逸品制作日誌 フレクターカモ 折り畳み傘

【どこかに傘が隠れてるよ!わかるかな?】

SNAKEPIPE WROTE:

洋服そのものよりも帽子、バッグ、靴などの小物やアクセサリーなどの装身具が昔から大好きなSNAKEPIPE。
冬だったらマフラーと手袋なども加わるが、一年を通して重要と考えているアイテムに傘がある。
これ、意外と重要視してない人多いんだよね。
洋服はキメキメでも持ってるのが凡庸な傘だったりすると、がっかりしちゃう。
いくらお洒落にしていても傘で評価ダウンだなあ。(笑)
ただのビニール傘だと思っていてもかなり高額なこだわりの商品もあるようなので、一概には言えないけどね!

SNAKEPIPEは特別な傘を持っているわけでもこだわりがあるわけでもないけれど、その時の服装に合った傘を選ぶように心がけている。
最近はかなりミリタリーに傾倒しているので、国防色(オリーブドラブ)の傘というだけでは物足りなくなってしまった。
「カモフラージュの傘が欲しい!」
と思うのはミリタリー道に入った者なら誰もが感じることなのではないだろうか。(大げさ)
ただし、本気系の方なら雨の日でも傘なんかささないでポンチョやゴアテックスにするんだろうね。
軍支給の傘、なんて聞いたことないもん。(笑)
そのため実際カモフラージュ柄で売ってる傘は全てただのデザイン物。
それでもいいから欲しいと思い、念願叶って大好きなフレクターカモの折り畳み傘を手に入れることに成功!
わーい、わーい!(笑)

ちなみにこのフレクターカモというのはドイツ連邦軍の迷彩で英語読みした場合の言い方ね。
綴りはFlecktarnだからフレックターンというのが正式みたいね。
今一番気に入っている迷彩がこのタイプ。
キャップをかぶったりツナギを購入したりバッグを作ったSNAKEPIPEなので、ついには傘まで欲しくなったというわけ。
う、書いてたら全身フレクターじゃんね。(笑)

そして雨が降るのを待ちわびたこの夏。
東京地方、ものすごく雨が少なかったよね!
ついに9月、念願の雨。
フレクター傘の出番がやってきたのである。
がっ、なんとこの傘、雨漏りするじゃ~あ~りませんかっ!
頭の上からボタボタ水が落ちてきて脳天を直撃っ!
ばっちりメイクした顔にも雨水がつつーっ!
せっかく楽しみにしていた雨、フレクターの傘…。
ああっ、SNAKEPIPEの夢やいずこに…。

と、ここでくじけないのがSNAKEPIPE。
雨漏りする傘なら解体してオリジナル傘を作ってしまえ!
だってどーーーしてもフレクターの傘が欲しいから!
じっくり傘の作りを観察してみると驚くほどに簡単なのね。(笑)
ダメで元元、と作ってみた記録を今回のブログにしてみたよ。
前置き長い?(笑)

今回は布地が薄いのが原因で雨漏りするのではないか、と考えたため別の問題のない折り畳み傘にフレクターカモの布を縫い付ける方法を考えた。
そのためまずは2本の折り畳み傘を用意。
ずっと使ってなかった傘もこれでリサイクルできるね!
透かすとこんなに光が見えるってことはかなりの薄さね。
雨漏りするのも納得。(笑)
それにしてもこうして見るとやっぱりフレクター柄っていいわぁ~!
日本の自衛隊が使用しているカモと間違えないように注意!(笑)
まずはフレクターカモの傘を解体してみよう。
ほとんどが手縫いで処理されているので、外すのはとても簡単。
はさみで糸を切るだけだからね。
外して布と骨組みだけになったところ。
ここまでの所要時間約10分程。
布を切らないようにすれば問題なし!
頭の部分(?)はネジ式になっているので、クルクル回せば外れる。
ここから縫い付け作業開始。
エンジ色の傘の頭部分を外してフレクターの布を付けて合体。これで上だけは固定される。
本来は裏の骨組みと布を縫っていくんだろうけど、今回はその上からなので、こんな感じ。
1本の骨に対して3箇所縫ってみたよ。
最後の部分の縫いつけ。
ここまでくればあと一歩!
足で柄の部分を押さえての手縫い作業は結構腰にくるね。
頑張れ、SNAKEPIPE!(笑)

結局全てを針と糸だけを使って手縫いで仕上げてみた。
出来上がりがトップの画像ですわ。
写真だと判り辛いけど、表面がフレクター内側はエンジ色という面白い傘になった。
2枚になったことで厚みと重みが増したのが難点かな。
折り畳み傘の良い点が減った、ということだね。(笑)
それでもフレクターの傘をさしたいんだから、SNAKEPIPEとしては大満足。
今度はウッドランドの傘も同じようにして作ってみようと思っている。
早く雨降らないかな!(笑)

田中一村展~新たなる全貌~

【千葉市美術館前の柱に貼られていたポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

敬老の日を含む3連休、猛暑も収まってキレイな秋晴れ。
お出かけするには持ってこいですな!
行楽の秋、食欲の秋、芸術の秋!(笑)
ということで出かけてみたのが千葉にある千葉市美術館
SNAKEPIPEはアイラブ千葉なのに、この美術館のことは全然知らなかったよー!
現在開催しているのが「田中一村 新たなる全貌」展である。

ここで田中一村について簡単にご紹介。
1908年栃木県生まれの日本画家。
幼少の頃より水墨画に才能を発揮し「神童」と呼ばれるほどの画力を持つ。
東京美術学校(現:東京芸術大学)中退後、千葉に暮らし50歳で奄美大島に移住する。
1977年に69歳で亡くなる。
没後にNHKの「日曜美術館」の紹介で、一躍脚光を浴びる。

「日曜美術館の紹介で脚光を浴びた」のが1985年の番組だと思うんだけど。
実はSNAKEPIPE、その番組観てるんだよね。(笑)
その後、SNAKEPIPEもすっかり一村ファンになっちゃったのね。
日本画と聞いた時に思い浮かべる画風とはまるで違う、斬新な色使いや構図。
もちろんモチーフも南方の動植物だからエキゾチックだし。
日本画家というよりは現代アートに分類したくなる画家なんだよね。
以前書いた松井冬子の先輩って感じか?

千葉駅から歩くこと約15分。
国道126号沿いに千葉市美術館はあった。
今まで行ったことがある美術館って建物として独立している場合が多かったので、まるでマンションのような美術館って初めてかも。
美術館前の柱に開催している田中一村のポスターが貼られていなかったら、素通りしちゃったかもしれないね。(笑)
この建物は区役所や図書施設との複合施設になっているため、美術展は7階と8階の2フロアで開催されている。
やっぱりこの美術館、変わってるね!

千葉駅から歩いている時にはガランとして、人通りが少なかったのでとても快適な散歩を楽しめたんだけど。
田中一村は大人気!
これだけの人、一体どこから来たの?というくらい館内に溢れる人の多さにびっくり!
恐らく美術館側もこんなに人が多くなるとは予想してなかったのでは?
そしてその観客の約9割がご高齢の方!
もしかして敬老の日にちなんで何かイベントがあったの?と思ってしまったほど。
初めて行った美術館だから他の企画の時がどうなのか分からないけど、元々年齢層が高い美術館なのかもしれないね。

今回の田中一村展は
「一村ゆかりの地にある美術館が共同で本格的に取り組む初めての回顧展で、近年の調査で新たに発見された資料を多数含む約250点の出品作品による、過去最大規模の展観となります」
と書かれている通り、かなり見ごたえのある展覧会だった。
神童と言われた子供時代の作品から始まり奄美大島に移り住むまで、という時系列で構成されていた。
田中一村は20年間くらい千葉に住んでたことがある、というのが今回の企画の趣旨(?)で千葉市美術館の開館15周年特別企画になってるんだよね。(笑)
そのため「千葉時代」として、昭和13年から33年までの千葉を描いた作品が展示されている。
この時代の作品の中にはすでに、後の奄美時代のようなデザインや構成の片鱗を観ることができる。
北欧のテキスタイルみたいな色彩とかデザインなんだよね。
日本人離れした感覚を持っていたんだろうね。

この千葉時代から田中一村は写真撮影も始めていたらしい。
オリンパスフレックスの二眼を使って、恐らくは絵のモチーフ用の写真を撮っている。
自分で焼付けもやってたというから、写真も好きだったみたいね。

とても印象的だったのが数多く残されている襖絵。
数少ない理解者から依頼を受けた、個人宅の襖に描かれた絵である。
襖4枚とか8枚続きを一枚の絵として完成させてるんだけど、この構図が素晴らしい。
SNAKEPIPEが特に気になったのが「花と軍鶏」と題された襖8枚に描かれた作品。
これは軍鶏師(という職業なのか?)の家用に、タイトル通り軍鶏2羽と花を描いている。
非常に興味深いのはその構図。
もしかしたら日本画の世界ではそんなに珍しくないのかもしれないけど、SNAKEPIPEにはとても斬新に映った。
こんな襖のあるお宅ってどんな豪邸なんだろうね?(笑)

観終わって帰り道のこと。
SNAKEPIPEはとても不思議な体験をしてしまった。
ROCKHURRAHと普段通りに会話をしたり歩いたりしていたはずなのに、途中で意識が飛んでいる!
目覚めながらに眠っていたような、夢見ていたような。
そう、脳内トリップ!
これ、すごい!
田中一村の絵にはトリップ効果があるのかも!(んなバカな)
ただし「すごい」と思っているのはSNAKEPIPEだけで、話しかけても反応がヘンだったのを目の当たりにしたROCKHURRAHには迷惑なだけだったみたいだけど。(笑)

田中一村は今でいうところのスローライフというのかな。
世間の評価などを気にせず、自分のペースで好きな作品を描き続けた画家なんだね。
没後に評価された、というところがちょっと悲しいけどご本人にとっては描き続けることが幸せだったのかもしれないしね?
南方の画家というとゴーギャンを思い浮かべるけど、SNAKEPIPEは作風や没後に評価されたという部分も含めてアンリ・ルソーに似ていると思った。
アンリ・ルソーも大好きな画家の一人だしね!
そして奄美大島と言えば忘れちゃならない我等が鳥飼否宇先生!
奄美の自然を愛し移住するところは田中一村と鳥飼先生、よく似てらっしゃる!
奄美、いいなあ。
一度行ってみたいなあ!(笑)

世界一カルトな親子の作品!Surveillance鑑賞

【どうしてこの顔にしたんだろう?ホラーっぽいけどね!】

SNAKEPIPE WROTE:

毎週2、3本の映画鑑賞の習慣はずっと続いているため、TSUTAYAには月に数回通っている。
テレビや雑誌をほとんど活用しない生活を送っているため、TSUTAYAで情報を知ることも多い。
先日も「ご冥福をお祈りします」と書いてある看板をふと見ると、なんとびっくり!
あの今敏監督が亡くなっていて、特集がされていた。
えーーーっ!新作を楽しみにしてたのに!
豊かな才能を持った方がお亡くなりになるとは非常に残念。
今敏監督、たくさんの素敵な作品をありがとう!

先日はTSUTAYAの新作コーナーがちらっと目に映った。
ジェニファー・リンチ
ん?んんん?どこかで聞いたことがある名前。
おっ!そうだよ!そうだよ!ソースだよ!(古い)
ジェニファーってデヴィッド・リンチの娘じゃん!(笑)
「イレイザー・ヘッド」で「天国ではなんでも最高!」と歌っていたあの少女!
リンチ作品に子役で出演してたんだよね。
「ツインピークス ローラ・パーマーの日記」を書いたのも彼女。
大人になってからは確か肩にコーヒーカップのTATOO入れてた記憶が…。
と、ここまでの間がほんの数秒の話ね。
見上げるとジェニファー・リンチの紹介がされている。

鬼才デヴィッド・リンチの娘。
1993年に「ボクシング・ヘレナ」で監督デビュー。
本作は実に14年ぶりの最新作となる。

「ボクシング・ヘレナ」は観た記憶があるなあ。
確か手足を切断された女が出てきたような…。
随分昔のことだからすっかり忘れてるけど、確かに当時は「リンチの娘が監督デビュー」として鳴り物入りで宣伝されてたっけ。
映画自体をあまりよく覚えていないということは、多分あまり気に入ってなかったのかもしれないね。(笑)

そしてその最新作「サベイランス」の大きなポスターも展示されている。
「製作総指揮:デヴィッド・リンチ」
ええーーーっ!親子で作った映画だったのーーー!
リンチアンのSNAKEPIPEがこんな情報を見逃していたとは不覚!
んもお、これは一刻も早く観なければっ!

ドキドキしながら鑑賞開始。
観る前からこんなに興奮するのは本当に久しぶり。
Executive Producer  DAVID LYNCH
というクレジットを観ただけで失禁しそうになったくらい!(お下品な)

この映画、オープニング・クレジットだけでかなり怖い!
心臓がバクバクするほど映像に惹きつけられる。
これは期待できそうだ。
簡単にあらすじを書いてみようか。
「サンタ・フェの田舎町で起こった猟奇的な無差別殺人事件。
捜査に乗り出したFBIによって、殺人現場に居合わせた3人の生存者たちは、奇妙にも監視されながら事情聴取される。」(公式サイトより)

田舎町で起こる殺人事件といえば、リンチの十八番。(笑)
そしてそこに出てくるFBI、と聞けば「ツインピークス」を思い出すのも仕方ないよね。
あれだけ強い個性を持ったリンチが父親だから、影響受けて当然!
ま、前述したように幼少時代からリンチとは密接に関わってたみたいだし。
ところどころで出てくるショットも
「うわー、リンチっぽい!」
とニヤニヤしながら観てしまった。(笑)

主役を演じたのがビル・プルマン
あっ!「ロスト・ハイウェイ」に出てた俳優!
あれから13年くらい経ってるけど、それにしても太ったねー。
言われないとあの時の俳優と同じとは思えないほど。
ただし太ったおかげで(?)時々ロバート・デ・ニーロに似てたよ。(笑)

地元警察官役で出ていた「スターシップ・トゥルーパーズ」でお馴染みのマイケル・アイアンサイド
彼はジャック・ニコルソンに似てるし。
一瞬だけ観た時にはデ・ニーロとニコルソンという二大大物俳優が出演してる映画だと勘違いされそうだよね。(笑)

そして監督ジェニファー・リンチはリンチのそっくりさん、というところで
「そっくりさん大集合の映画」
とも言えそうね。(笑)

リンチ特有の「不条理世界」はあまり感じられなかったけれど、なかなか見ごたえがある作品だった。
構成も面白かったしね!
あの結末はミステリーの世界では「やってはいけないこと」になるんじゃないかね?
詳しくは書かないけど。(笑)

劇中で流れたヴァイオレント・ファムスの「Add It Up」にROCKHURRAHがノリノリ!
映画の中でもラジオから流れてくる曲に合わせて皆が「懐かしい!」と盛り上がっている。
1983年の曲とのことなので、丁度ジェニファー・リンチが思春期だった頃なんだろうね。
かなりカッコいい曲なので皆様も是非聴いてみて!
ROCKHURRAH RECORDSで販売中!(宣伝してみたよ)
シングルのジャケットに少女が写っていて、それがまたこの映画に出てくる少女みたいでつながりを感じるよね。
<ROCKHURRAHによる追記>
つながりと言えば上の写真にある気色悪いマスク男。これも実はヴァイオレント・ファムスの1stアルバム・ジャケットの土偶みたいな写真と奇妙にも似ている。この辺からも着想を得たのかもね。
<以上>

「サベイランス」は2008年ニューヨーク・シティホラー映画祭最優秀監督賞受賞、主演女優賞受賞、2008年シッチェス国際映画祭作品賞受賞らしい。
ん?2008年って2年前だよね。
どうして今年になって日本で公開されたのか不思議。
その経緯はよく分からないけど、リンチファンには嬉しい出来事だった。
今度はリンチ本人の新作を楽しみに待ちたいと思う。

逸品制作日誌 ファティーグ・ジャケット流用バッグ

【ミリタリーとパンクの融合を目指せ!】

SNAKEPIPE WROTE:

9月に入っても相変わらず「猛暑」「熱帯夜」のニュースが続いていますな!
お休みでも家の中でクーラー効かせてゆっくりするのが一番、ということで久しぶりに制作してみたSNAKEPIPEである。

今回は最近凝っているミリタリーを感じさせる作品を作ってみよう。
と、考えたのがまずはTシャツ。
以前「素材用に」と買っておいたBDUジャケットがあったことを思い出した!
これを使ってオリジナルな逸品、いいかも!(笑)

ROCKHURRAH RECORDSのオンラインショップで展開している 【BINARY ARMY】オリジナル・Tシャツ/DESTROYING ANGELはパンク全開のデザインなので、これを少しアレンジしてみようか。
赤×グレーををオリーブ×グレーに、袖の3本線をミルスペック・タグに変更。
写真には写っていないけれど、背中側にはファティーグ・ジャケットから流用したカーゴ・ポケットを縫いつけてみた。
そしてもちろん忘れちゃならないのは中央部分、大量の安全ピン!
ミリタリーだけど、やっぱり心はパンク。(笑)
軍施設や空港などに行く時には、金属探知機に引っかかるかもしれないから要注意だけどね!

ずっと前に作ったDESTROYING ANGEL以来の傑作!と自画自賛。
なかなか気合の入ったTシャツで、最近の靴や帽子とのコーディネイトもバッチリ!
コーディネイトはこうでねいと!(ぷっ)
ミリタリーとパンクの融合ファッションについては、これからもずっとテーマだね!
もっといろいろ作りたいな、とまだ余ってるBDUの残りを使ってヒップバッグ作ってみた。

それが写真右のバッグ。
なんとほんの2、3時間で完成。
やればできるじゃん、SNAKEPIPE!(笑)
今回は初めからベルト付きタイプにしてみた。
またもやカーゴ・ポケットをそのまま流用してデザインのポイントとなる中央に配置。
その上にジッパーを取り付け、出し入れし易い大きめの口にしてみた。
これなら余裕で手が入れられてベリー便利ー!(笑)
ふー、ダジャレ言うのも疲れるね。(うそ)

このTシャツにこのバッグ。
首にはシュマーグ。
帽子はキラーキャップかブーニー・ハット。
そしてコンバット・ブーツ!
これで決まりっ!(笑)
お気に入りのスタイルが出来てとても嬉しいSNAKEPIPEである。