からドイツの学校「バウハウス」を知ったのである。
特にROCKHURRAHはバンド「バウハウス」を聴きまくり、その影響で学校「バウハウス」にも特別な思い入れを持っていたとのこと。(わかりにくい表現)
その直線的な機能美がいかにもドイツ的で、100年経っても全く色褪せないデザインだと思える。
タイポグラフィのコーナーに入ってからは、妙に興奮気味だったROCKHURRAH。
結局、ROCKHURRAHは絵よりもポスターやグラフィックデザインが好きみたいね!
SNAKEPIPEは、豪華教師陣が揃っていた芸術学校「バウハウス」で学びたかったなあ!(笑)

以前からSNAKEPIPEがモホリ=ナギについて知っていたのは写真の分野だけだった。
写真の教科書みたいな本には必ずといっていいほど載っているし、例えば写真美術館の所蔵品にもモホリ=ナギの作品があるしね。
今回の展覧会では、もちろん様々な写真作品(コラージュやフォトグラムなど)も多数展示され、映画の上映や「ライト・スペース・モデュレータ」なる光の反射と影を投影する装置なども鑑賞することができた。
写真以外の活動について知らなかったSNAKEPIPEなので、全貌を知ることができて本当に良かった。
モホリ=ナギの作品はサイズが小さいものが多く、活動があらゆる分野に及んでいるために、一堂に集結するのが難しいのかもしれないね。
「モホリ=ナギ」展チラシには「まるでレオナルド・ダヴィンチのように多彩」と書かれていたけれど、SNAKEPIPEはマン・レイが近いように感じたけどどうだろうか?
今回の企画はかなり大掛かりで、大回顧展の名前にふさわしい良い展覧会だったと思う。
川村記念美術館はゆったりしていて、とても気持ちの良い美術館なのでまた機会があったら行ってみたいな!