六本木クロッシング2010展

【青山悟氏のGlitter Pieces #1。これが刺繍とはすごいね!】

SNAKEPIPE WROTE:

久しぶりに美術館に行ってきた。
連れはこのブログに何度か登場している長年来の友人M。
一緒にアート系の展覧会や映画に行くことが多い友人である。
今回は六本木にある森美術館で開催されている「六本木クロッシング2010展」へ。
この企画は「日本のアートシーンの“明日”を見渡すべく、多様なジャンルのアーティストやクリエイターを紹介する」というもの。
あやふやだけど確か1回目を観に行ったはず。
その時は小粒だけど結構面白い作品があった印象を持った記憶があるので、今回も楽しみにして出かけたのである。

今回の展示作品の中で観る前から知っていたのは写真家の2人の作品。
森村泰昌氏と志賀理江子氏。
森村氏は有名なのでご存知の方も多いだろうけど、簡単に説明を。
本人が有名な絵画の中に入ったり、有名人に成りきるパロディを表現するアーティスト。
本物そっくりに仕上げていて、笑いを誘うんだよね。
本当は写真美術館で開催されていた森村氏の展覧会を観に行こうと思っていたのに、もう終わっちゃったんだよね。(笑)
そうは言っても日曜美術館で特集されていたのを観てある程度は満足しちゃったんだけど。
その番組でも紹介されていたビデオ作品が上映されていた。
かなりパロディを多く含んでいて、アートなのかお笑いなのか区別が付かない感じだったけどね。
それにしても森村氏は徹底的に模写を追求していて感心しちゃうね!

志賀理江子氏は第33回木村伊兵衛賞を受賞した写真家。
ロンドンを拠点に写真活動をしている国際派。(表現古い?)
ドキュメンタリー的でちょっと不気味な写真だな、とSNAKEPIPEは思っている。
今回展示されていた作品は受賞作の「CANARY」からのもので、写真をずらっとイーゼルに並べていた。
写真集より観易くなっていたけれど新しさはなし。
写真集で観た時に感じたぞわっと感やインパクトが薄らいでしまっていた。
写真集だと「次はどんな写真が来るんだろう」と怖々ページをめくる「怖いもの見たさ」があるけど、並べてるとそれが消失していたからかな。
カラーがとてもキレイだったけど。

今回の展示の中で「ほおっ」と声を上げたのが青山悟氏の作品群。
写真や文字などをまるで絵画のように刺繍で作り上げているのである。
刺繍だよ、と言われないと判らないほどの精緻さ。
黒とメタリックの糸を使用しているので、光に反応して鈍い光沢がとても素敵だった。
ブックカバーにしたい!(笑)

もう一点、友人Mと「キレイだねー!」と言い合ったのが鈴木ヒラク氏の反射板を使ったインスタレーション。
キラキラしていて素敵だった。
あんな壁が我が家にあったらうれしいなー!(笑)

感想を持った作品はそれくらいで、他は
「卒業制作って感じね」
と言ったMの発言に集約されてしまうようなものばかり。
ほんとそんな感じだったんだよね。
頭でっかち過ぎ、こじつけ過ぎで、「だから何?」と言いたくなってしまう展示の多さにびっくり。
いいのかなあ、あれで?(笑)
ま、そういう感想は行って観てきたから言えるのであって、例えば森美術館の公式HPだけを観ても解らないもんね。
今回は今まで観に行った展覧会の中で一番の(?)不作でがっかりだったけど、これに懲りずにまたアート鑑賞しに行こーっと!

ROCKHURRAH視察団/ミリタリーショップ編

【お値打ち価格で購入。それにしても節操ないカモ、3種類!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

明日あたりからやっと関東地方も梅雨入りか、という前にちょっと散歩に出かけることにした。
行き先は秋葉原。
いつ行っても大混雑してるからできれば避けたい場所なんだけどね。
そうは思いつつ、どうしても秋葉原に用事があったのである。
実は目的はミリタリーショップ!(笑)
ゴールデンウィーク中のブログ「逸品制作日誌 フレクターカモ・ヒップバッグ」には横田基地前にあるミリタリーショップ「ファントム」に行った話を書いた。
今回はまた違うショップに行ってきたのである。

ROCKHURRAH RECORDSはミリタリーに興味があり、オリジナルブランド名もBINARY ARMYなんて名付けるほどである。
ただし、最近巷で流行りの「ミリタリーテイスト」と言われるような「なんちゃって」風のファッションだけを取り入れたフェイクは苦手。
そうかと言って全身迷彩服を着用しサバイバルゲームを体験する、という本格派のミリタリーマニアというわけでもない。
ミリタリーの機能性の高さや新素材・デザイン性に注目しているのである。
そしてミリタリーとラウド系の音楽との融合が目的なのだ。
当然ながら「なんちゃって」の中から選ぶのではなく、あくまでも本物の中から探すのがポイント!
「本気」のマニアとはちょっと考え方が違うため、その日のTPOに合わせてUSミリタリーだったり、ドイツだったりする。
ポリシーを持って一つの国のミリタリーを追いかけているわけではない。
当然ながら「戦争礼賛」なんてことも全くないしね!
なーんてちょっとカッコ付けて説明しちゃったかな?(笑)

人で溢れ返る駅前を足早に通り過ぎ、目指すは「S&Graf」。
「コンバット・マガジン」などを購読している人にとってはお馴染みの店かもしれない。
ここに来るのは2回目。
東京本店と2号店が隣接していて、人気の高さが分かる。
本店に入ってみると
「いらっしゃいませ!」
と明るく元気に声をかけてくるのは玉木宏かミッチーこと及川光博似の、まるでミリタリーとは関係なさそうな男性。(笑)
ドイツ軍物を着てるので、好きなんだろうね?
「本気系」のお客さんから突っ込んだ質問をされても、にこやかに応対しているのを見たこともあったっけ。

お客さんがすれ違うのは困難なほどの狭い隙間だけを残して、所狭しとグッズや軍服が並ぶ店内。
ここのお店はどうやらドイツ関係が得意の様子。
普段には着られないけど、いつかはコレクションで欲しいなと思うような物品がいっぱいある。
そう、最近SNAKEPIPEはドイツ物が気になってるからね!(笑)
今回はSWAT部隊が使っているような黒いキャップがあったらいいな、と思っていたのに残念ながら取り扱いがなかった。
というか、ドイツ物が得意な店だから当たり前か!
結局黒いブーニーハットをROCKHURRAHからプレゼントしてもらった。
何故ならとても良く似合っていたから!(笑)
ROCKHURRAHはマルチカムのキラーキャップを購入。
ベースボールキャップとは違って、スポーツっぽくないところが決め手だったようで。

続いてS&Grafの2号店へ。
こちらは縫製の問題や色の指定から外れたアウトレット品も扱っている。
さすがに軍物は審査厳しいだろうから、正規品を厳選するんだろうね。
そのおかげで激安品にお目にかかれるんだから、買い手側は楽しいけど。(笑)
今回はそんなアウトレットの中からBDUジャケットを2枚購入!
もちろんサイズはXLARGEかなんかで、SNAKEPIPEには着られないよ!
これを材料にして何か作ろうって魂胆ばい。
また作った暁には「逸品制作日誌」にして発表するたい。(何故九州弁?)
このお店で気になったのは、フィッティングのカーテンがフレクターカモだったこと。
それからややぽっちゃり気味の女性店員さんがかわいかったこと、かな。(笑)

最後に「ECHIGOYA」。
ここは初めて行ったショップなんだけど、いやはや入ってびっくり!
入り口から通路に沿ってズラリと並んだエアガン、エアガン、エアガン!(笑)
そして店内にいるお客さんの数の多さ!
ええーっ、こんなにガンマニアっていっぱいいるのー?
うーん、SNAKEPIPEの知らない世界、奥が深いわ~!
このお店はファッションとしてのミリタリーというよりは「本気系」、少し見たことがあるゲーム「メタルギアソリッド」の実践版って感じか。
店員さんのエプロンも迷彩で、自作したのか聞いてみたかったんだけどね。(笑)

このお店は通路に割と余裕があるため、お客さん同士の擦れ違いに何ら問題なし。
ROCKHURRAHとじっくり商品を見て歩くことにした。
一体何に使うのか良く分からないグッズがいっぱいある。
やたらとベルクロを貼り付けた小さいポーチ類は、どうやら目的別に大きさやポケットに違いがあるようだ。
小さいタイプは指も入らないのでは、と思うほどのサイズ。
しかも全体にお値段はお高め。
「本気系」の人たちは用途のために必要なグッズに金の糸目はつけないのかもしれないね。

本当は自転車に乗る時の日焼け防止のため目から下を覆うようなマスクが欲しかったんだけど、あまりに「本気系」のタイプしか見つからず断念。
あれを街中で着けてたら危険人物だと思われそう。(笑)
結局店内にいてとてもワクワクして楽しかったけど、何も買わなかった。
正確に言うと「買えなかった」になるのかな?
このお店の得意としているのはやっぱりエアガン。
エアガン関連商品が店舗の半数以上を占めている。
その道のマニアの方には垂涎の的だろうね!

ミリタリーショップ、と一口に言ってもお店ごとに得意分野があることが分かった。
世界各国のミリタリーグッズを平均的に集めている上野の中田商店
USミリタリーが得意なファントム
ドイツ軍物に長けているS&Graf。
サバイバルゲーム愛好者にお薦めのECHIGOYA。
人生いろいろ、ミリタリーいろいろだ。(笑)

また違うショップ巡りをしてみたいものだ。
もっと本格的な放出品を扱っているショップもあるだろうし。
本当は狙ってるところがあるんだけど、ちょっと遠出しないといけない場所なんだよね。(笑)
行った暁にはレポートしてみたい。

カラフル・アイズ!満たせ!変身願望!?

【目に入れても痛くない!かわいいペットのコンタクト新発売!(うそ)】

SNAKEPIPE WROTE:

5月の終わり頃から梅雨に入るまでの蒸し暑くて風の強い日々。
視力の弱いSNAKEPIPEは通常コンタクトレンズを使用してるんだけど、ハードコンタクトだから風の影響でゴミが目に入るのがとても辛い。
まるで目の前に砂かけ婆がいるんじゃないか、と思うくらい涙ボロボロになることが多いのである。
そのため強風に注意、なんて言われた日にはメガネにして出かける。
つい先日もヨン様でお馴染みの眼鏡○場で新調してきちゃったし!
あ、もちろんヨン様みたいなタイプじゃないけどね。(笑)

今日はその眼鏡に関しての話題じゃなくて、コンタクトレンズについて書いてみようと思う。
えっ、前振り関係ないじゃんって?
ま、一応「眼鏡等」ってことで同じ仲間だからいいじゃん。(笑)

初めてコンタクトを着用した時からずっとハードコンタクトしか着けたことがないSNKAEPIPE。
一度カラーコンタクトいいなあ、と思って試させてもらったことがある。
ただし悲しいことに視力が出なかったことと「連続しての装着は2時間が限度ですよ」と言われてしまったために断念。
あのグリーン色は結構気に入ってたんだけどね。
ただ実際にカラーコンタクトを着けることでのトラブルが多い話もよく聞く。
何かのパーティとか遊び用に、ということで使う分には問題ないんだろうね。
せっかく少しの時間だけ楽しむなら派手で目立つのにしたいよね。
ということで今回のテーマは「派手なコンタクトレンズ」。
はぁ、やっとここでつながったね。(笑)

日本ではあまり普及してないみたいだけど、欧米にはいろんな種類があるみたいね。
ハロウィーンパーティみたいな仮装の習慣があるからなのかな?
パッと思いつくのはやっぱり動物の目シリーズだね。
猫の目の形をした黒×黄色のコンタクト。
これに猫耳とか付ければかなり本格的な猫になれそうだよね。(笑)
このコンタクトを一番最初に目にしたのはやっぱりマイケルのビデオ「スリラー」かな。
ガールフレンドとデートしてるマイケルが、月の光の下で狼男に変身する有名なシーン。(→これ)
マスクまでプラスされてるから本当にこれがマイケルなのかも不明なくらい完全に動物になっちゃうのね。
目はかなりポイント高いんだねえ。(しみじみ)

東洋人だったら黒目になる部分が白っていうのもあまり見慣れないからドキッとするよね。
ここまで白いとかなり怖い。
先日観た「インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~」の中にもこの色のコンタクトをした三味線引きが出てたっけ。
全く瞬きをしなかったから強烈なインパクトだった。
このコンタクトを愛用している(?)有名人はマリリン・マンソンかな。
マリリン・マンソンに関してあまり詳しくないけれど、見かける顔の時はいつも片目にカラーコンタクトをしているような?
この写真の時も左目に白が入っているようね。

ホラー好きだったらこんなタイプはいかが?
白目部分を赤に、黒目部分を黄色にした赤×黄色ミックス!
これはかなりインパクト強いだろうね!
なんか乗り移っちゃいました、みたいな今までとは違う状態を示すのにもってこいの逸品。
かなり悪魔的でいい感じ。(?)
これはちょっと着けてみたいな。(笑)
攻撃しますよバージョンね!

こっちもホラーっぽんだけど。
これは白目部分が黒いって、なんだかぽっかり穴が開いてるような・・・一体どこを見てるんだか分からない怖さがあるよね。
暗闇からこんな目をした人が静かに起き上がる、とイメージかな。
これもかなりインパクト強そう。
でもあんまり明るい光の下じゃなくて、地下室で密かに行われるようなパーティで、是非!(なんのこっちゃ)

上で紹介した真っ白のコンタクトにちょっとアレンジが加わったこれもいいね!
白×赤というとお目出度い感じだけど、これは充血しまくりの血走りまなこね。
かなりクレイジー度合い高め。
ギラギラしていて相手を追い詰めるような場合に効果的かな。(?)
イメージとしては実際には違うけど、ブレードランナーのルドガー・ハウアーあたりに使って頂きたい逸品。
この映画の時はレプリカント役だったからたまに目の色が違って見えることがあったしね。
より人造人間っぽくなって良かったかも?

目の中央に一本横筋が入ってるタイプもなかなかいいね!
確かヤギの目も真ん中に横筋じゃなかった?
あ、やっぱり!
瞳孔が開いたり閉じたりする人にはない現象だからちょっと怖く見えるのかもね?
黒い横筋だから動物っぽく見えるけど、これが赤色だったりするとまるで「エウレカセブン」のアネモネになっちゃうね。

いろいろ見ていてROCKHURRAHが着けてみたいと思ったのは左のこちらだそうで。
まるでカメラのシャッターを絞り込んだ時のような放射線が印象的ね。
かなり目がくっきりしそうで、女の子が好きそうなタイプかもしれないね?

そしてSNAKEPIPEが選んだのはこのタイプ。
さすがにギラギラしたものが好きだけあって、目が燃えてますぜってな逸品!
普通にしてても目を見開いてるように見えて楽しいかも。
元々ちょっと白目部分が多いようなSNAKEPIPEの目には合ってそうな雰囲気。
いつ何時着けるのが効果的なのかは不明。
やっぱりドラキュラの牙とか長い爪とかも同時に必要かしら?

この特集やるんだったらハロウィンの時期とか、実際に何かのパーティがあるとかイベントにちなんで書けばリアリティあったのにね!
全く関係ない時期にまとめたところがウチらしいのか?(笑)
この手のコンタクトレンズは日本円で2000円くらいからあるみたい。
いつか遊びで試してみたいね!

昔の名前で出ています、か?(其の三)

【ゆかりのあったレコード屋の袋やロゴたち】

ROCKHURRAH WROTE:

前回同じタイトルで其の二を書いたのが去年の11月末。何と半年も経ってしまったがまだやるのか?と本人さえ呆れてしまうこの企画。寝たきりでネタもないというわけじゃないんだが、パンクやニュー・ウェイブが最も輝いていた時代のレコード屋、そしてレコードを探しまくった青春の日々、インターネットがまだ普及しない時代の音楽好きの努力、それらを書き留めて我が忘備録としよう・・・なんて事は全然考えてない。
ただ「ああ、こんなレコード屋あったなあ」と一人でも思い出してくれる人がいればそれでいいのだ。

かつてROCKHURRAHのパンク&ニュー・ウェイブのネタ帳はVOLUMEという電話帳みたいな洋書だった。要するに世界各国のニュー・ウェイブ系バンドのメンバーとかレコードのリリースとかが紙のデータベースとなっていてお目当てのバンドを検索したり出来るもの。毎年刊行されているのかは不明だったが解散したり消えてしまったバンドはそのままデータが残り、新しく増えてゆくバンドはどんどん載っけるという方針の本だから例えば1984年度版は1982年度版より三倍くらいの厚さになっているというシロモノ。ちょっと考えればわかりそうなもんだがこの方針で毎年刊行してゆくとどんどん分厚くなってしまい、常識では考えられない重さとなる。編集者や発行者は「世界一の音楽データベースを作ってやる」というような意気込みで分冊にするなど思ってもみなかったのだろうか?これまたパンク的な発想かな。
まあそういうニュー・ウェイブ辞書みたいなものを毎日のように眺めて「このバンド聴いてみたい」と思ってレコード屋巡りをしていたわけだ。

どこまで書いたっけ?前回はかつての「全国レコード屋MAP」みたいに土地の括りで書いたけど、実は分類するの苦手なんで、今回は気の向くまま思い出すままにいいかげんに書いてみよう。

MODERN MUSIC
明大前なんて他に用事ないから最後に行ったのはいつだったか?世田谷代田に住んで下北沢を生活の拠点にしていた時代は近所だったためよく行ってたのを思い出す。当時は実行した事なかったけどもしかしたら自転車でも行けたかも、という距離。
ここはアングラなロックやアヴァンギャルド関係は充実していたが個人的に不要のコーナーも多くて、この店を100%堪能した良い客とは言えなかったな。なぜかすごいプロレス好きの常連がカウンターを占拠しているので買いにくい店でもあった。什器から取り出すのに苦労するほどパンパンにレコードが詰まっていたなあ。がしかしモノクロのNICOの袋を多数所持していたという事は結構買ってたんだろうね。
このレコード屋の思い出はここまでなんだけどModern Musicという言葉について独白してみたい。高校の修学旅行は沖縄だったのだが、その直前にビーバップ・デラックスの「Modern Music」を聴きまくっていて、沖縄=「Orphans Of Babylon」や「Honeymoon On Mars」という彼らの曲がいつでも頭の中のBGMとして鳴り響く。全く関係なさそうなのにこの条件反射が一生ROCKHURRAHには付き纏ってゆくのだろうな。それこそ他の人には全く関係ない個人的な関連付けでした。

パテ書房
ちょっと前にSNAKEPIPEが国分寺の超山田堂について書いた時にROCKHURRAHの談話として店名を出してもらったが、大昔に恵比寿付近にあったのがこの店。東京に出てきたばかりの頃に土地勘も全くなくて苦労しながら行った覚えがある。あの頃ははじめてゆくレコード屋に対する期待が大きくていつでもワクワクしてたもんだ。そして後年になってROCKHURRAHは茶沢通り(三軒茶屋と北沢を走る狭い道)沿いにある中古ゲーム屋の店長になった。同じ店の店員でパンク、ニュー・ウェイブ、サイコビリーなどに詳しい男がいて、その子は池ノ上(下北沢の隣駅)に住んでいた。で、その子の情報で池ノ上に怪しいレコード屋があるという事を知ったんだが、それがこの店との再会だったわけ。詳細な記憶はほとんどないんだがここもまたアングラな系列で書房というだけあって本もレコードもマニアックなものが多数あったはず(たぶん)。
店主とおぼしき人物、なぜか客が入ったらサングラスをかけて腕組みしながらこちらを睨んでいる、というような事ばかりが印象に残っている。実はROCKHURRAHもずっとサングラスで客商売していた人間だからそういう事に関しては特に偏見はないんだけれど、一般的な客だかひやかしだかわからない者にとっては敷居が高い店なのは確かだろうね。雰囲気は全然違うけど前に京都にあった(今もあるのか?)伝説のアスタルテ書房をちょっと思い出してしまった。敷居が高いというよりは店内に入るのに勇気がいる店という点でね。

ZEST
当時の渋谷は東急ハンズの坂道を下ったところにタワーレコードがあったように記憶する(かなりうろ覚え)。この辺の量販店は基本的に行かないし注目した事なかったので記憶違いは許して。ZESTはその横の方にあるビルの上の一室だった。マンションの部屋がそのまま店舗になったような雰囲気で、ここも渋谷に行った時はよく訪れた場所だった。非常に狭い店だったな。スコットランドでギターポップ初期にポストカードという有名なレーベルがあったのだが、そこのマークと同じ猫をトレードマークにしていた。当然、得意分野はギターポップやネオアコだと思えるがそればかりとも言いきれず、壁にはドイツの重量級デジタル・パンクの雄だったTommi Stumpfのジャケットが飾られていたというような時期もあった。時代的にはネオアコ&ギターポップとノイズ&インダストリアル&ジャンク系(カオス系とも言われていたな)とかは同時期に発展したという事もあって、両方のニーズを満たす店ならばそういうのもアリだったのかもね。この店でかなり買ったとは思うがどういう系統を買っていたのか思い出せない。

CSV
同じ渋谷の「たばこと塩の博物館」隣くらいにこの店はあったような気がする。いかにもメジャーな店構えとレコード屋なのがわからない店名、カンマ区切りテキストじゃないの?しかし置いてるレコードはなかなかマニアックでさすが東京の文化は高いのう、と田舎者だったROCKHURRAHは思ったものだ。大昔に代々木にあった前衛的プログレの殿堂イースタン・ワークスがルーツらしいが、随分イメチェン(死語)した印象。場所柄、サブカル文化人(嫌な言葉)や有名人もよく見かけたという噂も聞く。しかし、かなり短命なレコード屋だったし、そもそも渋谷があまり好きじゃなかったので数えるほどしか行った覚えはない。大晦日にオールナイト・セールやってた時に行ったような記憶があるが袋も覚えてないし、買った事なかったのかもね。

思い出のレコード屋特集というような趣旨で書き始めたのに文章読み返してみると何だかちっとも思い出らしくないな。レコード(モノ)にもレコード屋(場所)にも愛着はあるのに結局はそこにいる人たちと個人的なつながりが全くないからなんだろう。「あんな店で働けて羨ましい」とかそういうネガティブな気持ちばかり持っていた若い頃の自分に問題があったのか?。向いてないからあまり自分の事を分析したり考えたりするのは止めよう。
さて、次回があるのかどうかは本人の気分次第。書きたくなったらまた書いてみよう。