映画の殿 第26号 松尾スズキ part2

【役者、映画監督、脚本家、小説家。いろんな顔を持つ男】

SNAKEPIPE WROTE:

前回「映画の殿」で特集した松尾スズキの第2弾を書いてみよう。
特定の個人を気に入ると、関連している作品をROCKHURRAHが調べてくれて、鑑賞が可能な作品を探し出すのがROCKHURRAH RECORDS流。
ウィル・フェレルやジャック・ブラックなども、そんな感じで作品を鑑賞したっけ。(笑)
そういえば最近、ウィル・フェレル関連の新作情報を調べてなかったよ。
元々日本での知名度が低く、劇場公開されずDVDだけで販売・レンタルされることが多かったウィル・フェレルだけど、DVDすら出ない作品が続いてるんだよね。
ついにはネット配信のみになっているため、TSUTAYAの新作情報には載っていない。
もしくはネット配信すらされなくなる日も来るのだろうか…。

今回の特集とは関係のないことを書いてしまったね。(笑)
松尾スズキは劇団「大人計画」を設立し、役者、映画監督、脚本など一人何役もこなし、更には小説も書いているマルチな才能を持っている人物なんだよね!
NHKのドラマ「ちかえもん」からすっかりファンになり、関連する作品を鑑賞しているところである。
今回はドラマを中心に紹介していこうかな!

TAROの塔」(2011年)は岡本太郎生誕100周年を記念して制作されたNHKのドラマである。
これは2011年に書いた「生誕100年 岡本太郎展」と同時期のことだったんだね!
その時には全く気付いていなかった情報だったけど、DVDで鑑賞することができて良かったよ。
少年期から晩年に至るまでの岡本太郎の人生を全4回のドラマにしていて、松尾スズキは岡本太郎の中年から晩年期を演じている。
漫画家だった岡本一平を父に、歌人で作家だった岡本かの子が母という家庭に生まれた太郎は、かなり特殊な環境で育っていったことがよく分かる。
奔放な母親は、現代でも珍しいタイプの女性だと思うし。
更に岡本太郎は、多感な青年期をパリで過ごしているんだよね。
シュルレアリスムの時代のパリだもんね!
型破りな日本人になるのは当然、という感じ。
岡本太郎という人格が形成されていく様子がよく表されていたと思う。
松尾スズキは半分モノマネのような演技で、本当に岡本太郎みたいだったよ。
あまりに熱演し過ぎて、笑ってしまうほど。
養女だった平野敏子を常盤貴子が演じていたんだけど、あの太郎ぶりを目の当たりにして、よく吹き出さなかったと感心してしまう。(笑)
松尾スズキを主役に決定したNHK、すごい決断だよ!
あ、またNHK好きを披露してしまったね。

松尾スズキ関連を探索していたら、昔のドラマが鑑賞できることが分かった。
演歌なアイツは夜ごと不条理(パンク)な夢を見る」(1992年)は日本テレビの深夜枠で放映されていた全5回のドラマである。
ツイン・ピークス並に昔のドラマなのに、2006年にDVD化されたみたいだね。
松尾スズキは脚本を担当、出演もしている。
このドラマの主演はなんと、竹中直人!
ダーク五郎という手品師なんだよね。(笑)
そして松尾スズキは性的不能を専門にしている精神科医の役。
阿部サダヲのデビュー作にもなっているドラマで、「カルトなドラマ」とされているんだよね。
それもそのはず。
今だったら放映できないだろうと思われる、タブー(性とか薬とか)がいっぱいの内容だからね。(笑)
イカ天バンドだった「マサ子さん」のメンバーが出演していたりして、かなりクセのある俳優が多かったのも魅力の一つ。
途中で挿入されるイラストの出来が素晴らしかったんだよね。
劇中イラストは青木すみれ(天谷すみれ)という方のようで。
今もどこかで描いているのかな。
もっと鑑賞してみたいんだよね。

こちらも医者の役だった「イン・ザ・プール」(2005年)。
奥田英朗原作の小説を映画化したもので、やっぱりこれも精神科医だったね。(笑)
原作は5話の連作短編集だったようだけど、映画ではその中の3話を描いていた。
何かしらの精神的な疾患を抱える人物が、松尾スズキ演じる精神科を訪れる、という物語なんだよね。
オダギリジョーは継続性勃起症で、市川実和子は強迫神経症になっている。
市川実和子の「家の鍵、かけたっけ?」「ガスの元栓しめたっけ?」と、自分の行動に自信がなくなる症例は、誰にでも経験あるんじゃないかな?
もちろん程度が軽いので、一年に一度あるかないかの「不安」だけど、それが毎日になったら相当苦しいだろうね。
田辺誠一はプールで泳がずにはいられない病気になっている。
これも一種の強迫神経症なんだろうね。
「何かをし忘れると気持ち悪くて眠れない」くらいは誰にでもあることだからね。
全て程度の問題だろうけど、他人事と思えないリアルさが面白かった。
松尾スズキはかなり変な医者役で、とても似合っていたね。

医者ではないけれど、やっぱり白衣を着ていたのは「悪人」(2011年)でのこと。
人当たりが良くて、老人達には軽口が大ウケ!
皆から「先生」と呼ばれて親しまれている存在。
ところがそれは仮の姿なんだよね。
実は詐欺まがいの商売のため、騙しのテクニックとして「良い人」を演じている、という役だった松尾スズキ。
この役もぴったりだったね!
騙された役の樹木希林も見事な演技だったよ。
SNAKEPIPEが樹木希林の映画出演を観るのは「ツィゴイネルワイゼン」(1980年)以来かなあ。
えっ、古過ぎ?(笑)

現在「ツイン・ピークス The Return」を鑑賞するためにWOWOWに加入しているので、WOWOWが制作したドラマも鑑賞できるんだよね。
松尾スズキが出演していることを知ったROCKHURRAHが録画予約しておいてくれたのが「北斗 ある殺人者の回心」である。
石田衣良原作の小説をドラマ化した作品で、我らが松尾スズキは国選弁護人という役どころ。
あれ?いつの間にか「我らが」になってるよ。(笑)
やっぱり「先生」と呼ばれる役なんだけど、今回はかなーりシリアスなので、全く「おかしな」要素はないんだよね。
どうしても松尾スズキじゃないとダメな役ではなかったように思う。
松尾スズキは良い人より悪い人、もしくは「おかしな人」が良いのかもしれないね?

まずは観てみよう、と第一話を観てあまりの凄まじさに驚いてしまう。
「僕は生まれてこないほうがよかった」
というセリフに説得力を感じてしまう悲惨な家庭環境だったからね。
もうこれから北斗の父親役だった村上淳と母親役の中村優子は、違う役で観たとしても「あの虐待の両親!」と思ってしまうだろうね。(笑)
それだけ演技が上手だった、ということなのかもしれないけど、悪い役をやるのって役者さんも勇気が要るだろうなあ。
宮本信子が演じた義母の器の大きさには驚かされた。
あんなに優しい人が近くにいたら、別人になれるかもしれないね。

いとうせいこうのエッセイ「ボタニカル・ライフ 植物生活」を原作にした「植物男子ベランダー」が全シリーズDVD化されていないのが残念でならない。
youtubeなどで何話かだけ観ることができるんだけど、とても面白そうなんだよね。
2013年から2014年にかけてNHKのBSプレミアムで制作されていたようなんだけど。
あー、またNHKだ。
どうやらROCKHURRAH RECORDSはNHK好きみたいだね。(笑)
主演は田口トモロヲ!
自宅のベランダで植物を愛でる温厚な男なんだよね。
松尾スズキは田口トモロヲの先輩で、盆栽好きという役。
いとうせいこうと田口トモロヲの好みなのか、テーマ曲がセックス・ピストルズの「Anachy in the U.K.」が採用されているところもポイント!
パイロット版からシーズン3まである大人気企画だったようなので、今からでもDVDにして欲しいな!

今まで観てきた松尾スズキに関連する作品についてまとめてみたよ!
これからも注目していきたい興味ある人物だね。
今度は「大人計画」の演劇も鑑賞してみよう。
WOWOWに加入しているうちがチャンスだね。(笑)

映画の殿 第25号 松尾スズキ part1


【松尾スズキのアップ画像。現在54歳。】

SNAKEPIPE WROTE:

久しぶりに「映画の殿」を書いてみよう。
週末毎の映画鑑賞の習慣は続いているけれど、「ツイン・ピークス The Return」が始まってからは、優先順位は「ツイン・ピークス」が1番になっている。
2番が「PGAゴルフ」鑑賞か。(笑)
映画を観る時間を利用して、録画しておいたゴルフ中継をまとめて休日に鑑賞しているからね。
そのため週に2本は観ていた映画は週に1本になることもあるんだよね。
これが「映画の殿」 をなかなか書けなかった理由かもしれないね?

実はもう一つ理由があることに気付く。
ほとんど邦画を観ないROCKHURRAH RECORDSだけれど、最近は邦画の鑑賞もしているのである。
ルールを決めているわけではないけれど、邦画に関しては「CULT映画ア・ラ・カルト!」 でカルト映画について特集したことがあるくらい。
それ以外の邦画について書いたことないんだよね。
どうしても書きたい、特集したいと思った映画ではなかったのも理由だろう。

「面白いから絶対観て!」
長年来の友人Mからの強い勧めがあったのは去年のことだった。
友人Mは情報収集能力に優れ、SNAKEPIPEの好みを熟知している心強い味方なのである。
そして友人Mのすごいところは、自身の「好き」や「面白い」という枠を作らないこと。
つまりは新旧や老若男女を問わず、映画でも音楽でも小説でも、なんでも知ろうとする姿勢を持っているのである。
SNAKEPIPEなどは「いまどきの若者みたい」と体験する前に敬遠することがあるので、友人Mの柔軟性には感心している。
その友人Mからの強い勧めにより、ROCKHURRAHを巻き込んで鑑賞することにした。
それがNHKのドラマ「ちかえもん」だったのである。
NHKの時代劇?人形浄瑠璃?近松門左衛門の話?
最初は恐る恐る、まずは1話観てみようか、ということになった。
こうしてROCKHURRAH RECORDSと松尾スズキが出会ったのである。(笑)

時は元禄16年(1703年)。
現代にも通じる格差広がる世の中で、戯作者・近松門左衛門(松尾スズキ)は、 定番の「歴史モノ」しか書けず、妻に逃げられ、母にあきれられ、スランプに陥り、堂島新地の「天満屋」に入り浸り、 年増遊女のお袖(優香)相手にちびちび酒を飲んでいた。
そんな近松の前に、ある日謎の渡世人・万吉(青木崇高)が現れる。
近松と万吉の二人は、お初(早見あかり)や徳兵衛(小池徹平)など、人形浄瑠璃「曾根崎心中」に登場する ひと癖もふた癖もある人々と出会い、さまざまな騒動に巻き込まれていく…。
果たして近松は傑作を書きあげることができるのか?
(Amazon販売ページより引用)

「ちかえもん」のあらすじを書いてみたけど、ちょっと長いね。(笑)
全8回のドラマなので、これくらいになるのは仕方ないかな?

松尾スズキ演じる主人公、近松門左衛門は人形浄瑠璃作家で、現在はスランプ状態の中年男。
そこへ青木崇高演じる「不幸糖売り」の万吉が現れるのである。
全く接点がないはずの2人が出会ったことから物語が始まる。
青木崇高という俳優は全然知らなかったけれど、万吉役がぴったりだった。
粗野だけれど純粋でまっすぐな性格、どんな時にも物怖じしないで突き進む。
近松門左衛門はそんな万吉に振り回される形で話が展開していくのである。

主役の松尾スズキの演技が最高だった。
顔芸とでもいうのか、表情で魅せる演技力。
替え歌まで披露していたしね。(笑)
「曽根崎心中」はタイトルだけは知っていても、内容についてはほとんど知らなかったので、「ちかえもん」のような軽快な語り口で教えてもらうと馴染みやすいかもしれない。
途中でアニメーションが入ったり、劇中劇が始まったりするところも斬新!
時代劇でこんなに笑ったのは初めてかもしれないな。
配役も見事で、優香や高岡早紀がとてもキレイだったのも印象的。
最終回が近づくと、寂しさを感じるようになっていた。

友人Mのお勧め通り「ちかえもん」は非常に面白かったのである。
「ちかえもん」はSNAKEPIPEが持っていた「NHKの時代劇」という観念を完全に打ち崩すドラマだった。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、すっかり松尾スズキのファンになってしまった。
友人Mに至っては、あまりにも「ちかえもん」を好きになり過ぎてDVD-BOXまで購入するほど!
一体何回観たんだろうね?(笑)

松尾スズキについては90年代からTV情報誌「TV Bros」の連載で名前だけは知っていた。
今調べてみると、連載していたタイトルは「お婆ちゃん!それ、偶然だろうけどリーゼントになってるよ!!」だったね。(笑)
名前は知っていても、実際に松尾スズキ(当時は松尾すずき)が何をやってる人なのか、よく知らなかった。
少し調べてみようか。
1962年福岡県北九州市生まれ。
なんとROCKHURRAHと同郷じゃないの!
リリー・フランキーもそうなんだよね。
村上龍原作の「55歳からのハローワーク」が2014年にNHKでドラマ化された時に、二人共出てたっけ。
3年も前に観ているけれど、リリー・フランキーの回だけは明確に覚えているよ。
偏屈な感じの役だったせいもあり、その時点では松尾スズキに注目していなかったけどね。

松尾スズキの略歴に戻ろう。
1980年代後半に劇団「大人計画」を設立する。
「大人計画」からは脚本家としても有名な宮藤官九郎を筆頭に、阿部サダヲなど今をときめく俳優が多数選出されているね。
「大人計画」の社歌があったので載せてみよう。

「南平台じゃアイドル」のところで笑ってしまった。(笑)
松尾スズキについて知りたいと思ったら、まずは「大人計画」の舞台なんだろうね。
現在加入しているWOWOWでは「大人計画」の舞台も放映されているので、今度観てみようかな!

松尾スズキは劇団での活動以外にも俳優、小説家や映画監督としても活躍している。
出演している作品リストを見ると、意外と観たことがある映画にも出てるんだよね。
松尾スズキの場合は、印象的な脇役というイメージが強いんだけど、あまりにも観たのが昔過ぎて覚えてないよ。(笑)「ちかえもん」からすっかりファンになってしまった松尾スズキにまつわる映画やドラマを探し、鑑賞することにした。
その作品をいくつか紹介してみよう。

監督と脚本、出演もしている映画「恋の門」は2004年の作品である。
羽生生純の漫画が原作である。

「恋の門」の主人公、蒼木門を演じるのは松田龍平。
石を使って漫画を描く、という現代アートのような作品に真面目に取り組んでいる不思議な男である。
コスプレマニアで、同人誌で漫画を描いている証恋乃を酒井若菜が演じていて、この二人の名前を合わせると「恋乃・門」なんだよね。(笑)
かつては売れっ子漫画家で、今は漫画バーのマスター、毬藻田を松尾スズキが演じている。
初監督作品なのに俳優としての出番も多かったんだよね。
監督としての役割と俳優を最初から同時進行させるなんて、器用な人なんだねえ。
漫画がテーマなだけあって、映画には原作者である羽生生純本人やしりあがり寿、内田春菊をはじめとする漫画家が出演しているところも見どころ。
今は亡き忌野清志郎も出演していたね。
漫画が原作だと、どうしてもドタバタした感じになってしまうね。
ヴェネツィア国際映画祭に出品されたということだけど、どんな評価を受けたのかな?

続いての監督作品は2007年の「クワイエットルームにようこそ」である。
これは松尾スズキが自身の小説を映画化したもので、脚本も手がけている。
原作、監督、脚本の一人三役だね。
途中で踊るシーンがあったけど、その振り付けも担当だって。(笑)

フリーライターである主人公、佐倉明日香を演じたのは内田有紀。
薬とアルコールを同時に摂取したせいで、救急車で運ばれる。
着いた先は精神病棟、通称クワイエットルームであった。
ここは精神に何かしらの異常がある女性が収容されている病院で、映画の舞台なんだよね。

内田有紀の夫で放送作家の焼畑鉄雄を宮藤官九郎が演じている。
さすがに劇団「大人計画」つながり!
恐らく私服と思われるパンク色の強い身なりをしている。
宮藤官九郎が演技をしているのを見るのは、京極夏彦原作の「魍魎の匣」以来かな?
久保竣公よりは今回の焼畑鉄雄のほうが等身大だったろうね。
宮藤官九郎も監督作品あるよね。
少年メリケンサック」(2009年)や「TOO YOUNG TOO DIE!若くして死ぬ」(2016年)も観たっけ。
意外と邦画観てるなあ。(笑)

拒食症を患っている役どころの蒼井優は、このためにダイエットしたのかな?
本当に患者のように見えてしまったほど、リアルだったよ。
ゴス・ロリ・ファッションをしているので、余計に病気っぽかった。

「クワイエットルームにようこそ」では「おかしな人」がいっぱい登場するけど、やっぱり大竹しのぶの存在感はすごいね。
貴志祐介の小説が原作の「黒い家」(1999年)については、「好き好きアーツ!#14 貴志祐介 part1」で記事にしているSNAKEPIPE。
その時にも「見事な演技」と称した大竹しのぶだけれど、「近くにいたら怖い人」の系譜はここらへんから始まっているのかな。
先日鑑賞した「後妻業の女」(2016年)での主役も「はまり役」だったしね!
「クワイエットルームにようこそ」の中でも、タバコやテレフォンカードを「親切で」貸したりあげたりしているように見せかけて、後から取り立てる悪どい商法で稼ぐ女の役だった。
大竹しのぶの演技が自然過ぎて、「大竹しのぶ、怖い」と思ってしまうね。(笑)

続いて監督と脚本を手掛けた作品は、いがらしみきおの漫画を原作にした「ジヌよさらば〜かむろば村へ〜」(2015年)である。

2004年の「恋の門」に続いて、また松田龍平が主役なんだよね。

お金アレルギーになってしまった銀行マン高見武晴(松田龍平)は会社を辞め、お金を使わない生活をすべく東北の寒村に移住。
そこには謎めいた過去を持つ世話焼きな村長(阿部サダヲ)や、自ら神と称し周囲から人望のある老人(西田敏行)など、強烈な個性を持つ村人たちがいた。
一筋縄ではいかない彼らと向き合い自給自足の生活を目指すうちに、高見の生活は予期せぬ展開を見せるのである。
(Yahoo映画より引用)

「ジヌよさらば」では松尾スズキは俳優としても出演している。
監督、脚本、俳優とまたもや一人三役とはすごいよね!
映画では足の悪いヤクザという役どころ。
松尾スズキは声に迫力があるので、渋い役も合うんだよね。
NHKのTVアニメ「龍の歯医者」では声優もやっていたけれど、悪役が似合う野太い声で、すぐに松尾スズキだと分かったよ。
このブログの中で、一体今まで何回NHKと書いたかな?
NHK大好きって感じだよね。(笑)

原作の漫画と映画では、設定や展開は同じなんだろうか。
あらすじにあった「強烈な個性を持つ村人」の存在が面白いんだよね。
なんといっても「大人計画」所属の阿部サダヲ!
越してきた松田龍平の世話をするとはいっても、荷物を投げ飛ばして室内に入れるような乱暴者。
かなり暴力的な人物だけど、村長なんだよね。
この設定と阿部サダヲの演技がマッチしていたよ。

西田敏行も良い味出していたし、片桐はいりがハーレーを乗りこなしているのには驚いた!
ジャンプスーツが似合うほどの細身なのもびっくり。
顔だけ見てるとスレンダーな印象がなかったから余計だよね。

「ジヌよさらば」は漫画が原作だけど、処女作の「恋の門」のドタバタ感はなくて、非常に面白い作品だった。
「ジヌ」とは東北弁で「銭(ゼニ)」のことで、なまって「ジヌ」になったみたい。
幸せに生きていくことと、お金との関係について考えさせられる映画ということになるのかな。
あまり深く考えないでコメディ映画として鑑賞しても良いと思う。

今回は松尾スズキファンになったきっかけの「ちかえもん」から松尾スズキ監督作品3本についてまとめてみたよ!
実はまだ松尾スズキ関連作品は鑑賞しているので、part2を計画しよう!
次回はどんな松尾スズキに出会えるかな?(笑)

映画の殿 第24号 ハッスル老人


【今回特集した映画の主役達。平均年齢は一体いくつだろう?】

SNAKEPIPE WROTE:

相変わらず週末には映画鑑賞する習慣が続いているROCKHURRAH RECORDS。
その割に映画のネタをブログにしていなかったなあ。
今回久しぶりに「映画の殿」として特集したいと思う企画を思いついたので、まとめてみよう。
題して「ハッスル老人」特集!(笑)
ハッスルって死語じゃない?とROCKHURRAHから突っ込まれたけど、これでいいのだ!
以前にも「映画の殿 第09号 バッド・アス  ジャスティス・リターンズ」という記事で、若者に負けない老人達を描いた映画について感想をまとめたSNAKEPIPE。
カッコ良く頑張る老人というテーマは好きなんだよね。(笑)
「バッド・アス」のダニー・トレホに負けないくらいハッスルする老人を見つけたので紹介していこう。

まず最初はこちらの作品から!
※ネタバレしている可能性がありますので、未鑑賞の方はご注意下さい。

ドント・ブリーズ(原題:Don’t Breathe)」は2016年公開のアメリカ映画である。
直訳すると「息するな!」か。
ちょっとソフトに意訳すると「息を殺して」とか?
1980年代に「死霊のはらわた」で一躍有名になった監督サム・ライミが製作総指揮に名を連ねている。
ホラー映画ファンのROCKHURRAHに語らせたらサム・ライミについて詳しく説明してくれるけど、今回は上の一行で終わらせてしまおう。(笑)
「ドント・ブリーズ」は昨年末に劇場公開された時から気になっていた映画だったけれど、今回はDVDになってから鑑賞したよ。
怖い老人が出て来る映画、というところまでは情報として知ってたんだよね。

では簡単にあらすじを。

親と決別し、街を出るため逃走資金が必要だったロッキーは、恋人のマネーと友人のアレックスと一緒に大金を隠し持つと噂される盲目の老人宅に強盗に入る。
だが彼は、目は見えないが、どんな『音』も聞き逃さない超人的な聴覚をもつ老人――そして想像を絶する『異常者』だった…

前述の「バッド・アス」でダニー・トレホが演じたベトナム戦争の帰還兵と同じように、「ドント・ブリーズ」の老人も元軍人という設定になっているところがポイントかな。
だから皆が想像する「いかにも老人老人」した老人じゃないんだよね。
戦争の時、手榴弾を目に受けて失明までしている老人と聞けば、金を奪うのは「お茶の子さいさい」と思うだろうね。
ところがそうはイカの塩辛!(笑)
あらすじにもあるように、視覚の代替なのか耳が良い。
更に写真からも分かるように、筋骨隆々なのよ。
しかも動きが素早い!
強盗に入った「自称:俺って腕っ節が強いヤツ」の若造も、ほれ、この通り!
「簡単な仕事」と思い込んでいたからスキもあったとは思うけど。
爺さんだからってナメちゃいけないよね。(笑)

強盗に入ったのは若者3人で、左が爺さんにあっけなくヤラれたチンピラ風の男で名前がマネー。
うーん、名前がマネーってすごいね。(笑)
真ん中がチンピラの彼女で、家を出たいロッキー。
そして右はロッキーに横恋慕しているため、一緒に行動している坊っちゃん系のアレックス。
この手のホラー映画では、「なんでそこで行く?」とか「なんでそこでやめない?」などの疑問を持つことが多いんだけど、「ドント・ブリーズ」でも、何度同じ疑問を持ったことか。
逆に言うとそうじゃないとホラー映画として成り立たないのかな?

映画の中で老人と共に恐ろしかったのは、老人が飼っている犬。
若者3人が老人宅の偵察に行った時から、よだれ垂らしながら吠えて威嚇しまくり!
老人から躾されていて、老人を守る目的は果たしているから良い犬なんだろうね?
侵入者にとっては厄介な相手。
これはロットワイラーというドイツ原産の犬種みたいね。
軍用犬や警察犬としても活躍しているというから、頭が良くて攻撃力がある犬ということなんだろうね。
よだれ垂らして吠えている姿からは凶暴性しか感じられなかったけど。(笑)
Wikipediaによればロットワイラーに噛まれる事故で死亡している人がかなりの数いるらしい。
用心棒にはもってこいだけど、SNAKEPIPEはあまり「かわいい」と思えなかったなあ。

ナメてかかったら逆襲されたという話はありがちだけど、鑑賞しているうちに自分も追われる立場を体感してしまうのが面白い。
老人から逃げようとする若者達のほうが悪いことしてるのにね?(笑)
老人の動きが素早過ぎて、段々超能力者みたいになってくると恐怖が一段落してしまった。
あり得ない設定だと怖くないんだね。(笑)
途中までの「息が詰まる」ような緊張感は良かったね!

続いても暴力的な老人に登場してもらいましょう。

「皆殺しの流儀(原題:We Still Kill the Old Way)」は2014年のイギリス映画。
タイトルからして「皆殺し」だから!
どれだけ残酷なんだろうと震えてしまうよね。

かつてロンドンの暗黒街を仕切っていた兄弟チャーリーとリッチーは、引退後はそれぞれロンドンとスペインで穏やかな生活を送っていた。
そんなある日、ロンドンで若者ギャングに襲われていた女性を助けようとしたチャーリーが、返り討ちにあって殺されてしまう。
復讐を誓ったリッチーはスペインからロンドンに舞い戻り、昔の仲間たちと共にチャーリーを殺したギャングたちを1人ずつ追いつめていく。

あらすじにあるようにきっかけはロンドン在住のチャーリーが、女性を助けようとしたことから始まる。
チャーリーの時代と現在の若者ギャングの考え方はまるで違う。
男らしさの定義なんて、現在の若者には一切ないからね!
いわゆる日本の任侠道みたいな感じで、チャーリーの時代は素人さんには手出し無用。
その世界の中だけで通用する切った張ったがあったはずなんだよね。
その価値観のまま現代の若者ギャング集団を諭そうとしてしまった点に間違いがあったね。

いかにも強そうで悪そうなアメリカ映画に出てくるギャング集団とは違って、イギリスのギャング集団はこんな感じ。
ひょろっとしているし、服装が変われば普通の子になれそうな雰囲気。
束になってかからないとダメで、一人になってしまえばまるで無力なタイプなんだよね。
「男らしくサシで勝負だ」とチャーリーが言っても、元々束で行動している若者達はチャーリーを無視し、集団で襲いかかる。
ああ、嫌だ!
SNAKEPIPEは、こういう卑怯な奴らが大嫌いだ。
チャーリーも無謀だったけど、集団で行動し、しかもその様子をスマホで撮影しているような奴らは最低だよね。
確か日本でも未成年が似たような事件起こしてたっけ。

集団のギャングに惨殺されたチャーリーの復讐を誓う男4人が結集した。
写真で分かる通り、みんな初老のおっさん達なんだよね。
若い頃はブイブイ言わせてたマフィアなので、久しぶりに集まってもあっという間に役割分担ができている。
拷問専門の人もいるしね。(笑)
復讐するための心意気もバッチリ、老人達には裏切り者もいないし、結束が固い。

 「皆殺しの流儀」の最大の魅力は、老人達のカッコ良さかな。
主人公リッチーを演じたのはイアン・オギルビーというイギリス人俳優だけど、他の映画を観たことがないみたい。
かなり渋めで、元マフィアという役がとても似合っていたね。
他の3人も良い味出していたよ。
心はまだ現役でも体がついていかない、という老人ネタもお約束!
こんな気骨がある老人が多かったら世の中変わるだろうな、と思ってしまった。

もしかしたらSNAKEPIPEと同じように、老人4人組のファンが多かったのか?
なんと次回作を発見してしまったよ!
前作より1ヶ月後、という設定になっているようだね。
2017年公開なので、日本ではいつDVDになるのかな?
今からとても楽しみだ!(笑)

最後の作品はこちら。

100歳の華麗なる冒険(原題:Hundraåringen som klev ut genom fönstret och försvann)」は2013年のスウェーデン映画である。
タイトルに100歳とあるので、老人が主人公ということは最初から分かるよね。(笑)
この100歳の老人、一体何をやらかしたんだろうね?

100歳の誕生日を祝われるはずだったアランは老人ホームから逃げ出し、バスに乗ってあてのない旅に出発。
偶然降りた駅の近くに住むユリウスと酒を酌み交わし意気投合。
しかしその道中、ギャングの闇資金入りのスーツケースをひょんなことから入手したため、警察とギャングに追われる身になってしまう。
アランはいかなるトラブルに見舞われようとも、超人的なマイペースぶりを発揮。
はたして彼は何者なのか?

ヨロヨロした足取りで、何の気無しに窓から外に出てしまうところから話が始まる。
ここでも若者ギャングが登場するけれど、またもや老人だと思って見くびっていたのが運の尽き。
もしかしたら杖代わりにしようと思っていたのかもしれない老人アランは、まんまとスーツケースをせしめてしまう。
中には満杯の札束が!(笑)

たまたま知り合ったユリウスと札束を持って、当てのない旅に出るのである。
トロッコに乗せられているのは、若者ギャング!
なんとも間抜けな事故でこんな目に遭ってしまうとはね。
本当は残酷なシーンだったのに、老人達の手にかかると笑いに変わってしまうから不思議だ。
ここらへんのブラックな笑いは「映画の殿 第21号 さよなら、人類」で特集した感想にも近いんだよね。
あの映画もスウェーデン映画だったから、もしかしたらスウェーデンの特色なのかな?
ブラック・ジョークと間の取り方が独特なんだよね。
「100歳の華麗なる冒険」も同じように、かなり残酷な笑いのシーンがあって面白かった。
いや、本当は笑うところじゃないはずなんだけど。(笑)

老人アランの威風堂々とした態度には秘密があったんだよね。
このおじいさん、なんと爆弾のエキスパートだったの!
「ちっちゃな頃から悪ガキで、15で爆弾魔と呼ばれたよ〜」
とチェッカーズの替え歌を書いてみたけど、実際にはもっと小さい頃から爆弾に興味を持っていたアラン。
その技術を買われ、世界的に有名な人物達と知り合うことになるんだよね。

スペインのフランコ将軍、アメリカ第33代大統領ハリー・S・トルーマン、ソ連のヨシフ・スターリンなどなど、歴史上に名を残している錚々たる人物達との交流があったんだよね。
もちろんアランの専門は爆弾なので軍事的な理由でお近付きになっているし、当然ながら機密情報を知っていることになる。
そんなスパイ映画みたいな人生を送っていたアランにとっては、100歳の誕生日を老人ホームで祝ってもらうなんて、ちっとも願っていなかっただろうね。
アランの辿ってきた人生を再現したシーンが非常に面白かった!

ユリウスと旅を続けている道中、もう一人仲間が加わる。
気が弱そうなベニーを誘って大丈夫なのかしら、と心配してしまったけれど、車の運転ができる優しい人で良かったよ。
通常なら弱者とされてしまうような3人組が、とても仲良く旅をしている様子は、観ている側もほのぼのした気分にさせてくれる。
こんな100年を生きる人はそうそういないと思うけど、自由気ままな人生を生きていかれるなんて幸せだろうね!
この作品でまたスウェーデン映画に興味が湧いてきたよ!
原作も読んでみたいな。

今回は「ハッスル老人」として元気いっぱいの老人が主人公の映画を特集してみたよ。
そういえば他にも大友克洋原作のアニメ「老人Z」(1991年) もあったなあ。
年齢的には高齢者でも、今まで思っていた老人像とは全く違うタイプが出演する映画は、まだありそうだよね。
カッコ良い老人に出会えることを期待しよう!

映画の殿 第23号 ジャック・ブラック02

20161030 top2【ぽっちゃりしたジャック・ブラックの魅力全開!】
SNAKEPIPE WROTE:

毎週末に映画鑑賞しているROCKHURRAH RECORDS。
様々なジャンルに挑戦しているけれど、最近増えているのがコメデイ映画かな。
これはかつて「映画の殿」で4回も特集を組んだ我らがウィル・フェレルの影響によるもの。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEもヨーロッパに憧れを抱いているにも関わらず、反応してしまったのがアメリカン・ジョークだったとは!(笑)
どんな国のジョークだったにせよ、結局は下品な下ネタ系が好き、ということなんだろうね。
こんなに堂々と「下品な下ネタが好き」と公言してしまって良いのだろうか。
ま、いいか。(笑)

今回特集するのは「映画の殿 第19号」でも紹介したことがあるジャック・ブラックが出演している映画について。
ジャック・ブラックとは1969年生まれのアメリカ人俳優。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校在学中、ティム・ロビンスの劇団に所属したことがきっかけで俳優の道に進むことになったらしい。
俳優業と並行してカイル・ガステネイシャスDというバンドでも活動している。

はっきり言ってジャック・ブラックのファン、と人前で言うのはちょっと恥ずかしい。
ぽっちゃりした暑苦しい体型に加えて、アクの強さがある人物。
映画を観る前に先入観で「この人キライ!」と見た目で判断されてしまうようなタイプだからね。(笑)
ところが「いかもの食い」には一度食べたらやみつきになるタイプ。
大袈裟な表現だけど、ここらへんもウィル・フェレルと似た感じなんだよね。(笑)
「映画の殿 第19号」では3本の映画を紹介したけれど、その後鑑賞したジャック・ブラック関連の映画をまとめてみよう。
まずは「ハイ・フィデリティ」(原題:High Fidelity 2000年)から。

簡単にあらすじね!

中古レコード店を経営するロブは、同棲していた恋人のローラが突然出ていったことをきっかけに、これまでの失恋トップ5の女性たちを訪ね歩き、自分の何がいけなかったのかを問いただしていく。
そんな中で、彼はさまざまな人々との出会いや会話の中からポジティヴな自分を発見していく。

主人公ロブを演じているのはジョン・キューザック
恐らくこの人が出演している映画は今までほとんど観ていないみたい。
ジョンのお姉さんがジョーンで「スクール・オブ・ロック」の時には校長先生役で出演していたことを知ってびっくり。
名前が紛らわしい姉弟だね。(笑)
実は「ハイ・フィデリティ」にもお姉さん出てるんだよね。
ジャック・ブラックとの共演が多いってことなのかな?

主人公が中古レコード屋を経営という設定に、ROCKHURRAHが羨ましい環境だ、という。
確かにね!
好きな音楽を聴きながら、音楽のことだけを考えていられるのは良いよね!
映画の中でのロブの店はかなり繁盛しているようだったから、余計に羨ましいよね。(笑)
ふと見えるシーンにパンクやニューウェーブ系の80年代モノがあったり、会話にもマニアックな音楽ネタを聞くことができる点にも注目だね!

それにしても今まで恋愛関係にあった女性に会いに行って、自分の悪いところを聞いて回るなんてあり得ない話。(笑)
相手の女性もよく会ってくれたよね。
かつての恋愛についてロブがカメラ目線で話すシーンが面白かった。

中古レコード屋の店員として個性を発揮したのがジャック・ブラック。
この映画で注目されたというのが納得!
音楽オタクという役どころを非常に上手く演技してるんだよね。
いや、ほとんど演技に見えないくらいの自然体だった。(笑)
前述したように、ジャック・ブラック本人もバンドを組んでいるので、この役は当たり役だったんだろうね。
強く印象に残る役だったよ!

もう一人店員がいるんだけど、内気な役は本当の意味でオタクっぽい。
トッド・ルイーゾという役者みたいなんだけど、Wikipediaには情報はなし!
この人も「本当にいそう」なタイプだったね。

ジャック・ブラックの親方(?)であるティム・ロビンスやリサ・ボネット、更にカメオ出演としてブルース・スプリングスティーンまで登場していたね。
ロック好きの人には特に楽しめる映画じゃないかな?

続いては「愛しのローズマリー」(原題:Shallow Hal 2001年)。
※ネタバレしていますので未鑑賞の方はご注意下さい。

父親の遺言を守り、少年時代から外見の美しい女性だけを追いかけ続けてきたハル。
しかし、もともとチビで小太りの彼、そんな恋が成就するわけもなく、気づいてみればすっかり中年の冴えないおっさん。
そんな彼と偶然出会った自己啓発セミナーの講師が、ハルに内面の美しい女性が美人に見える催眠術をかけてしまう。
そして、ハルが最初に出会った心の美しい女性はなんと体重300ポンド(136kg)巨漢女性!
でも催眠術にかけられたハルの目に映るのはスレンダーな絶世の美女。
さっそく猛烈なアタックを始めるハルだったが……。

言うまでもなく、あらすじにある「ちびで小太りの冴えないおっさん」がジャック・ブラック演じるハルね。(笑)
ナンパに出かけてもフラレてばかり。
高望みし過ぎると言われても父親の遺言には逆らえません!(笑)
美人でグラマーな女性だけが女、なんて聞かされちゃってるからね。

たまたまエレベーターで出会った自己啓発セミナーの講師と話すことになり、 外見だけで女性を判断しないようにと諭されるハル。
その後からハルには信じられないような出来事が起きるのである。

出会う女性がみんな美人!
しかも自分に好意を抱いてくれるではないか!
有頂天になるハルだけど、これはハルの目にフィルターがかけられていたみたいだね。
ハルにはそのフィルターの存在がわからなかったみたい。
ハルは暗示にかかりやすいんだね。(笑)
でもねえ、本人が幸せならそれで良いのかも?

そんな時に出会った絶世の美女、ローズマリーに一目惚れするハル。
ローズマリーを演じているのはグウィネス・パルトロウね。
映画「セブン」(原題:Seven 1995年)ではブラッド・ピット演じる刑事の妻役だったね。
「セブン」 から6年が経過して、まさかあの陰気な奥さん役だったグウィネスがこんな姿で登場するとはね!(笑)
上の画像はフィルターがかかった目でハルが見たローズマリーの姿。
それにしても、手にしたデカパンで少しは察する気がするけどね?(笑)
この映画の中でのグウィネスはかなり体当たり演技していて、椅子から転がり落ちてパンツ丸見えになったり。
頑張ってます!(笑)

ハルの恋は順調に進むけれど、クラブで一緒にナンパをしていた仲間だったマウリシオ(ジェイソン・アレクサンダー) には面白くないみたい。
あんなに高望みしていたのに、ローズマリーのような女性に夢中になるなんて!
映画の中ではチラチラと片鱗は見せるんだけど、ローズマリーの本当の姿は「あとのお楽しみ!」って感じで全体像を見せてくれないんだよね。(笑)
そしてマウリシオはハルの秘密だったフィルターを外してしまう、、、。

じゃーん!ついに本当のローズマリーが姿を現す!
もちろん特殊メイクだってことはわかってるんだけど、それにしても良くできてるよねえ!
グウィネス、よくオッケーしたよね。
頑張りました!(笑)

内面と外見のキレイについて、ここまであからさまな表現をする映画というのも珍しいよね。
フィルターのおかげでローズマリーを美人と思って好きになっていたハルは、フィルターが無くなって素のローズマリーと対面しても好きと言えるのか?がポイントだからね。(笑)
SNAKEPIPEはローズマリーの懐(と体)の大きさが素晴らしいと思ったね!

そういえばテネイシャスDの相方、カイル・ガスもハルの会社の同僚として出演していたことを書いておこう。
ジャック・ブラックが関連している映画には一緒に出ること多いよね。
あ、言うまでもなく左の男性のほうね。(笑)

ジャック・ブラックのファンはもちろんのこと、グウィネス・パルトロウのファンの人も楽しめる映画だと思うので、お勧め!(笑)

最後に「オレンジ・カウンティ」(原題:ORANGE COUNTY 2002年)で締めくくろう!

南カルフォル二ア、オレンジ郡に暮らすショーン・ブラムダーはサーフィンに明け暮れる高校生。
ある日、砂浜に捨てられた小説を手にしたショーンは作品に感銘を受け、小説家になることを決意する。
そして、小説の作者スキナー氏のいるスタンフォード大学進学を目指すのだったが…。

主人公ショーンを演じたのが、トム・ハンクスの息子であるコリン・ハンクス
いつも泣きべそ顔をしていて、いじめられっ子の印象だけど映画の中ではヤンチャな連中とつるんでいる。
日本の俳優、妻夫木聡に似ているように感じたのはSNAKEPIPEだけかな?
ショーンが目指していたスタンフォード大学に、あるアクシデントのため入学できなくなってしまうところから話が始まる。
いや、もし本当にこんなアクシデントが起きたら大変な事件だよ!
マスコミが知ったら責任追及されるだろうし。
そのままになっているところが、さすが映画!
ショーンが自分で奮闘しないとお話にならないもんね。(笑)

そのショーンの兄の役で出演しているのがジャック・ブラック。
この作品の中では、ほとんど下着姿だったような?
ダメ兄貴という役柄だけど、良い味出してるんだよね。
ジャック・ブラックの特徴として、最終的には「いいヤツ」という感想に変わってしまう、というのがある。
恐らくそれがジャック・ブラックの持ち味であり、魅力なんだろうね。
「暑苦しい、厚かましい、鬱陶しい」はずだったのに。(笑)

ショーンのガールフレンドを演じたのがシュイラー・フィスク。
この名前でピンときたSNAKEPIPE。
フィスクとはジャック・フィスクだ、と。
敬愛する映画監督デヴィッド・リンチの処女作である「イレイザーヘッド」の中に登場する「惑星の男」を演じたのがジャック・フィスク。
そしてそのジャック・フィスクと結婚したのがブライアン・デ・パルマ監督の「 キャリー」(原題:Carrie 1976年)で主演したシシー・スペイセク
その娘がシュイラー・フィスク、というわけだ。(説明長い)
確かにシシー・スペイセクに似てる。
そばかすが特に似てる!(笑)
高校生カップルを演じている2人が、2人揃って2世タレントだったとはね!

ショーンの両親がこちら!
最初はシャロン・ストーンかと間違ってしまった母親はキャサリン・オハラ、 父親はジョン・リスゴー
つい先日、これもまたブライアン・デ・パルマ監督作品「レイジング・ケイン」を観たばかりで、ジョン・リスゴーの怪演に目を見張ったばかり。
あの異常者がお父さんだなんて!(混同しまくり)
両親も良い味出してたね。

ほんのチョイ役で出演していたのが、ベン・スティラー
ジャック・ブラックとの絡みだったのに、全然コメディ要素がなかったから「似てるけど、違うかな?」と思いながら観てしまった。
消防士の役がとてもよく似合っていたね!

高校生が主人公のため「人間の成長過程」がテーマなんだよね。
そこだけを取ると真面目そうな映画だと勘違いしそうだけど、ジャック・ブラックのおかげ(?)でコメディ映画になっているところがポイントかな。

興味を持った監督や俳優の作品はなるべく鑑賞したいROCKHURRAH RECORDSなので、実はジャック・ブラック関連の映画は他にも鑑賞済なんだよね。
また特集してジャック・ブラックの魅力をお伝えしよう!(笑)